栄通記

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2013年 03月 26日

1992)「越中富山で・パートⅢ 石黒義榮・村上和美 パステル画展」 さいとう 終了3月19日(火)~3月24日(日)

  

  
越中富山で・パートⅢ 

 石黒義榮村上和美 パステル画展
            




 会場:さいとうギャラリー
     中央区南1条西3丁目1
      ラ・ガレリア5階
      (北東角地。
      1階が日産のショールーム。)
     電話(011)222-3698

 会期:2013年3月19日(火)~3月24日(日)
 休み:月曜日(定休日) 
 時間:10:30~18:30
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(3.22 正)


 親子二人展ですが、父親の故石黒義榮氏の紹介です。
 75歳から80歳までの作品。 

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 L字形の会場。狭い方の空間が父親の展示だ。


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 明治の末に生まれ、享年97歳。現在の教育大学にあたる師範学校を卒業されたとのことだ。学生時代に油彩を学ばれたようだ。概ね退職後(55歳過ぎ)に集中的に絵に親しんだとのことだ。パステルは楽だから選んだのだろう。

 「明治の教養人が、若き頃の絵心を保ち、定年後に悠々自適に日常の花鳥風月を愛でている」、と語ればいいのだろう。


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          ↑:「群れ咲く紫陽花に心ひかれて」。(言葉はタイトルに換えてと解しましょう。日記等からの抜粋かもしれません。)


 確かに紫陽花を愛でての作品だが、紫陽花を詠う姿勢よりも、絵画として紫陽花の存在を強く主張している。
 この絵に限らず、今展の石黒義榮作品は暗い。あたかも老いた晩年の心境を語っているようだ。明るい絵も沢山描いていて、色味に合わせての選定なのだろう。
 全ての絵画は晩年の心境であっただろう。ここにはないが、普段着として自然に親しむ絵もあろう、植物の生命力をまばゆく凝視している作品もあろう。昔を懐かしむ作品もあるはずだ。

 今回の作品群、対象の存在と、自己の存在を重ねている。確かに、一方で死を見つめる姿勢もある。それ以上に、存在することの意味を問う強い姿勢を思う。まさしく老いて矍鑠(かくしゃく 元気)なさまだ。
 私は、この絵画という小さな世界に閉じこめた正直さ、意志の強さ、氏の一生を貫いた気持ち驚き入る。それは氏の人となりを知らない誤解かもしれない。だが、絵画を信じるように、氏の晩年に共感する。



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          ↑:(「咲かぬ花は作りたくない だけど開かぬ蕾を 切り捨ててはならない 花の命によせて」)



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          ↑:「逆流に向かい 泳ぎ進む鯉たち」。


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          ↑:「動を秘めた静」。



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          ↑:「20代のの自画像」。



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 石黒義榮氏の日記より--

   「絵は心を満たせば それが表現となって あらわれるものだ」

   「人々のしあわせを願えば 物欲に育つ文化に反逆心燃ゆ」

   「真実を描く道は 残る命でひたむきに 追いかけている」

   「日記は 繰り返す生活の 読みばえのしない記録である。
   ひ弱くて消極的な自分自身に呼びかける励ましの記録である。
   良心に問い 理性に照らし 腐食に汚されたくない戒めである」



 最後になりましたが、2人展の一方の主役・村上和美さんの部屋の様子を簡単に載せます。


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 パステル画です。植物中心で強さが特徴です。
 

by sakaidoori | 2013-03-26 10:17 | さいとう


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