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栄通記

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2013年 05月 21日

2063)「川口巧海 個展 『ぬばたまの・・・』」 g.犬養 5月15日(水)~5月27日(月)

 
       
  
川口巧海 個展 「ぬばたまの・・・」             



 会場:ギャラリー犬養 1階 (物置のような小部屋)  
      豊平区豊平3条1丁目1-12 
     電話(090)7516ー2208 

 会期:2013年5月15日(水)~5月27日(月)
 休み:火曜日(定休日) 
 時間:13:00~22:30  

ーーーーーーーーーーーーーーー(5.1416)


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 銅版画です。木口木版画も少しばかり。一つの作品の中に、エッチング、メゾチント、ドライポイントなどの技法を駆使している。それと、銅版画には付きものの化学薬品を使っていない。環境に優しく体にも良いという技法も特徴。もっとも、伝統的な有害薬品と、今回の技法との仕上がり具合の比較は僕にはできない。

 技法はともかくとして、今展は「黒」にこだわっている。訪問は夕闇時だった。窓ガラスも暗く、作品も白黒。しかも画題はヨーロッパ的なもので重量感もあり黒を引きだたせていた。外光眩しき昼間に見たらどんな感じか?気になるところだ。

 作家は黒の表現に一定の満足を得たと、明快に記している。その心意気、大いに宜しい。その自信の程を感じながら、以下の写真を見て下さい。


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     ↑:左側、「貴婦人の黒い香り」・2012年 銅版画 -エッチング ソフトグランドエッチング(ノン・トクシック技法) メゾチント 雁皮刷り-  
     ↑:右側、「狩人の眼差し」・2012年 銅版画 -エッチング(ノン・トクシック技法) ドライポイント エングレーヴィング 雁皮刷り-


 この2点は今展の代表作だろう。画題や技法等は、この作品でおおよその見当ができる。

 1987年生まれ。25歳前後という若さだ。道都大学の内藤克人ゼミ出身。
 大きく何かを見せたい、模索している心象世界を垣間見せたいという作品展ではない。
 職人的な作家だ。ここまで技法をマスターした。色(黒)も今の自分色として自信を持てる。好きな写真をいろいろといじろう。ヨーロッパ版画巨匠たちの心意気で、版の世界をいろいろと楽しもう。そんな作品展だ。その心意気、自身の姿が今展の何よりの魅力だ。作品が大きく見えた。

 小さい世界にいろんな技法を駆使して楽しんでいる。確かにそれは伝わる。作品に遠慮がないから。
 一方、画題はどちらかというと技法のための手段で、作品全体を通しての共感となると弱い。技術・技法一本槍でも、「ここまで表現できるのか!」という超人的な驚きがあればいいのかもしれない。それは無理だろう。
 ひ弱でも、「何かを訴えたい」、というものが感じられたらいいのだろう。結局、この部分が弱い。版画が好きだ、ここまで出来た。その喜びで終始していて、「何のための版画か?」が次に問われるのだろう。

 だが、見るこちらも焦ってはいけない。表現するやり方には人それぞれだ。作品も成長、停滞、後退、急成長と一本道ではない。版画を愛している男だ。次に何が出てくるか、否、次の次、次の次の次・・・楽しみがいがある。




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     ↑:「夜に生まれる」・2012年 銅版画 -エッチング(ノン・トクシック技法) メゾチント-


 今展一のお気に入り。








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     ↑:(銅版画の原板。)


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     ↑:(木口木版画。)



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     ↑:「対数曲線で眠る少女」・木版画 -木口木版画 雁皮刷り-



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     ↑:「銀河の王冠」・2013年 木版画 -木口木版画 雁皮刷り-

by sakaidoori | 2013-05-21 23:35 | (ギャラリー&コーヒー)犬養


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