栄通記

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2013年 10月 24日

2277) 「斉藤幹男 -Missing Bomerang 」 cai02 終了/9月20日(金)~10月12日(土)

  



斉藤幹男 -Missing Bomerang   

     

         
 会場:CAI02
      中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2   
      (地下鉄大通駅1番出口。
    ※注意⇒駅の階段を下りてはいけません。
          昭和ビルの地下2階です。)
     電話(011)802-6438

 会期:2013年9月20日(金)~10月12日(土)
 休み:日曜・祝日  
 時間:13:00~23:00
      (最終日は、~16:00まで。)

※ オープニング・レセプション ⇒ 9/21(土) 19:00~
※ トーク・プログラム ⇒ 9/30(月) 19:00~
      出演:斎藤幹男 助川龍(札響コントラバス奏者)
      主宰:当館
      ゲスト・キュレーター:高畠みゆき 

ーーーーーーーーーーーーーーー(10.5 8)



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 何と言っても巨大黒猫が目に飛び込んでくる。



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 後ろ姿だけど、全身が見えるかな?長いしっぽだ。

 「前門の虎、本当は黒猫」だ。「怖い猫だぞ~、本当は怖くないか」と、言っているのか・・・。

 暗闇での黒猫は不気味だが、子供番組みたいな映像が大きく流れている。一応は全体がポップ調、マンガ調であしらえて、「来たれ若者よ!一緒に遊ぼう、楽しもう」と誇示している。
 とは言っても、映像も無音だし、怖そうな部屋だから、「子供のいない遊園地」のような寂しさが部屋中を覆っている。
 実際、サイドに流れている映像や、他の展示物を見ると、全体がいかにも「現代美術」という雰囲気がする。何より、可愛さムードは日本的なのだが、ことさら日本的であることが、西洋に顔を向けた美術展になっている。「西洋に顔を向ける」、おそらく部屋全体を包む「斉藤幹男・孤独感」がそう感じさせるのだろう。


 落ち着いて部屋全体を見渡そう。



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 お一人一個のお持ち帰り品だ。サービス精神や優しさに富んだ作家だ。おそらく若い作家だろう。いじらし所作というよりも、手慣れた感じだ。「孤独感」は「共生」を求めるものだ。もっとも、この小魚たちに「共生」などと、大仰な言葉は向かないかもしれない。単なる遊びかもしれない。




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   ↑:「カボチャ雲」・2013年 銀塩写真。



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   ↑:左から、「南3西10 札幌」・2013年 銀塩写真。「アンドロス」・2013年 銀塩写真 12×18㎝。



 写真はこの部屋を象徴している。ユーモラスを含みつつも、索漠感が全体を包んでいる。遊び心と醒めた目だ。銀塩にこだわる手作り感覚、これは巨大猫にも何にでも拡がるのだろう。実際、写真、映像、アニメ、物作り、エトセトラと何でもこなせる作家だ。チョウチョのようにあちこちを旅し、毒ならぬ「個・弧」を置き去りにしていく感じだ。



 メインの映像を何枚か載せます。映像の意図がどの辺にあるのだろう?一緒に感じてみましょう。



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 札幌の作家だろうか?道内人だとしても、どこか異質だ。若い人とは思うが、他者を十二分に意識しての展示は手慣れ過ぎの感じだ。外国なりでもまれた人なのか?それなら、彼の地で、孤独との闘いを優しさやアニメなどの日本人感覚で勝負していたのかもしれない。
 あるいは外国で羽ばたきたい人なのか?それなら、この洋式がかった日本調は、さらなる磨きをかけるだろう。

 知性、冗談、技術、ユーモアと多才な人だ。「多才」と「孤独」の組み合わせ素晴らし。少しポップにおもねった感じはするが、彼の知性とエネルギーの出口がそうさせるのだろう。「孤独」には遊びが付きものだ。そういう印象は僕自身が60代という年齢の問題もあるかもしれない。若い鑑賞者は、もっと素直に楽しんでいるのかもしれない。


 「Missing Bomerang 」-無くなった、あるいは行き場の見つからないブーメラン?かな。自身をブーメランになぞらえているのか?




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by sakaidoori | 2013-10-24 12:19 | CAI02(昭和ビル)


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