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栄通記

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2013年 11月 01日

2285)「本間輝子 染色作品展」時計台 10月28日(月)~11月2日(土)

   



本間輝子染色作品展 



 会場:札幌時計台ギャラリー
    中央区北1条西3丁目・札幌時計台文化会館
    (東西に走る仲通りの北側のビル)
    電話(011)241ー1831

 会期:2013年10月28日(月)~11月2日(土)
 時間:10:00~18:00 
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーー(10.28)


 作家は帯広在住で、染色作品展です。
 染色との出会いは26年前ですが、札幌での個展は初めてのことです。
 展覧会は華やかで元気が良い、しかも札幌初個展です。是非とも掲載報告です。会期には遅れ気味になりましたが、何とか最終日には間に合いました。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)



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 会場左側は以下の作品群。



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   ↑:①。



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 染めとの出会いは26年前。が、工芸ではなく、今展のような個性重視の美術作品になったのはいつ頃からか?10年前位の旧作があった。その頃からか?だとしたら、まだまだこれからの人だ。

 そんなことより、新作から載せていきます。


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   ↑:左側、「譜(ポピー)」・2011年 F100。
   ↑:右側、「譜'12」、2012年 F100。


 爛熟ポピーに、元気印のポピーだ。花の生命力に魅せられたんだ。もらった元気はきっちり姿にして、他の人にも与えねばならない、そんな使命感すら感じる作画(染め画)姿勢だ。

 だが、作家はまだまだ「求めている」のではないか?
 確かに花弁は満開乱れ花であり、胞子のような種子のようなツブツブは、明日の主役として天空に飛び立つ勢いだ。
 が、茎は意外にも遠慮がちだ。本当は、この茎にも妖艶な姿で画面上空に立ち上がらせる!うねりながらグイグイと伸ばしたかったのではなかろうか!それでは、花や種子が頑張っていて、あまりにも画面がうるさくなると思ったのではないか!僕には、茎が「オレにも主役の片割れにしてくれよ」と、心で訴えているように見える。

 確かに四角四面の領域がある絵画ではバランスも重要であろう。が、伸びきれない茎が不自由に見えるのは、まだまだ作家が元気200%を主張していない証だと思う。溢れる勢いを持っている本間輝子だ。一度は限界ギリギリまでのパワー染め画も悪くはないのでは。



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   ↑:「夏陽」、2012年 138×102㎝。


 この茎を見ていると、遠慮がちに作品を収める姿勢を感じる。実にもったいない。右側にもう一対、「乱れ茎」の衝立があれば完璧だ。怒濤のような女性パワー!格好いいと思う。



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   ↑:(①の作品群の中の部分図。一番左側。「清華」・1996年 165×114㎝。)


 7年前の作品。可憐に丁寧に、を基本にしながらも、溢れるエネルギーをどこで処理しようか?そんな勢いがある。






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   ↑:「清命(響)」・2010年 F100。





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   ↑:左側、「清命」、2002年 F100。
   ↑:右側、「清命燁燁」・2006年 F100。



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   ↑:(上掲作品の部分図。)


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   ↑:(上掲作品の部分図。)





 今改めて制作年順に流れを見ると、チョー激しい時期から、若干激しさを押しとどめて、形をより決めようとしているみたい。だからといって、「消去」に進むわけではないだろう。こうして自作を一気に眺めて、作家自身もあれこれと確認しているのだろう。




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 草木染めです。化学染料とは違った柔らかい明るさです。草木染めはもっと重厚な色というイメージだったが、そこは染色家のさじ加減なのだろう。




 最後に小品を載せます。



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   ↑:「エゾカンゾウ」・1993年 49×51㎝。



 旧作。
 線に対する情熱を思う。作画の流れを見ると、主にボリューム感を追求してきたようだ。線への愛は薄れたのだろうか?



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   ↑:「白い花」・2008年 69×56㎝。




 迫力バンバン、命乱舞の楽しい個展だった。
 本間輝子は道展会員でもある。帯広在住だから、道展でその姿を見ることができる。が、やはり個展だ。他人の作品など気にせず、自分だけを晒すことになる。

 ここまで晒したのだ。もっともっと晒して、更なる生命賛歌を見たいものだ。個展だったら額装をはみ出ることもできる。コラージュだってあるだろう。
 一部屋をゆらりと揺れる生地模様が埋め尽くす。作家の名前のごとく、輝子の「輝きワールド」、色々何でもありの本間輝子・草木染め、染色ワールド・・・そんな妄想を勝手に描いてしまった。

by sakaidoori | 2013-11-01 23:55 | 時計台


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