2013年 10月 14日
第55回 学生美術全道展 会場:札幌市民ギャラリー・全館 中央区南2条東6丁目 (北西角地) 電話(011)271-5471 会期:2013年10月5日(土)~10月9日(水) 休み: 時間:10:00~17:00 【参加高校生】 とても沢山。 主催:当協会 北海道新聞社 ーーーーーーーーーーーーーー(10.5) 2246)①、2248)②の続き。 (以下、敬称は省略させていただきます。) ![]() 少し忙しかったので、会場風景しか報告していません。ゴチャゴチャ語るのが本ブログの生命線です。会期は終了しましたが、細々ながら個別作品を載せて行きます。掲載順番は撮った逆の順番です。 ![]() 一見すると、「口から汚物を吐き出しているのかな、だから汚なそう」。というのと、「キラキラ宝物が口から出てくる。手でしっかり受け止めている」という、汚物と宝物という相反する気持ちで見てしまった。 それに、何より困ったことは上手い絵だ。上手いことは良いことなのだが、感情の善なる面を見せるには得だが、濁なる面を見せるには損をする。結局、何を描いても綺麗に輝いて見えるから。 この絵は受け止めている「手」が大きいのも魅力的で、「感情蓄積物」がどんなものであれ、立派に引き受ける度量の大きさにもなっている。それは作品を大きく見せている。 こういう作品で一番の問題は、手にしろ物にしろ、描かれたものたちよりも、それを包み込む背景(面)をどう考えるかに尽きるのではと思っている。 ①あくまでも描かれた物たちを引き立たせるための背景。いわゆる背景処理として考える。 ②背景も、「感情蓄積物」の一部として考える。 ③描かれたものたちとは次元を異にする空間にする。 この作品は①であろう。個人的には、背景にも②の要素を求めたい。それはうるさい絵にはなるだろう。 1年生の作品だ。彼女は何かを描いても、全てある程度の技量を発揮するのは間違いない。 学生が何を求めているかはわからないが、こういう刺激的テーマを選ぶ人だ。ガンガン描いて、輝く人になって欲しいものだ。 ![]() どこからみても、手が目立っていた。シンプルで、微妙な動きと、広がる動きが自然に重なっていて、ついつい目に入るのだろう。 ↑:下側、札幌大谷高校 1年・藤岡侑、「嘘の限界」。 「不思議な表情だな、背景もリズムがあるようで機械的で、何なんだろう、この感情表現は?」と思いながらタイトルを読む。「嘘の限界」・・・そんな風に見えもするし、ちょっと違うようなきもするし・・・。 ![]() ↑:右側、札幌西高校 1年・勝木那琴、「境目の女」。 ともに元気な絵だ。 特に左の絵は、漂うムードまでねちっこくて、元気の良さを超えて、性理も剥き出ていて激しい。 ![]() 作品としては薄塗りで未完成的な感じだ。が、この淡くて、取り立てて主張しない風情に心が止まる。 淡白な空間を主張したいのか?タイトルが「1年B組」だから、もしかして自分の教室を静かに見つめているのかもしれない。 確かに未完成的作品だ。が、この絵を強く描いても面白くない。定点に視点を定めても人目を惹くこともないだろう。 ただ淡々とフラットな風景があるだけだ。 ![]() 岩内高校美術部は伝統的?に、対象を強く大きくしっかり描く。そんな代表的な岩内美術部絵画だ。 高校生らしくて気持ちが良い。見つめる心を養っているのだろう。 ![]() 楽しい絵だ。ひょうきんな人たちだ。彼らは点で結ばれ、花で結ばれ、ラブで結ばれている。 他愛のない「人たち」だ。無邪気な遊び心が絵画を膨らませ、絵画をすることが遊びをいっそう楽しいものにしている。 ![]() 上手い絵だ。上手すぎるから、単に「水の穴」でしかないのがもったいない。この「水の穴」に画家は何を見て、何を僕らに見せたいのか? 「穴」が好きな学生なのか?「水」が好きな学生なのか?「穴」と「水」、ともに一筋縄ではいかないテーマだ。描写力の実力を超えて、その不可思議をもっともっと魅せて欲しい。
by sakaidoori
| 2013-10-14 07:00
| 市民ギャラリー
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||