栄通記

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2013年 09月 09日

2193) 「小林大 展 『斑』 (銅版画とインスタレーション)」 g.犬養 8月28日(水)~9月9日(月)

   


  
小林大 展      
 

  銅版画とインスタレーション         




 会場:ギャラリー犬養 2F
      豊平区豊平3条1丁目1-12
      (地下鉄東西線菊水駅より徒歩7分。
       駐車場有り。) 
     電話(090)7516ー2208 

 会期:2013年8月28日(水)~9月9日(月)
 休み:火曜日(定休日) 
 時間:13:00~22:30
      (最終日は、~19:00まで。)  

ーーーーーーーーーーーーーーー(9.4)


 

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 (以下、敬称は省略させていただきます。)


 個展ということで、広い会場をのびのび使っていろいろと楽しんでいる。
 パソコンを駆使した版画ならともかく、普通に銅版画や木版画ならばどうしても作品中心になりがちだ。作品を見せるのだからそれで充分だ。作品で遊びなり試みをすればいいだけだ。が、時には枠をはみ出て色々と遊びたいのが作家というものだ。いつもいつも作品の事ばかり考えているのだから、いろんなアイデアがこぼれ出て仕方がないから。


 今展、会場風景でもわかるように、くり抜き棚で作家は遊んでいる。タイトルを勝手に付ければ、「自我の版画堂」とでも名付けたい。



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 何とも変なものを作られた。あまり深く意味を考えるのはよそう。
 よくはわからないが、根っからの版画師が寝ても覚めても版画の事を考えていて、「こんな版画機があれば良いな~、こんな版画部屋があれば最高だ。作品なんていくらでも生まれるよ」そんな正夢にチャレンジしたのだろう。


 偽輪転機の上の方が青い色をしている。じつはネオン・チカチカ・ミラーボール仕掛けだ。



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 お面にエビをひっつけた蝦神様?小林大だ。




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 沖縄のシーサーだ。ここでの役割は魔除けなのか、自我の変身なのか、小林大の過剰な精神の反映か。


 なんとも奇妙奇天烈な大人のおもちゃ、版画師の夢の世界だ。



 今展は上記のインスタレーション展示が主役だ。

 他にも工夫なり色々と見せ場があります。




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   ↑:「三角な夜」。


 当会場は窓が多い。その窓をふさぐのではなく、大きな枠にはめ込んでそのまま窓に置いてしまった。画題には裸婦だ。思わず背景の綠と和して、草上の戯れを連想してしまった。小林風ロマン、あるいは官能美だ。




 以前から思っていたのだが、氏は二つの様式を明瞭に意識して使い分けている。単純に言えば、裸婦は白味を多くして、あまりリアルにしない。時にはロマン過多なくらいにはにかんだ裸婦にする。一方で、銅版画の技法を生かし、リアルで玄妙な「黒」を表現する。
 グループ展などの作品を見ていると、冗談っぽい作品が多かった。


 今展、個展だからか、あるいは心境の変化だからか?遊びながらも重めの表現が多かった。


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   ↑:「斑」。



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   ↑:「馬頭星雲の彼方」。



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   ↑:「浸食の診断書」。


 肉がはみ出しそうなドロドロ感があり、「ここまでするのか小林大」と思わずつぶやいた。




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   ↑:「ユニコーン」。


 この作品も単純に裸婦とロマンだけで終わりそうもない。




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   ↑:「寓話な日常」。


 男性は作家自身だろう。一見、剽軽な世界だが、ブラック感も強い。自画像を挿入するのも珍しい。




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   ↑:タイトルは無し。


 圧巻はこの作品だろう。人物は肉親だ。迫りかたも普段の氏の表現を逸脱している。ためることなく、強く人物に迫っている。手が老いと人生と今後をたぐり寄せている。






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   ↑:「image」。


 「目を見開き考える人・猫 あるいは 小林大」なのだろう。

by sakaidoori | 2013-09-09 13:21 | (ギャラリー&コーヒー)犬養


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