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栄通記

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2013年 08月 21日

2159)「守屋美保 『浮島に星ふる』 (帯広)六花亭 7月13日(土)~10月12日(土)






守屋美保 
    浮島に星ふる
    


 
 
 会場:(帯広)六花亭 西3条店2階喫茶室 
      帯広市西3条南1丁目1
     電話:(六花亭フリーダイヤル)0120-12-6666

 会期:2013年7月13日(土)~10月12日(土)
 時間:11:00~18:00
     (最終日は、~16:00まで)
   
 
ーーーーーーーーーー(8.13)



 店舗内の全体風景はありません。あまりに人が多すぎて撮れなかった。

 「作品とテーブル」を載せます。全体風景の代わりにはなりませんが、作品環境は想像できるかもしれません。



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 昨年、六花亭・札幌福住店で初めて守屋美保作品を見た(⇒こちら)。濃密な線描、濃さとは別に鋭く尖った精神、それでいて女性特有のふんわり感、ぽっかりと抜けた空間感覚と、驚きで作品に接した。

 再び見れるということで帯広の六花亭に行った。
 あいにくの人だかりで昨年のように作品との長話はできなかった。作品数もかなり少なかった。が、作家の間口の幅は落ち着いて見れた。作品構成が回顧展風なところがあって、作家の今までの流れを感じるのに役だった。同時に、昨年の強烈な第一印象で見過ごしていた世界も気づくことができた。それは展示最近作の線描画の強烈な印象を薄める、と同時に深めるというややこしい作品提示になっていた。これも「守屋美保」なのだ。

 以下、制作年順に載ます。一緒に感情移入しましょう。


   1985年 長野県生まれ 
   2008年 愛知県立芸術大学卒業
   2010年  同校大学院修了
      (現在、28歳ぐらい?)





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   ↑:「3min 集積/PILE of 3min」・2005年 420×318㎜ 止めニス。




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   ↑:左側、「4min 集積/PILE of 4min」・2005年 420×318㎜ 黒ニス アクアチント。
右側、「水の輪/Circle of water」・2006年 420×318㎜ 黒ニス アクアチント。





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   ↑:「The conclusion has been portrayed」・2008年 1167×909㎜ キャンバス 油彩。




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   ↑:左側、「谷光虫/Protozoans in a valley」・2010年 530×455㎜ パネル 油彩。
   ↑:中央、「ソセイ湖 1/Lake Anastasia 1」・2010年 530×455㎜ パネル 油彩。
   ↑:右側、「ソセイ湖 2/Lake Anastasia 2」・2010年 530×455㎜ パネル 油彩。



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   ↑:「ソセイ湖 1/Lake Anastasia 1」・2010年 530×455㎜ パネル 油彩。




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   ↑:左側、「全ての色からの祝福 8/Blessing from all colors 8」・2011年 210×297㎜ 紙 色鉛筆。
   ↑:右側、「全ての色からの祝福 6/Blessing from all colors 6」・2011年 210×297㎜ 紙 色鉛筆。




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   ↑:左側、「全ての色からの祝福 7/Blessing from all colors 7」・2011年 210×297㎜ 紙 色鉛筆。
   ↑:左側、「全ての色からの祝福 5/Blessing from all colors 5」・2011年 210×297㎜ 紙 色鉛筆。



 以下、全て今年の新作
 いろいろなことをしている。僕は圧倒的に線描画が好きだ。それと、油彩画における、「ぽっかりした異空間描写」を気にしている。表現したい気分は良く出ているが、まだまだだ。どんな形でこの「穴」表現がググッとくるようになるか。今は、そこを見ているだけの感じで、付かず離れず、だからといって「良い感じ」ではないだろう。そもそも「良い感じ」なのかどうか、その「穴」は!




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   ↑:左側、「見えない星」・2013年 910×727㎜ キャンバス 油彩。
   ↑:右側、「7月」・2013年 910×727㎜ キャンバス 油彩。


 タイトルは別々に付いている。始めからこういう組み立ての作品構想だったのか?

 若い女性特有のセンチメンタルやロマン、それにポエム・・・そのことと目の前のま~るい異空間の重なり・・・そこには人が入れるのか?入るとどうなるのか?一つの越境を表現しているのだが、異界には違いないが魔界というには軽い世界の拡がりだ。





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   ↑:左側、「(タイトル未定)」・2013年 728×1030㎜ 紙 油彩。
   ↑:右側、「Inner sanctuary」・2013年 727×606㎜ キャンバス 油彩。




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 面白く、かつ不思議な作品だ。全体が可愛い女の子の顔に見える。

 外部と内部を明瞭に区別していている。
 内部はまさしく穴で、「桃源郷」のような趣。外部は激しいとまでは言わないが、内部に行かせるのを遮りたいみたい?理想詩と情念の対比みたい。
 普通、膨らむ空間を作る場合、絵画の内部に風船のような感じで描かれる。この絵の場合、外部を膨らませて、しかも内部を明快に凹ませている。それでは生きている我々はどちらに属しているのか?共に異次元の世界で、ただ眺めるだけでどちらにも住めそうにない。





 ようやく僕にとってはお目当ての線描画にたどり着いた。が、ここまででいろいろと書きすぎた。腰を据えて感想を書きたいが、たどり着いたらホッとして言葉が・・・出てこない。




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   ↑:「浮島に星ふる/英タイトル未定」・2013年 サイズ可変 パネル インク。


 サイズは可変だ。もっというならば、何枚でも書き足し可能なのだ。
 星の源は限りない。星に浮かぶ島も限りない。私という存在に星が降る。私が星かもしれない。限りなく続く世界。ミクロとマクロを共有したいから、インク(線字)による細密画はよく似合う。描かれたところは濃密で、描かれない世界も同時に濃密になる。何も描いてはいないのに。矛盾するものを同時に絵画という二時空間で成り立たせること。それにはインク画がグッド・マッチングだ。

 矛盾。あの世とこの世、過去と今。流れと停止、愛と憎しみ、夢と存在・・・表現したい見果てぬ夢があるのだろう。





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   ↑:「幹角/Karazuno」・2013年 727×530㎜ パネル インク。


 鹿?の好きな守屋美保だ。この作品は二つの角だが、彼女にとっては一角獣のような存在なのだろう。彼女自身か?彼女と共に歩むボーイ・フレンドか?彼女を乗せて運ぶ天使か?未知の力の象徴か?






 学生時代の版画、そして油彩画、色鉛筆画、インク画が混じり合いながら現在に至っている。版画を初発の心として確認しておこう。そして、インク画と油彩画は相反するかのような風貌だ。別人とまでは言わないが、それに近い。その中間に色鉛筆画が位置している。

by sakaidoori | 2013-08-21 07:00 | [帯広]


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