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栄通記

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2013年 09月 29日

2233)①「漆山豊展」 新さっぽろ 9月25日(水)~9月30日(月)

  


漆山豊 



 会場:新さっぽろギャラリー
      厚別区厚別中央2条5丁目6-3
      デュオ2・5階
      (デュオは地下鉄新札幌駅周辺にあるショッピング・ビル。
      地下鉄&JR新札幌駅と直結)
     電話・花田(090)9439-7921

 会期:2013年9月25日(水)~9月30日(月)
 休み:
 時間:10:00~19:00 

※ オープニング追悼コンサート ⇒ 初日 18:30~ 草舞弦  


ーーーーーーーーーーーーーー(9.29)


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 今年の6月に亡くなられた漆山豊さんの追悼展です。82歳とのことです。

 画歴の長い画家です。そして表現手段も絵画だけでは納まらないと聞いています。そういうベテラン作家の追悼展では、作品の選定が大変だったとお思います。
 それに、私自身がそれほど氏に関して詳しくはありません。ある時期にギャラリーたぴおのグループ展で親しんだだけです。

 今展の紹介は氏を偲んでという意味もありますが、近作中心の作品展として充分に楽しめます。年配作家の間では、相応に知られた作家だとは思います。最近は発表する機会も少なく、若い方にとっては無名の画家に近いかもしれない。
 一部の方以外は、氏の最近の画風を知らないことでしょう。しっかりと絵を描かれておられたのです。明言はできませんが、最近作およびこの7、8年の作品が中心です。「画家・漆山豊」の最近の絵画を見る機会にして下さい。


 以下、まず纏まった形で全作品を載せます。若干の説明を記しますが、間違いがあるかもしれません。ご指摘頂ければ幸いです。
 また、ほとんどの作品には制作年を画いていません。タイトルもです。

 間違いなく、今後も「漆山豊遺作展」は開かれると思います。その時にはより説明できればと思います。




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 右側のポートレートがご本人です。

 続く3点はかなり古い作品です。

 次の横長の作品が絶筆です。

 一番左はいつ頃かは不明です。なぜあるかといえば、この建築的な世界が漆山豊氏の基本だからでしょう。僕は氏の生業をしりませんが、建築に関係していたかもしれません。




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 直線を主体にした抽象画群。
 この頃の作品は僕もギャラリーたぴおで親しんでいます。ですから、7、8年以前でしょうか?「漆山豊」といえば、僕にとってはこういう世界です。構築的で、線の緊張感と鋭さ、それでいてリズミカルで愛おしい色です。小品としては抜群のできとして見ていました。



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 花の作品で飾っています。晩年は花を描くことが多かったとのことです。




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 建築的な緊張感のある生命体から、身の回りの生き物へ眼差しを向け始めたのでしょう。




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 しかし、花の後のこの白い緊張感!後で全作大きく載せます。特に、真ん中の人物群は作家にとっては異色でしょう。人を描くだけでも珍しい。遺族の方が、作品の由来を語っていましたが、鬼気迫る作家の体験(幻覚?妄想?)が隠れているようです。




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 概ね晩年の作品群でしょう。やはり無機物から植物へと転換しています。




 気になる作品を個別紹介します。展示順に進んでいきます。但し、絶筆は最後にします。


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 幾つの時の作品でしょうか。20代?30代?ロマンチックな瑞々しい作品です。男性画家ならば一度は描きたくなる世界でしょう。若かりし頃の記念碑です。
 こういう作品はいつ見ても飽きることはない。



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 「こういう絵を描く作家は何を求めているのだろう?」
 「もしお話しする機会があるならば、どんな言葉から切り出したらいいのだろう?」
 ・・・
 そんなことを考えて絵を見ていた。この緊張感とリズムが好きだった。それに色が綺麗だ。



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 もし、「一点だけ持ち帰って良いよ」と言われたら、迷わずどちらかを選ぶ。
 果物がこぼれ落ちているから、樹木、あるいは生命樹として描かれたのだろう。そういうシルエットだ。
 が、この形のおおらかさ、ボリューム感は優しく人を包み込む。そして、中は線描で丁寧に丁寧に、それでいて尽きることなき執念で樹を覆っている。「それは葉っぱの集合だよ」というかもしれない。それだけではないではないか!優しくはあるが生命への執念執着を自己規制している姿だ。画家は建築美を愛していた人だ。常に冷静な目が過剰な精神を押さえようとしている。普段は冷静な目も、腕の自由さを楽しんでいるのだろう。



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 白き幻想画だ。下の方の「赤」は何なのだ!幻想を切り裂く現実か?



 長くなってしまいました。

 ②に続く。

by sakaidoori | 2013-09-29 23:39 | 新さっぽろg.


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