栄通記

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2013年 03月 24日

1988)①「山田航歌集『さよなら バグ・チルドレン』をめぐる変奏展」テンポラリー 3月16日(日~3月31日(日

  
山田航歌集 「さよなら バグ・チルドレン」

             をめぐる変奏 展
        



 会場:テンポラリー・スペース
      北区北16条西5丁目1-8
       (北大斜め通りの東側。
       隣はテーラー岩澤。)
      電話(011)737-5503

 会期:2013年3月16日(日)~3月31日(日)

 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00 

 【参加作家】
 野上裕之(彫刻) 藤谷康晴(絵画) 佐々木恒雄(絵画) 森本めぐみ(造形)
 高臣大介(ガラス) 久野志乃(絵画) 吉原洋一(写真) アキタ ヒデキ(写真・文)
 ウメダマサノリ(造形) 森美千代(書) 中嶋幸治(造形)
  メタ佐藤(写真) 藤倉翼(写真) 竹本英樹(写真) 及川恒平(ソング)
  
    ・・・(ブログ「テンポラリー通信」よりコピー)


ーーーーーーーーーーーーーー(3.22)

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 歌人・山田航は昨年の夏に第一歌集出版した。「さよならバグ・チルドレン」(フランス堂出版 2200円)だ。
 いろんな分野の表現者が、その歌集から一首選び、和する形でそれぞれが自己表現した作品展だ。歌人を知る仲間達が処女出版を祝うものだろう。「良い歌集ですね。おめでとう。僕はこの歌が好きだよ」では芸がない。何がどんな風に気に入ったか、どう良いのかを語ったことにならない。表現者として心の交歓にならない。対話にならない。

 美術展のような文学展のような、精神の交じり合い展と言うべききか。どういう対話が実現したか、会場風景を見て下さい。



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     ↑:(以上、1階の様子。)





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 1階の窓側は最後に紹介しますが、似た雰囲気です。



 グループ展と言えなくもないが、「山田航 短歌精神」が基本にあって、参加者相互の対話は強く打ち出されていない。白き空間で、それぞれのバグ 参加者)が夢を食んでいるようだ。大きな夢を見て、一人興奮気味に暴れる人はいない。寝ているのか、冷めているのか、それぞれが白昼夢に陥ったよう。


 展覧会の意義・意味は無視して、作品として感心したのを載せます。選んだ短歌も添えます。


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     ↑:藤谷康晴、「北方と呼ばれて永き地をひとり老狼はゆく無冠者として」。


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 細いペンによる細密線描画だ。何とも惚れ惚れする作品だ。
 他の作家もそうだが、皆なかなりの気合いで制作している。この線、驚くしかないではないか!
 驚きは他にもある。激しく濃淡表現していない。実にやさしい。線のエネルギーは充満しているのだが、全体が何てやさしいのだろう!淡々として線を引いているのだ。しかも、精神を異様に在らぬ世界に集中することなく、あたかも楽しむかの如くに濃密な線の世界に没頭している。情熱の人・藤谷康晴を返上したみたいだ。が、そんなことは絶対にない。見た目激しき火群(ほむろ)の人を飛び越えようとしている。実に実に絶好調の藤谷康晴だ。

 選んだ短歌は彼自身の代弁のようだ。彼に限らず、今展の参加者は、自分の気持ちを代弁したような短歌を選んでいる。そういう意味では、作家作品をよく知った鑑賞者の方が、今展を「100倍楽しむ方法」を知っている。

 今作は歌人・山田航に似ている。目やほっぺや顔が丸くて、人なつっこいイメージだ。山田航を描いたのだろう。今展主人公の山田航を賛美している。他の作家にない優しさか?あるいは余裕か?


     ※※※


 以下、選んだ短歌と作品との絡みが面白いのを載せていきます。


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     ↑:佐々木恒雄、「切り傷は直線をなすアフリカの幾つもの国境にも似て」。


 作品が分かりにくくてスイマセン。代わりに、佐々木恒雄が選んだ短歌を詠んで下さい。今展の中で、僕自身も一番好きな歌です。

 歌人も選者もアフリカ体験などあるのだろうか?僕はない。
 子供の頃に世界地図を見て、直線の国境に異国趣味を抱いた。後に、そこが砂漠などだと知った。さらにその後、砂漠に関係なく植民地として外の権力者達が分割した線だと知った。外傷としての致命的刻印だったのだ。
 自傷として国境線を見る甘えは、確かにこの短歌にはある。それは「バグ・チルドレン」だから仕方がない。だから「さようなら」なのだ。



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     ↑:アキタ ヒデキ、「またの名を望郷魚わがてのひらの生命線を今夜ものぼる」。


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 おー、格好いい手だ。「僕の手につかまりたまえ。ふたりで歩もう」なんて、格好良く振る舞いたい。いい男にいい女、人生はもっと素晴らしくなる。
 いつもながら、ダンディーなアキタ ヒデキであった。

 写真家は他にも何人か参加している。山田航を撮ろうとした撮影者はいなかった。



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     ↑:野上裕之、「貴意に沿ひかねる結果となりますがわたしはこの世で生きてゆきます」。


 選んだ短歌といい、作品といい、愛すべき青年だ。自画像の人・野上裕之であった。


  ※※※



 もう少し紹介しますが、長くなったので一端切ります。


 最後に栄通もブログで参加しましょう。


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     ↑:丸島均、「ゆめのなかで開いて閉じていつまでも白紙のままのフタリダイアリー」(歌集最後の歌より)。

 
 歌人に捧げます。

      どこにいる今いたはずの山田航手元に残る「バグ・チルドレン」 


 ②に続く


 

by sakaidoori | 2013-03-24 21:24 | テンポラリー | Trackback | Comments(2)
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Commented at 2013-03-25 07:39 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sakaidoori at 2013-03-25 11:51
>非公開さんへ

 しっかり見ました。

 一気に書き続けようと思ったのですが、書きたい記事が溜まりすぎたので、一端切りました。少しは宣伝になれば幸いです。あまり期待せずに続編を待って下さい。週末になると思います。

 私事ですが、週末から一週間帰省の予定です。自分の老後が気になる歳ですが、親のことも気になることが増えて、何かと気ぜわしいです。

 コメントどうもでした。


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