2013年 04月 24日
春への協奏曲・コンチェルト 会場:ギャラリーたぴお 中央区北2条西2丁目・道特会館1F (中通りの西側の郵便局のあるビル。) 電話・林(090)7050-3753 会期:2013年4月22日(月)~4月27日(土) 休み:日曜日(定休日) 時間:11:00~18:00 【参加作家】 後藤さとみ 田中季里 塚田佳枝 林教司 宮森くみ 村岡陽菜 森実 YUKO ・・・以上、8名。 ーーーーーーーーーーーー(4.22) 初日のオープニング・パーティーに参加がてらの鑑賞だ。 今、当日の写真を見ているのだが、驚いたことにパーティーの様子を伝える写真が一枚もない。作品鑑賞という視点で撮影したようです。無許可で大きなお顔を掲載するのは問題ありでしょうが、会場の全貌を伝える写真がないのは寂しいものです。 仕方がありません、色気のない風景写真が続きますが悪しからず。 多人数の作品展です。会場を左廻りに順番に追いながら、適当に個別作品を載せて行きます。 肩の凝らない「春のコンチェルト」です。それぞれが、それぞれの春を楽しんでいる、確認しているというものです。 それはそうなんですが、概ね3系統に画風が分かれるのでしょうか。春への眼差しの違いとも言えます。 例えば、一人荒野を行く感じの作品。 例えば、それぞれの子羊が小さな自分の世界であれこれと目配せしている作品。 例えば、日曜教室での、ふんわり春気分を味わっている人達。 倚子の絵を気分良く眺めていた。堅実な画風だから、強い「孤」を伝えはしない。光も射していて、のどかな春ウララを思うのが普通だろう。窓、日射し、一脚の倚子、ドア、影・・・のどかな世界だが、寂しさを伝える画題には事欠かない。のどかな落ち着きと、先を見据える静かな心境、その間を行ったり来たりの中年心の絵画だ。 ほのぼの線描、ほのぼの色合いです。線描がお気に入り。自由にふんわりゴチャゴチャと、線を引く手首が楽しそう。 小冊子です。こちらも簡単な言葉がページと共に進んでいきます。乙女のさわやかな青春です。 爽やか系、女心系の多い中で、一人男の子を演じている作風。とは言っても、いつになくやさしく見えたのは何故だろう。酒の席だから?やっぱり春だから? 暗闇での窓と灯火、それが画家の春への眼差しなのでしょう。きっと若い方でしょう。学生かもしれない。これに画題を拡げて大きくしたらどうなるのだろう。沢山の建物、沢山の窓、沢山の灯火、明快な線、目に見えない沢山の物事が暗闇にたたずむ・・・、真面目で直向な道。 今展で一番の意欲作でしょう。何が意欲的かというと、大きな作品の試作品だからです。 「大きな作品」、それはどんな感じかというと・・・それは分からない。作家は鱗のような作品を一杯一杯拡げたいと語っていた。形としては空間を海の波間にしたいのでしょう。 鱗は可能性があっていいのだが、暗い版画に僕は惹かれた。この作品こそ、何枚も刷って、壁一面を埋め尽くしたらいい。闇夜の海だ。お金がないのだから、額装なんてしなくていい。紙代も事欠くのだから、あり合わせの紙で代用だ。インクも安っぽいのを大量に用意する。会場は暗闇だからマチエールもほどほどだ。夜の海・・・は恐い。岸辺にいても怖さは不十分だ。夜の波間で浮かんでごらんよ!本当に恐いから。 ゆきだるまさんでお馴染みのYUKO。 今回はゆきだるまは無し。封印と言うことではないでしょう。 ゆきだるまを描いているからイラスト画家と思われる。イラスト画家という枠が悪いわけではないのだが、彼女の志というか立脚点は画家だ。となると、ゆきだるまというキャラクターは、そればかりを描いていると画題に頼りがちになる。色や線や形のみが主張する魅力をしっかりと見据えないといけない。そこんところを確認というか、絵画原点回帰の試みだろう。 もっとも、何を表現してもやさしくなるのがYUKOだ。雪が降り、桜が舞い、ハートで人恋しくて幸せピンク、だ。 気になったのは、ピンクの発色が弱い感じだ。少し濁った感じがした。アクリルだと思うが、ピンクだけで見せる難しさを思った。
by sakaidoori
| 2013-04-24 18:28
| たぴお
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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