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栄通記

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2013年 10月 09日

2251) 「田村佳津子展 ~ふわふわ かたち やわらかな こころ~」 cai02 10月5日(土)~10月12日(土)



田村佳津子展 

ふわふわ かたち
   やわらかな こころ
  

     

         
 会場:CAI02
      中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2   
      (地下鉄大通駅1番出口。
    ※注意⇒駅の階段を下りてはいけません。
          昭和ビルの地下2階です。)
     電話(011)802-6438

 会期:2013年10月5日(土)~10月12日(土)
 休み:日曜・祝日  
 時間:13:00~23:00
      (最終日は、~16:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーー(10.8)


 「かたち ふわふわ、こころ ふわふわ」の田村佳津子ワールド。

 まずは会場風景を見て下さい。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)
  


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 作品は二部構成。
 上の写真を見て下さい。一つは、左側2点のようなの面をふわふわ、ふるふる感覚の微妙な色の世界。
 一つは、右側の作品のような線描の世界。

 面の世界と線の世界、静と動、絵画と線描画、ふわふわ心ときつい心、とに分けられるだろう。制作作業も相当に違う。真逆のような二つの世界なのだが、やはり同じ作家のすることだ。一人の人間が右と左に分かれて進んだのだが、途中の風景も随分と違ったのだが、最後は「あら、田村佳津子さん、また会いましたね」と同じ人間が挨拶をしているみたい。


 では、絵画編から載せて行きます。すこぶる薄味の微妙な女心、いえ、女の子心と言ったほうがいい。そんな淡い世界をひとまず見て下さい。

 「えっ、見にくいって!」
 写真を信頼してはいけません。写真は心の窓の枠のようなもの。心眼で薄美を味わって下さい。
 


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   ↑:(上掲作品の部分図。)




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   ↑:(上掲作品の部分図。)





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   ↑:(上掲作品の部分図。)



 田村絵画で最大の注意を先に指摘しておきます。下地を色塗りして、その上に模様を描いて、その模様に輪郭線を入れる、ではないのです。
 下地処理はされているでしょう。そこにふわふわ模様を描き込む。模様に輪郭線を描く。そして、模様と模様の間に、輪郭線を削らないようにして色を埋めていく。そういう作業を2回なり3回するようです。ですから、作品には重ね塗りの違いからくる凸凹は生まれない。どこまでもフラットな同じ厚さに塗られた絵画だ。もっとも、色に満足できなくて、重ね塗りの回数の違う色はあるかもしれない。
 そういうフラットな、何処までも波風の立たない均一な世界。まるで精神修行のような「ふわふわ」だ。だが、作品としては精神修行的な痕跡を残しては絶対にダメなのだ。あくまでも女の子や子供がメルヘン的に、雪降る姿に我を忘れるようでなければならない。だから、画家も今展の色味の薄さに悩んでいるが、不用意に濃くするわけにはいかないのだ。触れば溶けるような、「ふわふわ、やわらか、あったかなカタチ、まどろむココロ、幸せ気分」でなければならない。

 田村佳津子という個は消えて、意欲や主張や強さは幸せの向こうに行ってしまって、溶けそうで溶けない作品がそこに残る。わずかに、輪郭線を残した模様が絵画の証のようにして。




 さー、次は激しい線を見よう。もう少しお付き合い下さい。


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   ↑:(上掲作品の部分図。)




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 上の2点は旧作です。
 
 以下新作です。


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 新作線描画の中では一番のお気に入り。



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 激しい世界だ。もっとも、原画は写真で見るよりも隙間もそれなりに保たれ、ゆとりがあります。
 無邪気な遊び心で描いている、と言えば嘘になるかもしれない。重ならないような線は相当の緊張感を強いるから。しかし、田村佳津子は線を引くのが好きなのだ。緊張は無心な姿だろう。無心で童心に返っているかもしれない。それが画家というものかもしれない。上手く描けて、一人悦になっているかもしれない。この喜びを誰かに伝えたい・・・そこに個展が誕生する。






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 久しぶりにあった田村佳津子女史は元気だった。個展を開くのだから当然だろう。
 以下、栄通からの大きなお世話です。

 彼女を知る中堅ベテランの画家諸氏よ!足を運んで見てやって下さい。

 彼女を知らない若き諸君よ!あまり見れない画風に親しむのも楽しいものです。もし貴方が画家ならば、絵を続けることの意味を考える場になるでしょう。

by sakaidoori | 2013-10-09 07:00 | CAI02(昭和ビル)


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