2013年 06月 01日
2013 横山文代油彩画個展 《北海道・好きな風景の中で》 会場:大丸藤井セントラル・7Fスカイホール 中央区南1条西3丁目 (東西に走る道路の南側) 電話(011)231-1131 会期:2013年5月28日(火)~6月2日(日) 時間:10:00~19:00 (最終日は、~17:00まで。) ーーーーーーーーーーーーーーーー(5.30) ![]() ![]() 毎年個展を開いている。本格油彩風景画だから、相当なエネルギーだ。当然、元気の良い人だ。今年もその姿を見ることができた。個展の印象を画家本人と話すことができた。作品をともに凝視しあった。実に嬉しいことである。 写実度の高い作風だ。堅実な風景画家である。描写力は年々高まった。が、個性重視の立場からすれば、この自然の似姿と、作家本人との位置関係に物足りなさを感じる。ただ単に自然を描きたいのかと。 自然描写が中心で、個性に重きを置いていないのならばそれはそれで構わない。所詮、絵画は作家の産物だから。結果がこちらの好みと合わないだけの話だから。 だが、彼女の中には「強い私を見て」という、明快な自己主張があるはずだ。この主張がまだまだ弱い。自然力の中で埋没している。 ![]() ![]() ![]() ![]() 明るい。自然光が好きな人だと思う。しっかりと自然の表層を描く、に徹している。川の作品が目立つが、「流れ」が今の心の反映みたいだ。「流れ流れて、どこどこ行くの」という軽い気分もあるようだが、大作「息吹」を見ていると、流れそのものの美しさや強さにぞっこん惚れ込んでいる。主張がある。 それはいいのだが、全体を見ると、手前半分と上部半分がバラバラな絵になっている。そのバラバラさが不思議な統一感になればいいのだが、それは至難だ。上部の自然全体の魅力と、手前の自然を見つめる画家の位置が全く無関係で、本心はどちらかと問いたくなる。 この作品に限らず、彼女の風景画の水平線や地平線、それに準じる横断線はほぼ真ん中を走っている。つまり、彼女は立ち姿でいつも真正面を見ている。横拡がりの大らかな態度だ。その視点にのっとって、彼女なりに部分部分にこだわって強く描く、流れもその水平線を壊さない。 多分、二つの性格を持っているのだろう。あまり出しゃばらないオーソドックスな社交性。それでいて、粘着的で強いガンバリマン。この二つが絵に反映されるのは当然だが、重点を見定めないといけない。その力関係を作品の中で試さないといけない。欲張りな人だから、切らずに全てを入れようとしている。 絵は嘘だから欲張るのは当然だ。欲張るべきだと思う。大いなる欲望は、普通にしていては成り難しだ。もっともっと絵画という嘘を信じるべきだろう。 ![]() きっと、丘のウエーブラインに心惹かれたのだろう。醸し出す空間に和したのだろう。だから、強くて細かい描写はとらなかった。 しかし、「中央地平線ありき」だから、絵が縮こまって見える。あたかも雲を描きたかったみたいだ。 普通に、丘やウエーブを大きく描けばと思った。 ![]() 絵画の焦点も比較的作品の中心におく作家だ。地平線の中央横断と重なり、すべてが真ん中に行こうとしている。「中央を見ろ」だ。生一本な正直な画家だ。そこが横山文代・自然の魅力なのだが。 ![]() 今年の北洋カレンダーだ。 ![]() 手前のヤブに頑張っている。きっと、このヤブを描きたかったのだろう。なぜもっと大きく描かなかったんだろう? ![]() ![]()
by sakaidoori
| 2013-06-01 10:26
| 大丸藤井スカイホール
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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