2013年 10月 09日
田村佳津子展 ふわふわ かたち やわらかな こころ 会場:CAI02 中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 (地下鉄大通駅1番出口。 ※注意⇒駅の階段を下りてはいけません。 昭和ビルの地下2階です。) 電話(011)802-6438 会期:2013年10月5日(土)~10月12日(土) 休み:日曜・祝日 時間:13:00~23:00 (最終日は、~16:00まで。) ーーーーーーーーーーーーーーー(10.8) 「かたち ふわふわ、こころ ふわふわ」の田村佳津子ワールド。 まずは会場風景を見て下さい。 (以下、敬称は省略させていただきます。) ![]() ![]() ![]() ![]() 作品は二部構成。 上の写真を見て下さい。一つは、左側2点のようなの面をふわふわ、ふるふる感覚の微妙な色の世界。 一つは、右側の作品のような線描の世界。 面の世界と線の世界、静と動、絵画と線描画、ふわふわ心ときつい心、とに分けられるだろう。制作作業も相当に違う。真逆のような二つの世界なのだが、やはり同じ作家のすることだ。一人の人間が右と左に分かれて進んだのだが、途中の風景も随分と違ったのだが、最後は「あら、田村佳津子さん、また会いましたね」と同じ人間が挨拶をしているみたい。 では、絵画編から載せて行きます。すこぶる薄味の微妙な女心、いえ、女の子心と言ったほうがいい。そんな淡い世界をひとまず見て下さい。 「えっ、見にくいって!」 写真を信頼してはいけません。写真は心の窓の枠のようなもの。心眼で薄美を味わって下さい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 田村絵画で最大の注意を先に指摘しておきます。下地を色塗りして、その上に模様を描いて、その模様に輪郭線を入れる、ではないのです。 下地処理はされているでしょう。そこにふわふわ模様を描き込む。模様に輪郭線を描く。そして、模様と模様の間に、輪郭線を削らないようにして色を埋めていく。そういう作業を2回なり3回するようです。ですから、作品には重ね塗りの違いからくる凸凹は生まれない。どこまでもフラットな同じ厚さに塗られた絵画だ。もっとも、色に満足できなくて、重ね塗りの回数の違う色はあるかもしれない。 そういうフラットな、何処までも波風の立たない均一な世界。まるで精神修行のような「ふわふわ」だ。だが、作品としては精神修行的な痕跡を残しては絶対にダメなのだ。あくまでも女の子や子供がメルヘン的に、雪降る姿に我を忘れるようでなければならない。だから、画家も今展の色味の薄さに悩んでいるが、不用意に濃くするわけにはいかないのだ。触れば溶けるような、「ふわふわ、やわらか、あったかなカタチ、まどろむココロ、幸せ気分」でなければならない。 田村佳津子という個は消えて、意欲や主張や強さは幸せの向こうに行ってしまって、溶けそうで溶けない作品がそこに残る。わずかに、輪郭線を残した模様が絵画の証のようにして。 さー、次は激しい線を見よう。もう少しお付き合い下さい。 ![]() ![]() ![]() 上の2点は旧作です。 以下新作です。 ![]() ![]() 新作線描画の中では一番のお気に入り。 ![]() ![]() 激しい世界だ。もっとも、原画は写真で見るよりも隙間もそれなりに保たれ、ゆとりがあります。 無邪気な遊び心で描いている、と言えば嘘になるかもしれない。重ならないような線は相当の緊張感を強いるから。しかし、田村佳津子は線を引くのが好きなのだ。緊張は無心な姿だろう。無心で童心に返っているかもしれない。それが画家というものかもしれない。上手く描けて、一人悦になっているかもしれない。この喜びを誰かに伝えたい・・・そこに個展が誕生する。 ![]() 久しぶりにあった田村佳津子女史は元気だった。個展を開くのだから当然だろう。 以下、栄通からの大きなお世話です。 彼女を知る中堅ベテランの画家諸氏よ!足を運んで見てやって下さい。 彼女を知らない若き諸君よ!あまり見れない画風に親しむのも楽しいものです。もし貴方が画家ならば、絵を続けることの意味を考える場になるでしょう。
by sakaidoori
| 2013-10-09 07:00
| CAI02(昭和ビル)
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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