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栄通記

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2013年 09月 24日

2221)② 「グループ18GRAY 第5回写真展 『ひかりと遊ぶ』」 富士フォト 9月20日(金)~9月25日(水)

   


グループ18GRAY 

   ~橋本タミオと元気な仲間たち~ 


第5回写真展 『ひかりと遊ぶ 

    


 会場:富士フォトサロン札幌
      中央区大通西6丁目1
       富士フイルム札幌ビル1階
     電話(011)241-7366

 会期:2013年9月20日(金)~9月25日(水)
 時間:10:00~19:00

 【参加撮影者】
 石積章 市川朋 井出雅人 上野弘志 工藤経一 今野紗衣 サトウミキ 進藤邦雄 高瀬厚子 塚田阿紀子 なかいかずこ 中村優介 長谷川實 林正 平本健太 松田光彦 村上粂蔵 毛利伸正 本山まち子 有樹純世・・・計19名。

ーーーーーーーーーー(9.21)

2220)①の続き。

 (以下、敬称は省略させていただきます。)



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2221)② 「グループ18GRAY 第5回写真展 『ひかりと遊ぶ』」 富士フォト 9月20日(金)~9月25日(水)_f0126829_913731.jpg




 参加者の出品数は2~3点です。纏めてお見せできれば、撮影者の主旨がより伝わるのでしょう。が、今展は、そういうまとまりより「個々の作品を見せる。それらを全体の流れの中で納める」という主旨です。

 ということで、個別作品を何枚か載せて行きます。



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   ↑:平本健太、「Alien in New York」。


 人影やセピア色などからノスタルジーという印象で見つめる。そこにいかにもニューヨーク的な落書きがあり、天国の象徴のような強い光が差し込む。
 どうも、人生の喜怒哀楽をにじませた情感からだんだん遠くなっていく。構図も強すぎる。撮影者は、被写体の反対物の組み合わせに遊んでいるようだ。
 「遊び」は好きなのだが、「人生」を入れたからには密やかな泣き笑いがないと寂しい。
 ただ、何でも拘らずに遊べるという精神には関心した。





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   ↑:平本健太、「Praivate」。


 先ほどと同じ撮影者だった。こちらは明快に遊び中心だ。モダン感覚のポスターのよう。シンプルで大胆、目を引きつける。それが狙いだろう。

 ただ、2枚の作品とも「人のシルエット」や「イス」が入り込んでいて、やはり遊ぶにも人間の痕跡がないと面白くないのだろう。そこが作品としては難しい。人の中身よりも形を追い求めているみたいで、確かに見るには楽しくて成功していると思う。が、そればかりでは万人好みに陥りかねない。





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   ↑:なかいかずこ、「北の砦」。


 被写体を通した人生なり社会の年月を見ているのだろう。共感を持てる世界だ。

 こういう世界をカラーで撮るのは難しい。モノトーンだったら一発でググッと迫るだろう。虚の世界だから。カラーだと、全てがリアルで鮮明になってしまう。
 例えば、手前の赤いスノーダンプ。変に赤い階段と呼応して、不必要なリズムを生んでしまった。階段の斜めの線も、撮影者の構図尊重姿勢、なりリズム指向を明確にさせてしまった。
 それらが、作品本来が主張したかった「物の重み、年輪」に付与できたのならば成功だろうが、結果的にはシンプルな主張を遠ざけた。

 が、今やカラー写真の時代だ。白黒で満足していた心象世界なり、存在感の主張を、カラーでもドンドン発信だ。長い闘いの一コマの作品でもある。





2221)② 「グループ18GRAY 第5回写真展 『ひかりと遊ぶ』」 富士フォト 9月20日(金)~9月25日(水)_f0126829_9534918.jpg
   ↑:市川朋、「思考→その光」。


 非常にユニークな作品だ。
 人のすれ違いを表現しているのか?小さな人間を人形のようにして遊んでいるのか?
 一人一人の人間の仕草は深刻ではない。それは現代の見た目の世界だ。

 この空間を暖かみで埋めてヒューマンな撮影者になるのか?断絶という人間追求者になるのか?
あるいは「遊び」を武器にしていろいろと試行錯誤するのか?
 都会人という、引っ付きもすれば離れもする、そういう中間人として振る舞うのか?





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2221)② 「グループ18GRAY 第5回写真展 『ひかりと遊ぶ』」 富士フォト 9月20日(金)~9月25日(水)_f0126829_10152437.jpg

   ↑:松田光彦、「節電・地上の光」。


 (すいません。この作品だけは小冊子よりコピーしたものも併載しました(右側の写真)。ボクの写真はいろいろと反射物が紛れ込み、誤解を与えかねません。)


 ロマンチックな作品だ。
 男は女の後ろ姿に恋をする。その服装、立ち姿、歩き加減と、一人妄想に溶け込み楽しい時間を費やす。暗がりであっても、明るくても雑踏の中でも、その後ろ髪に気分が誘われる。
 撮影者も、暗がりで凛々しく闊歩して歩む若き女性に情熱の火が灯ったのだろう。





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   ↑:有樹純世、「赤茄子(あかなす)は空(くう)に留まる」。


 美(理想)を時空に留める自慢の瞬間だろう。素晴らしい写真技術だ。






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   ↑:高瀬厚子、「静寂な海」。


 海なんですね。面白い被写体だ。何なんだろう?被写体に拘り、光に拘り、構図に拘り、リズムに拘り、空気感に拘り。距離感に拘り・・アッサリした作風のようですが、いろいろなこだわりが咄嗟に目につく。そこが弱点か?もし、たった一つだけのこだわりで迫るのならば、何を選ばれるのだろう?
 むしろ色々なこだわりよりも、直向きな姿勢に共感する。







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   ↑:井出雅人、「夫婦の樹」。


 銅版画、あるいは絵画のような作品だ。






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   ↑:村上粂蔵、「影絵のように」。


 人をシルエットに納めるのが好きな方です。この人への愛を表から素直に撮ったのを見たいです。背景に包まれる人ではなく、過度に接近した人物群を。






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   ↑:工藤経一、「16の瞳」。


 明るく健康的な作品だ。旅行関係の現地紹介写真として採用されそうな力量だ。






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   ↑:塚田阿紀子、「ざらめく手」。


 シンプルに遊ぶ写真家だ。ならば、もっともっと作って遊べばとも思った。ごちゃごちゃしたのが嫌いなのかもしれない。






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 (楽しく拝見させて頂きました。また、当ブログ掲載にはいろいろと配慮して頂いて有り難うございました。 
 一方、本編では写真に見識薄き人間なのに、失礼な言葉があったかもしれません。お許し下さい。
写真愛好家の一感想としてやり過ごして下さい。
 有り難うございました。)

by sakaidoori | 2013-09-24 12:00 | 写真)富士フォト・サロン


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