2013年 08月 24日
北海道教育大学油彩画研究室展 会場:時計台ギャラリー 2階 C室 中央区北1条西3丁目 札幌時計台文化会館 (中通り南向き) 電話(011)241-1831 会期:2013年8月19日(月)~8月24日(土) 時間: 10:00~18:00 (最終日は~17:00まで。) 【参加学生】 油彩画研究室学部生 2~4年生。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー(8.23) 今週の時計台ギャラリーの2階は北海道教育大づくしだ。力が入っているのはAB室の院生展の方だ。 現役の油彩研究室の方は、小品あり、初々しい2年生ありで迫力的にはかなり落ちる。一方で、学業も終わろうとする4年生ありで、今の油彩研究室の動向は楽しめた。 もっとも、他の研究室生も「絵画」を描いている。だから、教育大の「絵画動向」はこの研究室だけでは片手落ちだ。むしろ、他研究室生の絵画のほうが面白い面もある。困ったことだ。絵画はやっぱり「油彩研究室だ」と言われる存在になって欲しい。それ以上に、道内の絵画学習集団は「教育大油彩研究室が一番だ」、と言われて欲しい。 2年生と言うことで、無難に3点の連作でまとめた。3体のクラゲはそれぞれに表情があって、力をがはいっている。 クラゲは良かったが短冊が大失敗だった。左の短冊は動きがあって、少しは良いのだが、それでも「絵画」を考えさせる大失敗を犯している。 基本的に短冊に何の思い入れがないから、そのまんま描いている。普通はそれで良いのだが、何も描かれていない短冊の面が、絵画の窓(異空間)になってしまった。困ったことに、この短冊が目立つ。クラゲに対する愛と工夫を、この短冊にも取り組んで欲しかった。 短冊をよりサラリと描くか、リアルに描くか、画中画的に何かを描き込むか、本格的異時空間にするか、なのだろう。 若い女性らしい初々しい作品で、そのことの方が「夏の風物詩」になっていた。絵の後ろ側に女の子を感じてしまった。 驚いたのは上の二作だ。同じ学生だ。しかも堂々としている。 左側の羽のある作品。 実は、昨年の当大学の「油展」で、貧弱な羽のある裸婦を見た。絵が上手いの下手などはどうでも良いことであって、「羽を描きたいのなら、何故堂々描かないの?・・・」と学生と会話した。ニコニコした対応でチャンと会話が成り立つのだが、何とも絵を描いている「自覚と自信」が薄かった。遠慮しているのだ。好きな絵を描いているのに誰に遠慮しているのだろう? その学生が、立派な羽を描いた。うつむき加減だが、人体もしっかり描いた。「おー、やっと絵描きのスタート・ラインに立ったな」 その学生が、気分を180°変えて物まね風の大作を堂々と発表している。ルネサンス期の作品模写ではないがそれに近いだろう。 左側の樹木、人物、石ころとリアルに模写風に描き、右側は今風に面的にして、それなりの試みをしている。 この作品は、出来映えそのものはどうでも良いのだ。堂々と模写風にして、チョットした工夫もあり、恥じらいはない。 本当はそんなことは絵描きの学徒としては当たり前のことなのだ。ようやく絵に恋をし始めた山崎綾華だ。 そんなことを思っていると、本人が現れた。で、・・・ 立ち姿も堂々としている。何かきっかけをつかんだのだろう。 以下、最後になるかもしれない老婆心。 他人に何て言われてもいいのです。「自分ありき」という自覚、自信、矜持です。時には、他者の言葉は「気づき」になるかもしれない。が、細々した作品の指摘よりも、「作品を通した会話の持つ力」を大事にして下さい。 個人的に対作品に多大な関心がある。若い社会人に声をかけて、対写真展なども考えているくらいだから。 さて、学生はこの「対」で何を試みたかったのか?空と海と岩という無味乾燥的な構図ありきの世界だ。理想的には、対効果であらぬ世界に見る人を誘えれば良いのだが・・・。 一方で、「岩」に頑張っている。 やはり学生の絵画思想・主張と会話をしたいものだ。 目、顔の表情が良いですね。 この貧相スタイル、女貧乏神というか、好きですね。 卒展発表時には、この螺旋が壮大な絵巻になっているかもしれない。 一人明るい世界だ。抽象画で、激しく、明るく、元気よく、しかも壁面に拘らないで・・・そんな世界を目指しているのか? 大学入学してまもなく個展を開いた人だ。高校時代を見ていたからだろう、案内も来て見に行った。本人を直にしてこちらの方が緊張してしまった。話もせず、挨拶だけで帰った。失礼をしてしまった。 その学生が4年になった。大学時代の成果を個展でみたいものだ。その時にはチャンと会話ができるだろう。
by sakaidoori
| 2013-08-24 11:06
| 時計台
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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