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栄通記

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2013年 09月 21日

2215)①「folding cosmos2013 松浦武史郎をめぐる10人の作家達」モエレ沼公園 9月18日(金)~9月23日(月・祝

  

  
ガラスのピラミッド開館10周年記念協賛企画

folding cosmos 2013  Berlin Sappor Kanazawa Takamaysu
  


松浦武史郎をめぐる10人の作家達 

 

 会場:モエレ沼公園・ガラスのピラミッド
      東区モエレ沼公園1-1
     電話(011)790-1231

 会期:2013年9月18日(金)~9月23日(月・祝)
 時間:10:00~18:00
 料金:無料

 【参加作家】
 安藤文絵 梅田マサノリ 兼藤忍 川上りえ 国松希根太 下沢敏也 冨田哲司 マコト フジムラ 細谷多聞 倉島美和子  

 【ゲスト作家】
 北原愛 マリア エスティヴァオ ポーラ テウ 内田鋼一     

 主催:当展実行委員会

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(9.20)

 
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 モエレ沼公園。
 この日は札幌市立某小学校のふれあい遠足にぶっつかった。
 人っ子一人いない公園も魅力的だが、普通に沢山の子供の声を聞けるのもいい。
 
 私はモエレ山が大好きだ。たかだか50mほどだが、立派な山だ。登っての景観も良いが、こうして眺めるのも楽しい。



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 昼食も公園で済ませた。目的の「10人展」を見に行こう。



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 会場は2階。



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   ↑:梅田まさのり、「細胞の風景」・2008年 ポリ塩化ビニール。



 展示はこのガラスの空間と思っていたが、早とちり。まん丸なプラスチック球体が浮かんでいるだけ。
 今展のテーマというかお題は「一畳敷きの茶室」。狭さを連想させる前に、ただの球体の前で心を無にせよ、ということか。



 入り口での全体風景を載せます。

 (以下、敬称は省略させていただきます。
 また、会場は撮影OKです。ただし、しっかりと個別作品の作品名、作家名は記すようにと指示されました。全体風景はともかくとして、指示の意向に沿うつもりです。)



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 ほぼこれで全作品です。右側の壁の裏に、一人だけの作品ルームがあります。



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   ↑:(左側の鉄組作品)川上りえ、「Extending Light」・2013年 ステンレス。



 今展、テーマに即していえば、茶室という空間や小道具を象徴的に扱い、中庭、外庭、茶室の外壁などを連想させて、入れ子状の茶室になっていた。
 もっとも、個々の作家はそれぞれのイメージで制作したのだ。また、梅田マサノリのように、この企画が始まる前の既発表作品を展示して場合もある。個別作家の一々を全体の中で統一的に見る必要はないでしょう。
 しかし、個々の作品を離れて何かの+αが全体で生まれたかどうか?そこが企画の企画たる意義であり、企画者の主張が問われるところだ。


 さて、会場は奥に行けば行くほど作家もひしめき合い、濃密な茶室空間になっている。
 その奥に行く前に、手前でもう一回心の準備を高めよう。



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   ↑:下沢敏也、「蹲い (3点組)」・2013年 陶。


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 茶室3点セットのような組作品。花器、茶釜、もう一つは何だろう。茶人の自慢の1点?

 陶の表面や形態はグロテスクで、既存の茶道具とは無縁だ。バサラ風流人の「濁」だ。
 世間の「濁」を離れて一期一会の「倫理」と、その人ならではの「清」を茶室では楽しむ。「虚」かもしれないが、一つの「倫理的理想郷」だ。その意味では茶人に却下される道具かもしれない。

 「再生」をテーマにする下沢敏也だ。この展示の静寂に浸って欲しい、その中での「濁」は「清濁」併せ持つ人生の縮図、原点ではないか。濁の容器の中の神秘を感じて欲しい、新たな誕生を感じませんか?そんな主張があるのかもしれない。





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   ↑:(中央の四角い立体)安藤文絵、「Nallow gate-new birth-」、2013年 木パネル アクリル絵の具 銀箔。



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 茶室に入るのに、にじり口という入り口から入る。身を屈めなければ入れない狭い障子戸だ。キリスト教の「狭き門より入れ」だ。
 おそらく、それがモチーフだろう。

 茶室の場合、この狭き入り口に、二つの意味を考えている。入る人は刀や分厚い服など余計なものを室内に入れるな。あるがままの自分の姿、平等精神で入れ。
 もう一つは、その逆に意味になりかねないが、茶室の主人に頭を下げて入れ。それは礼儀かもしれないが、心理的上下感覚を入室者に埋め込むだろう。そこで、主人の自慢の品々を客人として心を虚にして楽しむ。そういう主客の明確な基準を設けて、「おもてなし精神」で茶室物語は始まる。いつしか主客転倒、主客融和が実現できるのかどうか?そこが主人の感覚の見せ所だ。
 いずれにせよ、微に入った日本人感覚の入り口だ。


 安藤文絵の入り口近くの赤色は特異だ。とても自然な気持ちでは入れない。それは「血であがなう決意」を客人に強要している。安易な気持ちでは入るな!・・か?あるいは、象徴性をひけらかす作品達、それらに血のある人間性を感じよ!ということか。
 いずれにせ、厳しき入り口だ。あえて茶室にそぐわない行為に現代作家の心意気を感じた。



 何となく会場の様子は伝わったと思います。②に続きますが、会期後になるでしょう。




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by sakaidoori | 2013-09-21 11:22 | ☆モエレ沼公園


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