栄通記

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2013年 08月 16日

2150)「川上りえ Landscape Will-23 (川上りえ連続掲載①)」芸森・中庭 終了4月30日(火)~7月7日(日)

  


中庭インスタレーション

川上りえ Landscape Will-23
  


      
 会場:札幌芸術の森美術館・中庭
    札幌市南区芸術の森2丁目75番地
    電話(011)591-0090

 会期:2013年4月30日(火)~7月7日(日)
 休み:会期中無休
 時間:9:45~17:00 
 料金:無料

※ この場所での展示終了後、野外美術館に展示予定 ⇒ 2013/7/13~2013/11/4    

ーーーーーーーーーーーー(7.5)


 (以下、敬称は省略させていただきます。)

 現在、川上りえ作品がコンチネンタル・ギャラリーで展示されているはずだ。「グループ プラス1展」の一環として。僕はまだ見ていないし噂も耳にしないので、その様子は全然知らない。近々見に行きます。
 そして、ちょっと前にギャラリー創で「川上りえ 個展」があった。こちらは見た。近々、その感想を記します。
 つまり、一気に「川上りえ・ワールド」を角度を変えて見るわけだ。その一環として、まずは芸森・中庭インスタレーションを載せます。展示は終わったみたいですが、当館内の「野外美術館」で移動展示されているみたいです。


 見た日は7月7日。その日の芸森の様子から始めます。



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 遠くで歩いている人物、見えますか?妻です。そんなことはどうでもよくて、その辺りに何やらあるのがわかりますか?それらが池側にある作品群。見ましょう。



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 同じもの、らしき物が一列に並んでいる。「明日に向かって撃て」、ではなく「飛び跳ねるカエル」に見えてしまった。そんなはずは絶対にない。



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 横から見ると--


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 う~ん、カエル・ロケット砲だ。そんなはずは絶対にない。
 中を覗き込むと、


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 こうして見ると芸術っぽいが・・・


 気分を換えて、床に並んでいる台座のような物を見よう。


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 どうしても何かに喩えたくなる。「亀の甲羅」とかに。

 これらをどう理解しようか?
 建物に挟まれた本当の中庭にも作品がある。そちらも確認しておこう。



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 左側が今まで見た池側の屋外作品。
 そして、右側の中庭作品が--



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 単純明快に一言で言えば、「変な作品群」だ。強いて説明調に言えば、「空間感覚の遊び心」、「線の魅力、面、ボディー、不思議不思議--再発見あるいは気づき」としか言いようがない。

 「変な作品」と言った。
 実は、10年ほど見続けているが、僕にとっての川上りえワールドは、「次はどんな変な作品なのだろう?」という好奇心が主流だ。

 「変さ」を楽しんでいるのではない。実は、その感覚がよくわからない。鉄を操る女性性にピントが合わない、慣れないと言った方がいいかもしれない。鉄の持つ男らしさ、重たさ、破壊、武器、さび色のロマンとは全く異質だ。あっけらかんとした作風、他者の目を気にせず、いつも「ゴーイング・マイ・ウェイ」な姿に驚いている。作家の顔は実に和風なのだが、していることは洋風そのものだ。ただ、洋人との根本的な違いは、他者に対する危機感がないことだろう。個人主義・エゴが原点ではない。人とは信頼に値する存在だから、他者の目を気にする必要はない、というものだ。
 そこから醸し出される軽みに驚く。違和感と同時に、男達が試みたこととは全く違う可能性があるのでは・・・という期待感を持っている。

 そうはいっても、ググッと感じる作品にも出会った。例えば、鉄線巨人が水中で遊んでいるような作品とか。例えば、資料館での部屋一杯の大きさの五つ星とか・・他にも多々ある。
 が、「いろんなことをしたいのだろうな」と思う方が先に立つ。そこから出てくる変な作品で、その都度「川上りえ」を再発見し、認識を軌道修正している。

 今展の場合は「大地と川上りえとの関係」を見た。「ボディー(量塊)それ自体がテーマか?連続する入れ子状空間として塊に接する試み」だ。ただ、大地に対する餓えを感じないから、軽みという空間造形の試みとして理解した。きっと「試み」が一杯ある人だ。




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 当日開催されていたフランス人写真家の作品。
 この作品と、川上りえの今展の作品が重なってしまった。川上作品はこれほどの愛情表現をしていないし、それがテーマでもない。だが、両者に流れている行列と包み込む優しさに、共通した優しさと遊び心を感じた。

by sakaidoori | 2013-08-16 21:27 | ☆芸術の森美術館


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