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栄通記

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2013年 03月 10日

1964)「内山睦 展 『幻想植物譜』」 カフェエスキス 2月14日(木)~3月12日(火)

  
内山睦〉展 「幻想植物譜」  


imustum Drawing Exhibition 

     ”Botanique”
         



 会場:カフェ エスキス
     中央区北1条西23丁目1-1
      メゾンドブーケ円山1F
      (南東角地)
     電話(011)615-2334

 期間:2013年2月14日(木)~3月12日(火)
 休み:水曜日(定休日)
      ※2.19(火)は臨時休業 
 時間:12:00~24:00
     (日・祝日は、~21:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーーー(3.9)



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 ここは喫茶店だ。若きオーナー夫婦が大の美術好きで、健康健全ユーモラス、チョッピリ変で、時にはかなりの変さを隠しながら展覧会を開催している。いたって健全志向美術は喫茶店という営業戦略上の問題だ。それなりの常識路線で、偏った集客を避けている。その展示方針は、不思議な漆喰風壁面とオーナ夫婦の人柄も重なり、美術愛好家の人気スポットの一つになっている。

 しかし、今展はかなり変だ。今年の札幌は、今でも積雪1mを越えるという狂い雪だ。このちょっとした異変にオーナーも気が緩んだのか、チョット変、かなり変、凄く変な個展を開催した。それでも、「内山睦・絵画ワールド」からしたら入門編のような展示だ。ここで開催できるギリギリの世界だ。まずは、展示された線描ワールドを載せよう。




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     ↑:左側 「採集・記録日 2012年7月 東京 杉並区 27.5×38.7㎝ 画用紙 ペン」
     ↑:右側 「・・2012年7月 札幌 西区・・」



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     ↑:左側 、「・・2012年10月 東京 杉並区・・」。
右側、「・・2005年9月 パリ・・」。



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     ↑:左側、「・・2013年1月 東京 杉並区・・」。
右側、「・・(?)・・」。



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     ↑:左側、「・・2013年1月 東京 杉並区・・」。
     ↑:右側、「・・2005年 パリ 240×340㎜・・」。



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          ↑:「・・2009年 パリ 254×254㎜ 画用紙 グァシュ 水彩」。



 今年初めてのエスキス訪問。というわけで、オーナー氏の顔を正面に見たくてカウンターに陣取った。作品はほとんど見えない。
 四方山話に花が咲き、そのうちに「内山睦・作品ファイル」を見せてくれた。3冊、一ページに油彩作品の普通サイズ写真を何枚か貼ってある。2,3ページめくった。一気に見た。厖大な量だ。クリムト風サイケな色柄と模様で、女を描いてはいるが官能美ではなく、ある種の自画像だ。今展の線描画にもいえるのだが、似たような世界が飽きもせず延々と繰り返されている。油彩だから全面描き込んでいて、そこが線描画との違いだ。余白美なしの「描く描く描く描く」の「オンリー、オンリー、マイ・ウェイ」だ。イメージありきではない。湧いてくるもの、出てくるもの、時には降りてくるもの、引っ付いているものを、あぶり出すように、払いのけるようにして絵を描き続けている。

 その絵画ファイルを見た後に、今展のドローイングを見たわけだ。圧倒された油彩とは違って、余白があり、線の薄さも手伝って、まさしく「コーヒー・タイム」として見た。一癖も二癖もあるコーヒー・タイムだが。
 一見、イメージありきを思いかねない。だが、違うだろう。ことさら絵画上のイメージを想定する必要はないのだ、内山睦の場合は。作品に余白があろうと、構成なども必要ない。ただただわき出てくるものを日記のようにして腕を走らせて、画用紙に足跡を残しているのだろう。そうすることが生きる証なのか。
 「生きる」、やはり、根源にあるのは「生命、生命体、生命力」だろう。一つ一つの点や線や形は、画家自身の力の現れだ。ランナーが走らないと気が狂うように、自身の生命力を形に出さないと、自身に食い殺されないかもしれない。描かないと、自分自身が見えなくて、「自己と自分自身」が分裂するかもしれない。内山睦、もしかしたら「画家」と呼べないかもしれない。「絵を描く人」、あるいは「絵と呼ぶものを描く人」なのかもしれない。


 期日は明後日の火曜日までです。幸い、終了時間は限りなく遅い。「ゲテモノ好き」、「狂い咲き好み」、「キレモノ好き」、「オタク族」、あるいは、「自己探求派」、「生命礼讃派」等々、そんな非日常で過剰な言葉が好きな方、お見逃しなく。行けばオーナーに尋ねて、作品ファイルをひもといて下さい。




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     ↑:左側、「・・2005年10月 パリ・・・」。
     ↑:右側、「・・2001年 パリ 297×413㎜ 画用紙 ペン」。



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          ↑:「2009年3月 パリ 画用紙 グアシュ 水彩」。



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          ↑:「2001年9月 東京 杉並区 379×455㎝ キャンバス ペン」。



    1978年   生まれ。札幌育ち。
               19歳から独学で絵を描き始める。
    1998年9月 早稲田仏文、途中退学。
    2001年9月 渡仏。
    2005年5月 パリ第8大学哲学科学部修了。 
    2006年6月 日本へ帰国。
    2008年9月 再渡仏、パリ第8大学哲学科修士。

             ・・・2009年9月大学院を中退、日本帰国。現在東京在住。

 画歴を見ると、東京とパリが発表の場だ。4、5年おきの個展と、他にわずかな出展歴。札幌では初めてのお披露目か?彼女の油彩個展を札幌で見る機会は少ないだろう。なんとか、あの大量の油彩を一望の下にみたいものだ。

by sakaidoori | 2013-03-10 09:39 | (カフェ)エスキス


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