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栄通記

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2013年 04月 30日

2035)「上野麗市 個展 『De'tente デタント』」 g.犬養 4月17日(水)~4月29日(月)

   
       
  
上野麗市 個展 「De'tente デタント           



 会場:ギャラリー犬養 1階・和室  
      豊平区豊平3条1丁目1-12 
     電話(090)7516ー2208 

 会期:2013年4月17日(水)~4月29日(月)
 休み:火曜日(定休日) 
 時間:13:00~22:30  

ーーーーーーーーーーーーーーー(4.29)


 相も変わらずに最終日に見に行った。



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 二部屋の和室を使った贅沢な個展だ。
 広い会場だが、沢山の作品が並んでいるわけではない。入り口の部屋は閑散とした配置で、あれこれを展示している。奥の和室では、雑音を背景にして映像が流れている。6分前後だ。



      1990年 北海道生まれ
      2011年 個展
      2012年 道都大学美術学部を卒業
        現在  札幌でデザイナーとして勤務


 
 奥の和室空間、映像室を覗くことにしよう。


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 襖(ふすま)を半軒開けて、廊下の向こう壁もスクリーンにしている。立体的な画面だ。が、そもそも映像作品はモザイクの集合体のようで、何かを立体的に見せるというより、立体空間を視覚に取り入れるという感覚だ。

 具体的に何を見るというものではない。あえて言えば、近未来と近過去の崩壊都市空間を内部からのぞき見る感覚だ。映像音も、ちまたの雑音をコンピューター処理して組み立て、そこにノイズをダブらせたしたような感じで、何を聞くわけでもない。ノイズと気ぜわしい映像で時は流れる、試行錯誤というか実験・試み的な空間だ。誰も居ない空間でポツネンと過ごした。


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 (以下、作家の個展主旨を無視して、上野麗市美学の特徴を記します。あたり前のことですが、僕の理解です。面白味に欠ける文章です。)


 確かに映像自体は面白味に欠ける。展示作品も、「これを見よ!」ではないから、意識を集中して見るわけではない。

 が、この人の空間感覚に興味が惹かれる。いや、その中身よりも、空間表現せざるを得ない作家が面白い。


 角張ったツミキのような物を実直に組み立てては積み上げていく。そして、その構築性を損なわないようにして、消去しながら全体を作っていく。積み上げ、消去、全体性、この三点セットによる空間表現が作家の美術そのものだ。
 見た目は構造物のような美学だが、そもそも何かの為という空間ではない。生まれついての空間自体が彼のフィールドで、「何かを求めて」の発表には思えない。空間表現にならざるを得ない「上野麗市美学」。自身の空間美学に万全の立脚点を置いているから、きっと何を作っても安定したものになるだろう。その「自己の空間とは何か?どういう現代的意味があるか?」を無意識に確認しているのが彼にとっての個展みたいだ。自分の空間に絵画や映像や音や、あれこれを入れて、自分自身が立ち上がって、その姿の何ものかを見極めている。

 個別作品表現ではなく、どうしても空間表現ならざるを得ないのが上野麗一だ。

 確かに、現在はコンセプト重視の美術表現だから、どの作家も空間作りをしている。が、上野麗市の場合は、結果や目的ではなく、空間が彼の美術だ。そして、組み立てと消去が生命線だから、何を入れて組み立てるかが当面の課題だ。今展は「音」をテーマにして自己空間を確認している。音、音楽、色、形、絵画。映像という動きが加わった。人間模様の舞台まで発展するのか?何でも入れたい麗市空間だろう。

 作家自身のレントゲン写真を見ているような個展であった。
 ノイズのような映像音は作家の心臓の響きだ。



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 最後に、再び映像を載せます。
 和と洋、疑似未来と過去、建築と崩壊、上野麗市の脳内細胞、生理・雑音と生真面目さ、そんな感じでした。



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by sakaidoori | 2013-04-30 11:55 | (ギャラリー&コーヒー)犬養


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