栄通記

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2013年 02月 17日

1931)「札幌国際情報高等学校 美術部展」 アートスペース201 終了1月10日(木)~1月15日(火)

札幌国際情報高等学校

   美術部展
  


 会場:アートスペース201 
    南2条西1丁目7・山口中央ビル5階
    (東西に走る道路の南側。)
    電話(011)251-1418

 会期:2013年1月10日(木)~1月15日(火)
 休み:水曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
     (最終日は、~17:00まで)

ーーーーーーーーーーーーーー(1.12)


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 新年早々、いつも楽しみにしている。遅い紹介だが、仕方がない。お付き合いください。

 受付の高校生二人の話が聞けた。その二人から始めます。



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          ↑:2年 安藤沙希・油彩。


 本人は線描画が大好きとのことだ。同じ受付をしていた仲間が、その作品を見せれなくて残念がっていた。僕も線描画が大好きだ。本当にもったいないことである。

 今作は4枚目の油彩とのこと。
 説明文から・・・。自分の気持ちを正直に表現することにこだわった。だが、「素直さ」は「子供心」であり、でも、今の自分は「子供のまま」でいられない・・・。そんなゆれる自分を表現しているのだろう。だから硬い顔の表情になったのだろう。
 ところで、この作品が道展U21に出されていた。今作と同じはずだが、随分と目立って見えた。その時の作品を載せます。


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 特に賞は頂いていなかったが、輝き目立っていた。髪や新幹線に、パラパラっと味の素のようにしてキラキラ点描を散りばめている。焦点を際立たせて、華やかにしたかったのだろう。そして、点描が好きとのことだから、テンテンテンと自分の得意とする腕運びを重ねたのだろう。「絵画」の進化、変化を楽しませてもらった。


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          ↑:2年 坂本舞、「ひととき」・日本画。


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          ↑:2年 坂本舞、「My own」・油彩。


 単純に「上手い」としか言い様がない。困ったことに、二つの作品とも、「描きたくて描きたくて仕方がなかった」という作品ではない。上の日本画は、指導の顧問が日本画を専門とするので、勉強の一環として描いたものだ。下の作品も、「手の習作」のようなことを語っていた。(下の油彩画は、道展U21で読売新聞北海道支社賞受賞。)
 見せ方がしっかりしていて、器用と言うか、才たけていると言うべきか、頼もしい学生だ。
 絵は好きだし、得意という自覚はあるだろう。絵に対する向学心、向上心。研究心も人一倍強いだろう。実際、努力していると思う。それは良いのだが、やはり、「これを描きたかった」という強い姿勢も見たかった。そして、いつかは「なぜ描きたいのか?」、「描くということはどういうことか?」「絵画って何だろう?」、そんな終わりのない疑問がでてくるだろう。既にこれだけ描ける人だ。進学後は、そういう制作以前の果てしなき課題にも取り組んで欲しい。そして、「描きたいテーマ」を模索して欲しい。
 それはともかく、来年も作品を楽しみにしています。



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          ↑:3年 横田葵、「Cold Stone」。


 色んなものを並べている店の様子と、女性像と、背中のガラスがセールス・ポイントのようだ。
 丁寧に綺麗に描こうという気持ちが強すぎて、食べ物自体の魅力を伝えれなかった。店の中の色という絵のの様子は素晴らしいが、店に入りたい女の子心が今ひとつだった。食べ物自体に迫るには遠慮があったみたいだ。何でもかんでもかいてやろうと欲張ったみたいだ。上手くそつなく描けれるから、全体の構図という「絵画」に走ったみたい。「絵にかいたモチ」ではないが、絵なのにしゃぶりつきたいの、絵なのにガラスの美しさに惹かれたの・・・、いえ、いろんな物を愛して格闘して本物らしく見せる横田葵さん、その画家の姿勢についつい入り込んでしまったの・・・そういう面も出てきたらと思った。



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          ↑:2年 上野雅人、「寂しさの中で見つけた」。


 道展U21、「STV賞」。
 渋く明るく不思議さ一杯の作品だ。上手すぎるからコンパクトになり、表面の表情に目が行き過ぎて、不可思議さが減ったのが残念なところ。でも、それは将来の問題にしておこう。

 ところで、この作品にはいろんなメッセージを読むことができる。全体の空気や存在感。水たまりの波のうねる世界。その水たまりの光り輝く中心点の白い穴の世界。誰もいないということ。寂しさとか、希望とか、思い出とか、情念の世界。いろんなことが垣間見える。僕自身は波の模様が人間の営みのように見えて、儚いようでしっかりしているようで、そういう黒の縞模様が今は気に入っている。



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          ↑:1年 野尻悠介、「雨の夜」。


 道展U21、「北海道知事賞」。

 まったく困った絵を描くものだ。しかも1年生だ。
 間違いなく何かを描いているのだが、何を描いているのかがわからいのが良い。雨の滴れだよ、ボックスかで輝く灯りの行進だよ、暗い世界に明かりが灯っている、闇と光の表現だ、しかも、強烈な画家の視線を感じる。一体何を描いているのだろう?
 僕は雨のような「流れ」に魅入った。青春が凝縮しているようだ。
 不思議不思議、気になる野尻悠介君の眼差しであった。


 
 それにしても、どの作品も素晴らしい。今年は特に良い。具象表現に、色の華やかさにますます磨きがかかった。だから、もっと載せたいが時間がない。もしかしたら②に続くということで。


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by sakaidoori | 2013-02-17 23:33 | アートスペース201


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