人気ブログランキング | 話題のタグを見る

栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ
2013年 03月 01日

1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)

  
今田朋美 久藤エリコ 

 書と切り絵 二人展  


    ハツゲン
        



 会場:テンポラリー・スペース
      北区北16条西5丁目1-8
       (北大斜め通りの東側。
       隣はテーラー岩澤。)
      電話(011)737-5503

 会期:2013年2月24日(日)~3月2日(土)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00 

※ 書×切り絵×音 パフォーマンス ⇒ 2月24日 17:00~17:40 1,000円
                          3月2日 16:00~17:00 1,000円

ーーーーーーーーーーーーーー(2.27)


 1階の様子


1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_10174580.jpg



1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_10212940.jpg



1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_10215288.jpg



 書家・今田朋美さんは栄通記初登場です。彼女を中心に語ります。
  (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 元気の良い書だ。マス目に収まる感じでバランスを保ち、余白を意識しながら字が集積している。一文字に喩えるならば、「た」が集まった、「た た た た た た・・・」だ。書家は黒という書の塊で、空間を埋め尽くしたいのだろう。耳無し法一のような摩訶不思議で梵語で埋め尽くされた小部屋のように。

 その意気込みで一人で展示をしても良かったのだろうが、誰かとの対話を欲したようだ。そこで選ばれたのが切り絵の久籐エリコだ。書家にとっての切り絵は、単にそこに作品があり、見つめ合うのではなくて、自分の書空間にダイレクトに和することだ。「和する」といっても、仲良く平安を保つことではない。今田・書に対して挑発的に攻める、あるいは過剰なまでに一体化する、などなど激しい対話を求めた。中国絵画で、空間を埋める画賛書を切り絵に求めた。1階空間のまとまりのない書作品の展示は、定型美を無視している。つまり、書の一定の美学の提示ではなく、あれこれの情念のぶつかり合いであり、そこに異分野の切り絵も参入して、乱舞する戦国絵巻を拡げたかったのだろう。
 残念ながら、久籐エリコは間合いを計ること、美的調和に関心があって、今田・書にたいして一呼吸置いた並列関係を保った。

 だから、1階の展示を見ていると、全体を覆い被せたいという勢いと、調和という平衡感覚が重なって見えて、これも二人の個性なんだなと、合点するしか仕方がなかった。今田朋美は個展で自分の空間を切り開くしかないだろう。そこでの今田・空間を了解して、異分野の美術家なり、同業者の書家達と果敢に闘っていくしかないだろう。書壇は師弟関係のしがらみの巣窟だ。なかなか他人との交流が難しい。同門書人も流派的傾向が強くて個性が乏しい。おそらく、書家・今田朋美は現在の息苦しい書壇から離れて、自由に書ワールドを世に問いたいのだろう。そのためのキッカケ、あるいは弾みとして今展があると思った。



 2階の様子


1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_10273448.jpg



1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_1111385.jpg




   ※※



 
1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_1114731.jpg



1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_11144186.jpg
          ↑:(上の作品の部分図。)


1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_11195476.jpg




1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_11201311.jpg 僕個人の好みとしては、ここに上げた3点の傾向で、花咲山の書だらけを見たいものだ。もちろん、高さ10m作もぶら下げたい。部屋一周の20m作品も良い。字という約束事で構成された書が、もはや字でなくなって絵になったものだ。








1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_11254265.jpg



  ※※


1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_11283498.jpg



1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_11304230.jpg


1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_11333491.jpg







 切り絵を浮かして影が寄り添う、平面の世界が立体になる端緒だ。だが、今の段階では二枚の平面の重なりの粋をはみ出していない感じだ。立体としての意外性とか、3D的な錯乱とか、爆発とか過剰とか、そして絶対の静寂や余白とか、いろんな試みがあると思う。今は2枚の平面の重なりに、手応えを確認しているのだろう。とにかく、均一なバランスになりがちで、もっともっっと大きなリズムがあればと思う。



1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_11421663.jpg


1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_1145046.jpg




1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_11454115.jpg
     ↑:
(未完成な感じが良い。即興作品とのことだ。軽く物憂げなのが良い。)



1947)「今田朋美 久藤エリコ 書と切り絵 二人展 『ハツゲン』」テンポラリー 2月24日(日)~3月2日(土)  _f0126829_1211764.jpg


by sakaidoori | 2013-03-01 12:11 | テンポラリー


<< 1948)「北海道工業大学 写...      ※ 栄通の案内板  3月(20... >>