2013年 10月 01日
石尾隆作品展 会場:さいとうギャラリー 5階 B室 中央区南1条西3丁目1 ラ・ガレリア5階 (北東角地。 1階が日産のショールーム。) 電話(011)222-3698 会期:2013年9月24日(火)~9月29日(日) 休み:月曜日(定休日) 時間:10:30~18:30 (最終日は、~17:00まで) ーーーーーーーーーーーーーー(9.28) ![]() ![]() ![]() 絵画を工作的に楽しんでいる作家です。団塊の世代として働き、今、好きだった絵画を好きなように取り組んでいる。 会場風景を見ても分かるように明るく楽しいが基本中の基本です。「な~んたって楽しくなくちゃ」です。美術用語で格好良く言うと、ポップアート、お笑いアート、目くらましアートと呼ぶのでしょうか。 でも、明るく装った世界にほのかに見える胸騒ぎ、哀しみといえば極端ですが、狂言的な人生の泣き笑いを感じてしまった。 そういう代表例であり、栄通好みの作品を2点、始めに掲載します。 ![]() ![]() オバタリマンだ。しかも全てを尻に敷く恐怖のオバタリマンだ。 発光色で身を包んだ、顔なし叔母ちゃま。あー、そのお尻で今日は誰を踏みつぶすというのか。 あな恐ろしや!でも、ふがいなき人生だ。立派なそのお尻に踏みつけられるのも良しとしよう。 そして今日もオバタリアンは楽しく明るく街を闊歩していく。「そこのけそこのけ、叔母ちゃまが通る!」 ![]() およそ60年前の家族の肖像画だ。おそらく、画家自身の家族だろう。二人の子供のどちらかが画家自身だろう。 セピア調に懐古趣味にはしていない。タイトルがなければ、「今の、ある家族の肖像画」として見られるかもしれない。 過去と現在をダブらせて、決して過去を懐かしんで描いていないのが良い。懐かしさがないわけではなかろう。むしろ、「この写真に撮られた、あの日の家族の一人一人は今どうしているのだろう?」という切実な思いを、否定するかのようにして「今」を楽しむそぶりが素晴らしい。 「色々あったのだ。皆一所懸命に生きた。これからの余生も明るく振る舞おう」という画家の宣言を聞く思いだ。 ![]() 著名な歴史画家の作品を借りて、「マウント・富士」の賛歌か。単に明るいだけでは面白くないので、三角模様に紙を張り巡らせて、作品を立体的に楽しんでもらおう。尽きることなく富士を褒め称えよう! と、思いきや、画家の真意はそれだけではなかった。 ![]() 作品を斜めから見ると、誰かの顔が埋め込まれているのがはっきり分かる。単なる遊び?他愛のないファンサービス? 真意がどの辺にあるのかは不明だが、大作に試みられた壮大な遊びに拍手を送りたい。 次ぎも単なるトリックアートです。意外な美しさを堪能して下さい。 ![]() 上は正面から見た場合。思いの外グラデーションが綺麗だ。 この作品を左右から見ると-- ![]() ![]() 単に段ボールの左側が綠で、右側が赤なだけだ。流れるような段ボールの切断面は関心だが、ただそれだけのことだ。そして、この種の方法は使い古されているかもしれない。 しかししかし、それでもそれでも、単純な波線と赤と緑のコントラスト、単純な仕掛けではあるが、綺麗だった。色と波の残像が心にしみて心地良かった。 作家は色々と壁面世界に突起物を差し込んだりして遊んでいる。その効果のほどは全面開花とはいえないが、果敢なチャレンジだと思う。使い古された方法もあるだろうが、それでも色々と後追い的に追体験をして、石尾隆流の絵画ができあがっていくのだろう。今はその過渡期であり、進行過程を同時に楽しむ時期なのだろう。 定年後の本格ポップアートだ。人生経験が加わっているから、思いがけないものが生まれるかもしれない。楽しみながらつきあっていこう。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
by sakaidoori
| 2013-10-01 09:27
| さいとう
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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