人気ブログランキング | 話題のタグを見る

栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ
2013年 02月 24日

1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)

  
秋元さなえ 展 

   121年前のよろこび
        


 会場:テンポラリー・スペース
      北区北16条西5丁目1-8
       (北大斜め通りの東側。
       隣はテーラー岩澤。)
      電話(011)737-5503

 会期:2013年2月12日(火)~2月21日(木)
 休み:月曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00 

ーーーーーーーーーーーーーー(2.20)


1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_1936023.jpg



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19373390.jpg



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19385874.jpg



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19405423.jpg



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19501765.jpg



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19423233.jpg





1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19442254.jpg



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19445190.jpg



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19523947.jpg

1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19541262.jpg
     ↑:右側が、「江別市飛鳥山付近の風景」。左側が、「東京都北区王子・飛鳥山(公園)付近の風景」。



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_19591119.jpg



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_2005636.jpg



1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_2116759.jpg
1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_21165794.jpg




 自分探し、あるいは自己確認の個展だ。それは故郷再発見でもある。


 江別市緑町に飛鳥山がある。
 121年前のことだ。屯田兵関係者であろう、東京出身の「その人」が、故郷・東京都北区王子にある「飛鳥山」に、新天地江別の丘が似ていると思った。それで、江別の山は「飛鳥山」になった。山と言っても、江別のそれは17.5m、東京都王子のそれは25.7mしかない。丘と思った方がいい。「その人」にとっては、二つの山は自慢すべき「飛鳥山、おらが山」になったのだ。自慢といっても高さを競ってのものではない。郷土愛の前提としての身近な物への自慢であり、誇りだ。

 その二つの山を秋元さなえは見据えて、自己確認のようにして今展が成立した。もっとも、インスタレーション風展覧会といっても、二つの山の遠望をビデオで並列に流し、東京「飛鳥山」にまつわることどもを取材し、二つの山の周辺を展示しただけだ。

 だから、秋元さなえの「飛鳥山」への特別な拘りの理由はわからない。きっと何でもよかったのだろう。地元を「今」という「日常」から一歩離れて見つめることができたならば。
 なぜ地元にこだわるのか、その深い理由もわからない。展覧会は淡々と存在しているが、もしかしたら「自分とはなにか」を強く悩んでいるのかもしれない。いや、単に知的好奇心、探求心で地元を問うているだけかもしれない。おそらく、今展にとって作家の深い動機を追及することは無意味だろう。誰でもが一度は通る「故郷って何だろう?」で良いのだろう。
 ただ、秋元さなえ自身が誇りたいことを、東京出身の「その人」に代弁させ、「その人の郷土愛」によって、作家自身の自己愛・郷土愛を確認し、補強している、そのことだけは明瞭だ。
 

 今展、間違いなく言えるのは社会性の高い個展ではない。限りなく私的で個的なもので、発表のための草稿段階だ。絵画で言えば、仕上げのために描き貯めたデッサン展だ。だから悪いと言っているのではない。現在では、「表現」とは完成形の作品展のみを意味しなくなった。むしろ、作品形成過程、作家の脳内行為の道筋を解放し、見る者との何らかの共有・共生関係を生むことを期待されている。

 さらに言えば、突っ込みも足りない。何かに遠慮している感じだ。きっと作家は強く故郷を愛したいのだろう。その強い愛情表現にためらいがあるのだろう。何かに強く愛せねばならない、と思っているのかもしれない。
 「強く愛する」ことへのためらい、それは当然のことだ。強い愛は他者の排除と同じだ。きっと秋元さなえは優しい人なのだろう。優しさだけではダメだと思っているのかもしれない。だから、自分にない「強い愛」を求めているのだろう。その意味でも今展は自分探しの一里塚と理解した。




1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_22503961.jpg
1939)「秋元さなえ 展 『121年前のよろこび』」 テンポラリー 終了2月12日(火)~2月21日(木)  _f0126829_22515100.jpg




 

by sakaidoori | 2013-02-24 22:52 | テンポラリー


<< 1940) 「七里知子 個展 ...      1938)「あやせちめ 展 (... >>