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栄通記

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2013年 04月 12日

2008)「高橋あおば 個展 『そらのいき』」 さいとう  4月9日(火)~4月14日(日)

 

 
高橋あおば 個展 
       
そらのいき
                


 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2013年4月9日(火)~4月14日(日)
 休み:月曜日(定休日) 
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(4.9)


 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 
 画材は何だろう?日本画のようだが、顔料ばかりではなさそうだ。油彩かな?妙だと思いながら自己紹介文を眺める。「クレヨン画」と明示してある。親しんで見ていた高橋あおば絵画なのに、今初めて知った。クレヨンだから油っ気はある。油彩画感覚を引きずりながらも、輪郭や線は明快で濃厚な日本画気分で見ていた。クレヨン画・・・油彩と日本画のいいとこ取りみたいな欲張りな高橋ワールドだ。
 作家は十二分に若い。20代中盤でしょう。その若き感性とクレヨンが巡り会った、個性的な絵画空間です。


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 今展は、唯一の大作を語りたい。
 その前に、小品などを先に載せます。


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     ↑:「round 2」・2013年 木製パネル 蜜蝋クレヨン クレヨン。



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     ↑:「round 2」・2013年 木製パネル 蜜蝋クレヨン クレヨン。


 イメージによるメルヘン世界みたい。仮にメルヘンとしても、画題もさることながら空間表現にこだわっているようだ。ただ、小品では多重空間的な試みが難しい。そこで出てきたのが次の大作だ。


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     ↑:(タイトル等記録ミス。)


 とにかく空の青が印象的だ。強くビシッと描いている。どういうのだろ、強い決意が籠もっている。メルヘン的要素は強いのだが、「単なる夢やロマンやメルヘンではないのだぞ!強く私の絵を見て!」だ。

 次に目が向くのが、左下の方の丸いくぼみ?表現だ。ぼかし感覚で、明瞭にそこは違って見える。絵画における「穴」を作っている。
 そんな目で部分部分に注目すると、気分は面で構成されたパッチワークみたいだ。絣(かすり)生地の組み合わせ、模様の付いた和紙の貼り合わせとして絵を見ることもできる。それはコラージュ感覚なのだが、その手法で何を意図しているかと言えば、空間を作っているのだと思う。画面がいろんな質の空間で成り立っていて、一つの夢物語が展開している。

 物語を発展させるのが画題の世界だ。空から空の精がこぼれ落ちて、その細い流れは大河になって上流に流れていく。一端空から河に流れた目線は、その逆にも流れ出す。河から河口へ、そして空ではなくて海に流れる。太陽が日々繰り返すように、空の青は河に海にと姿を変えては世界を覆う空色になる。その物語を背景が単なる画題ではなくて異次空間として、旅路の伴をしている。完結しているようでさまよい歩く旅路だ。
 白の塊も興味が尽きない。雪のようだし、崖、雲、砂地、風船・・・、心地良くうねっている、青と一緒になって奏でている。


 今展の総合タイトルは「そらのいき」だ。この作品のタイトルにもピッタリだ。「空の息」という流れであり、「空の域」という手に入れたい願望空間だ。




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 大学時代の作品。描写、構成ともに力みすぎて硬い。が、ここで表現しようとしたことが今展の大作の一枚に凝縮したみたいだ。しかも、より自分らしさがある。



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     ↑:「大きな夜」・2013年 木製パネル 蜜蝋クレヨン クレヨン。


 実に実に充実している高橋あおばであった。

by sakaidoori | 2013-04-12 20:37 | さいとう


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