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栄通記

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2013年 03月 27日

1994)②「サッポロ未来展 12th」 時計台 終了3月18日(月)~3月23日(土)

  

  
サッポロ未来展 12th   
        


 会場:時計台ギャラリー全館
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2013年3月18日(月)~3月23日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~16:00まで。)

 【参加作家】
 22名の多数。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3.22)

 1985)①の続き。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 2階A室の作品掲載です

 油彩を中心にアクリル絵画を交え、一人を除いて「人物」がテーマだ。あまりゴチャゴチャせずに、シンプルな姿勢で絵画を追究している。


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     ↑:佐藤仁敬


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     ↑:佐藤仁敬、「ツミキのアマイ」・2012年 パネル 油彩 162×162㎝。


 チョット不気味で、チョット不可解で、不思議不思議の世界に舞い降りている。髪の毛や手前の空間の暗さが穴のよう。シルエットや影も暗い。光の白味も穴のよう。白と黒味の対の穴。
 女の子は逆立ちだが、反転すれば普通立ち。逆立ちと普通立ちという対。
 いろんな対で、現象は絡み合い、気持ちはグルグルと回り出す。
 ことさら何かを暗く描くというのではなく、気持ちが正常以下の非日常を醸し出している。




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     ↑:宮地明人


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     ↑:宮地明人、「paradox」・2012年 パネル 綿布 アクリル 162×162㎝。


 つい先日、道銀主催の「らいらっく選抜展」で彼の個展を見た。狭い空間に、今展と同じモデルの、同じ雰囲気の作品による構成であった。狭い会場ということで密着度が強かったからか、白昼夢的幻想世界で醸し出す緊張感に心地良く浸った。その時は顔の表情がやさしく見えた。
 それなのに、この会場では作品が点として存在し、互いが互いを強める風には見えなかった。そして、個々の作品がキツク見えた。ふと、「宮地明人は個展の人か?」と思ったりした。少なくとも、らいらっく会場の個展の方が、宮地ワールドを色濃く楽しめた。



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     ↑:安居沙織



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     ↑:安居沙織、「contorast-cake-」、2012年 キャンバス 油彩 97×130㎝。


 何かを描こうと言うより、絵としてのいろんな要素を研究している感じだ。コントラストとか、強弱とか、色の強さとか、色味とか、配列構図などなど・・・。それはそれでいいのだが、ただただ実験や研究絵画だけに終わっては時間がもったいない。描きたい何かが見つからないのか、ただ今探求中なのか。それにしてもこの強さ。描きたい対象なり、目的をもった強さでキャンバスを覆うようになったら迫力があるだろう。




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     ↑:藤井康子


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     ↑:藤井康子、「囁く声」・2011年 パネル 油彩。


 光をはじき返すような白さだ。実際、白にまともに照明が当たり、不気味なまでに白が輝き膨らんでいる。
 それにしても、「作られた白雪姫、機械仕掛けの眠り姫」とだ。心の強さというより、絵という玩具の強さだ。
 
 寝ている縦型の絵画がある。まるでキリストだ。写実絵画なのだが、どこか劇場がかった誇張美だ。
 元気は良いが、さて、何処に行くのだろう?




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     ↑:谷掛幸恵


 凄い迫力だ。図録には「業火」という古い作品を載せている。テーマは同じなのだろうが、作風、実力共に大変身で、女の情念なり、情欲のなれの果てだ。




 次は隣のB室

 ほとんどが日本画。もっとも、日本画らしからぬ作品もありとまどってしまう。


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     ↑:橋本多未。左から、「青」・2012年 綿布 岩絵具 水干。「天地(あめつち)」・2011年 同。


 とても日本画とは思えぬけばけばしさだ。人目を惹くし、上手いと思うが、さて、何を表現したいのだろう?とりあえず、絵が強く、女も、全てを強く描いているのが好ましい。



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     ↑:左側 高橋宏奈、「wating Ⅱ」・2013年 綿布 岩絵具 水干。
     ↑:右側 加藤仁彩、「つぼみの憧憬」・2011年 綿布 水干 岩絵具。 


 同じ人が描いたと思った。左側は清楚に、右側は色付き・・・共に若い女性が若い女を描いている。大人になる前の美人画だ。



 今展も、そこそこの作品を載せることができました。僕好みという優先度は無視して、会場入り口からの掲載でした。③に続きたいのですが帰省したりするので、あまり期待しないで下さい。

by sakaidoori | 2013-03-27 08:36 | 時計台


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