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栄通記

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2013年 07月 15日

2091) ①「『かなた』(17名参加のグループ展)」(小樽)市民ギャラリー 7月9日(火)~7月15日(月)




かなた art circuiation vol.4   
     (17名参加のグループ展)


 会場:市立小樽美術館内
     小樽市色内1丁目9番5号
     (小樽駅を5分ほど運河方面に。
      向かいは旧日銀。)  
    電話(0134)34-0035

 会期:2013年7月9日(火)~7月15日(月)
 休み:7月17日、18日(祝日翌日の休館日) 
 時間:10:00~17:30 
     (最終日は、~15:00まで)

 【参加作家】
 浅賀正生 阿部典英 越後光詞 小川豊 嘉賀博俊 神田泰行 國松明日香 佐藤正行 佐渡富士夫 328 高橋一文 田中秋男 千葉豪 花田和治 松田研 板東宏哉 村山之都 ・・・以上、17名。

ーーーーーーーーーーーーー(7.14)


 今展は今回で4回目。毎回若干の作家入れ替えを行っています。今回、今までとは随分と印象を異にしています。ゆったり見れた。他人の領域を侵すような展示ではないのですが、大人の男たちがそれぞれの間合いで自己主張している、そんな感じです。
 映像は328氏一人なのですが、作品・映写室空間とゆったりしていて、小樽への愛情表現が心地良かった。

 立体作品は見慣れた感じものばかりですが、綺麗な部屋に落ち着きと安定感を与えていた。
 そして多数の平面作品群、「大きく大きく伸びやかに」でしょうか。


 会場は3部屋。簡単にその風景から始めます。多人数の参加です。個別掲載はかなり少なめになるでしょう。




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2091) ①「『かなた』(17名参加のグループ展)」(小樽)市民ギャラリー 7月9日(火)~7月15日(月)_f0126829_8335783.jpg
   ↑:(以上、入り口の第1会場。)


 (以下、敬称は省略させていただきます。)



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   ↑:花田和治、「海辺の歌」。


 花田和治会心の大作だ。
 タイトルは「海辺・・」とあるが、僕には山であり、山道であり、空であり、雲であり、「風景」に見えた。この風景を海が支えている。
 「こんな山だ、空も凄いだろう、雲を見よ」ではない。どこまでも拡がる詩情、それに尽きると思う。愛やロマンという強き心がエネルギーの素なのだろうが、そういう執着心からどれだけ遠くに行けるか!それを画家自身が楽しんでいるようだ。その楽しみが、こちらを山の「かなた」に誘う。




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   ↑:田中秋男、「記憶の記憶 2」。


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 圧巻だ。ただただボ-ルペンによるぐるぐる描きだ。赤と黒という濃密な関係色だが、そこに深い意味はないだろう。どこまで書き続けれるか、続けることができるか!描く楽しみに終わりなきことを願いながら、寝ても覚めても、酒を食らいながら、反狂人まるだしで描いている。上手いとか下手とか言う言葉は無縁無用だ。
 しかし描くことにもエンドを迎えねばならない。いつ来るかはからない「エンド」の為に描き続ける。
 「終わりなき闘い」、と言えたならばこの作品にとっては幸いかもしれない。終わらなければならない。人生がそうあるよに。そして人生という「無駄」を「過剰消費」するかのように赤と黒のぐるぐる巻きは続いていく。「無駄」を「過剰」を腹一杯楽しんでいるのだろう、田中秋男という男は。



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   ↑:越後光詞。左から、「歌謡曲」、「SANSUI海辺にて」。


 花田和治は絵画に没入して絵画を飛翔しようとしていた。
 田中秋男は絵画を装って、絵画以前の情念と闘い遊んでいた。

 越後光詩は絵画直前であれこれと楽しんでいるみたいだ。

 右側の作品は何かのイメージが先にあるのだろう。僕にはチェロ弾き奏者に見えた。
 左側の作品は、汚くならずに色と面と構成を遊んでいるみたいだ。
 ともに薄身の色で、余白の白と壁の白とを海のようにして存在している。だから白の強い作品だ。「白」を楽しんでいるのか?「白の変化」を見つめているのか?



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   ↑:高橋一文。右側、「From on the glove」。


 やさしく綺麗な作品だ。花嫁に捧げる清き想い、そんなイメージだ。
 捧げるのは「花嫁」だけではないかもしれない。見てくれる人、この場、この時、作れる自分・・・。
 もし彼に一部屋与えたらどうなるのだろう?大きくなればなるほど、この叙情性は高まるのか?
 「glove」、「手袋」あるいは「包み込む」でいいのだろう。この大きさの連作が詩の叙情には最適なのかもしれない。でも、大きな大きな優しさもみたいものだ。



 とりあえず、第3室にいきます。


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   ↑:嘉賀博俊、「折り紙」。


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 まさに「折り紙」という素材の作品だ。折り鶴を折るわけでもなく、楽しい玩具にするわけでもなく、その決められた正方形と色とを適当に切ったり貼ったりして遊んでいる。何と言うことはないが、何ともシンプルで気持ちがいい。
 「折り紙」、ひとそれぞれに夢を羽ばたかせてくれるものだ。
 「折り紙」、伝統品の味わいは常に「今」にささやきかけている。




2091) ①「『かなた』(17名参加のグループ展)」(小樽)市民ギャラリー 7月9日(火)~7月15日(月)_f0126829_1028794.jpg 今日までです。②でもう少し個別作品だけでも載せたいと思います。
 ②に続く。


 

by sakaidoori | 2013-07-15 10:38 | ☆小樽美術館 市民ギャラリー


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