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栄通記

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2013年 09月 26日

2227)④「有島記念館若手作家展Ⅰ『再会-reunion』」 (ニセコ町)有島記念館 7月1日(月)~9月29日(日)

    


有島記念館開館35周年
有島武郎青少年公募絵画展25周年
 


有島記念館若手作家展
 
   再会-reunion
 



 会場:ニセコ町・有島記念館 特別展示室 
     ニセコ町有島57
    電話(0136)44-3245 
 会期:2013年7月1日(月)~9月29日(日)
 時間:9:00~17:00 (入館は16:30まで)
 休み:会期中無休
 料金:一般500円 中学生100円 

 【参加作家】
 河野健 新見亜矢子 會田千夏 松崎裕哉 佐藤仁敬 浜地彩 林こずえ 加藤翠 

 主催:当館 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーー(9.7)


 2191)①、2200)②、2226)③の続き。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 少しのんびりした報告になりました。一気に残り4名の作家掲載を目標に進めていきます。



◯ 會田千夏の場合


   1980年 北海道札幌市生まれ
   2003年 札幌大谷短期大学専攻科美術専攻油彩コース修了
   2005年 多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了


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   ↑:右側、「くだものやさん」・(公募展出品作)1997年(高校時代) 803×1167㎜ キャンバス 油彩。
   ↑:左側、「旅の入り口」・2002年(大学時代) 1940×970㎜ キャンバス 油彩。



 高校時代の出品作、明るくって楽しい作品だ。カラー・ウーマンだったのだ。

 僕は大学時代の3人グループ展で、ちょっとドロドロとした鉛筆ドローイングの印象が強烈で、彼女の七色でハッピーな世界をあまり気にしないようにしていた。どんなドロドロした世界かというと、左の作品の上の方の表現だ。



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   ↑:①(上掲作品の部分図。)


 この部分図のグロテクスさ、秘密めいた作品が印象深かった。
 いま、この作品をよく見ると、服の部分はしっかりと七色で汚れている。


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   ↑:②(上掲作品の部分図。)



 具象をそぎ落として、この①と②の表現が次から次へとふかまっていった。そこに線描も加わり、次は何が出るかと、ますます楽しませてくれる現在進行形の注目作家だろう。


 数ある作品の中から、今展は以下の作品の持参だ。作家の気持ちがどの辺にあるのか、そんなことも楽しんで下さい。




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   ↑:(右側の大きめの3点)「katari-jima」シリーズ、2009年 ボード 油彩。



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   ↑:左から、「katari-jima 2009.6.8a」、「katari-jima 2009.6.8」・2009年 ボード 油彩。






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   ↑:「portrait」シリーズ、2011年~2013年 ボード 油彩。



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   ↑:「portrait 2011.3.13」・2011年 900×900㎜ ボード 油彩。



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   ↑:「portrait 2013.1.15.a」・2013年 900×900㎜ ボード 油彩。



 明るくてハッピーなんだが、どこか秘密めいたムードが潜んでいる。そこも會田作品の魅力だろう。




◯ 浜地彩の場合



    1980年 北海道札幌市生まれ。



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   ↑:「光を求めて」・(公募展出品作品)1997年(高校時代) 530×730㎜ 紙 水彩。



 画家にとって記念すべき作品だ。
 今展の多くの作家が、有島公募展入賞に励まされたことを記している。言葉には昨日のような響きがあり、新鮮そのものだ。背筋を伸ばして読んだ。
 それは彼等がまだ、その頃の若さの延長上にいるということか?原点の持つ重みか?




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   ↑:右側、「ゆらぐ私の心」・(公募展出品作)1998年(高校時代) 727×606㎜ キャンバス 油彩。






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   ↑:「記憶を泳ぐ」、2013年 6点1組 石膏粘土 発砲スチロール ドライフラワー 木材 パラフィン紙。




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 浜地彩はいろんなことをしたいという。溢れるアイデアを一つ一つの形にしたいのだ。
 今展のミニチュアのような作品は、額に納まって上品だが、これからのための大いなる実験場なのだろう。
 沢山作ることだ。質を問わずに量を積むことだ。質を忘れて無我夢中になることだ。エネルギーを留めないで、常に吐き出せばいいのだ。見えなかったアイデアまでも、ぞろぞろと湧いてくるだろう。あんまり溢れて大変になるかもしれない。その時ハタと考えればいいのだ。

 今展の浜地彩は「原点と“これから”」を見せにきた。

 

by sakaidoori | 2013-09-26 15:40 | [ニセコ]有島記念館


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