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栄通記

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2013年 07月 11日

2088)②「全道展 2013 第68回」 市民ギャラリー 6月12日(水)~6月23日(日)

   

2013 第68回

全道展


 会場:札幌市民ギャラリー・全階
     中央区南2条東6丁目
     (北西角地)
     電話(011)271-5471

 会期:2013年6月12日(水)~6月23日(日)
 休み:17日(月) 
 時間:10:00~18:00
    (最終日は、~16:30まで。)
 料金:一般・?00円 高大生・?00円 中学生以下・無料

 主催:全道美術協会 北海道新聞社

ーーーーーーーーーーーーーー(6.22)

 2087)①の続き。


 会場風景を交えながら個別作品を載せます。掲載は当然ながら「評価」ではなく、僕好みです。お付き合い下さい。


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   ↑:(2階のロビー会場。)



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   ↑:会員・森弘志、「いえ」。


 今展で一番印象に残った作品。
 普通ならば、一枚のキャンバスに「いえ」を描く。それを、わざとに真ん中で切断している。しかも、各画面の上部にはひらがなで文字を書いている。機械的な文字だし、小さいから絵全体を壊してはいない。「分割」と「文字」、そして画題はあまりにも普通の「いえ」。ブルー調ででしんみりとしていて、人がいるのかいないのか?


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 と、絵には説明されている。
 「説明」、これほど絵画にとっておもしろくない存在はない。それを知りつつ、挑発するかのようにして絵画に忍ばせている。困ったことに作品自体はなかなか魅力的だ。過不足なく物を描き込み、不必要な過剰や省略を排している。しかも透き通るような色だ。この色合いを見ているだけでも十二分だ。しかし、画家・森弘志は作品を叙情的見られることを拒む。「切断」と「文字」によって。
 恐ろしく理知的な絵画だ。さて、画家が何を目指しているのか?絵画上の存在をとことん見る人の記憶に鋳込むことか?



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   ↑:会員・八子直子、「Your Stories」。


 この作品も印象的だ。馬鹿でかい顔だ、人間だ。大きな顔がもっともっと大きく見える。形の大きさ以上の存在感だ。ある種の領域に何もかも凝縮して、そこからふんわりと膨らんでいる。その膨らみ感が何とも心地よい。「心」というものが、どこまでもどこまでも拡がっていく、そんな錯覚をもらった。



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   ↑:会員・斎藤洪人、「ニセコにて5月」。


 何て軽やかで清々しいのだろう。以前は茶系主体で自然を描いていた。茶が嫌いになったわけではないだろう。茶が重たい色というわけではないが、いつもそればかりでは重たく見える。
 おそらく、今の画家の心は晴れやかなのだ。すばらしい変化だ。「画題」には絵画の目的がないのだろう。一枚のキャンバス上の遊び、絵は遊びだ。そして遊びをも素通りする。だから魅力的に見える。




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   ↑:会友・佐藤静子、「砂漠の風」。


 口の中を横から見た解剖図に見えてしまった。あるいはハンバーグに。だからタイトルには戸惑った。
 な~に、タイトルの理解からは遠いかもしれないが構わない。こけしのような形の人間、「あー、ここにもサンドイッチされて閉じ込められて、それでも頑張っている奴がいるんだな」と思って見てしまった。



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   ↑:一般・安藤静枝、「私の風景」。


 ピンクや赤を主体にして、しかもしっかり黒も生かして元気がいい。確かに一枚の構図には違いないが、どこまでも膨らんでいきそうだ。しっかり生き生き、「私の心」だ。四隅までも手抜かりなく自己風景を見つめている。



 抽象作品の部屋が面白かった。次回はその部屋を中心に報告します。
 ③に続く。

by sakaidoori | 2013-07-11 22:54 | 市民ギャラリー


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