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栄通記

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2012年 12月 16日

1917)②「札幌大谷高校美術科 第24回卒業制作展 他」 時計台 終了12月10日(月)~12月15日(土)

  
札幌大谷高校美術科 第24回卒業制作展

         ✖

札幌大谷中学美術コース・高校美術科 第3回infinity展
  
        

 会場:時計台ギャラリー2階3階(全館) 
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年12月10日(月)~12月15日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(12.14)

 (1916番①、A室の個別作品の続き。)


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          ↑:高3・久村芽生、「象<家族>」・水彩 B1。


 家族の一体感を表現しているのだが、象という具体的形だけに頼らないで、色で主張している。ひとつの色合いだけで、絡みつくような世界を表現しているのに感心した。どこか肉感的にむっくらとしていて、しかもピンク系でだ。



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          ↑:高3・磯崎瑞恵、「夜半」・アクリル F50。


 身の回りの世界を見つめているのでしょう。学生自身は、「周りの環境の情報量に圧倒させされた」と言い、そんな気分の表現と語っている。でも、絵の世界はブルーによる統一感ある世界だ。この統一感が気に入った。
 絵画は一点に収縮するような遠近法で描かれ、その集約点を画家自身は微動だにせず見つめている。「世界は世界、私は私」という安定した力強さを感じた。 



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     ↑:左側、高3・磯あかね、「喫茶Rapportのポスター」・デザイン B1。
     ↑:右側、高3・菊池眞子、「FASHIONABLE MAP」・デザイン B1。


 左側の喫茶店のポスターは、文字はしっかりしていて、ポスターの使命は果たしている。惜しいのは、ちょっと古めかしいファッション・デザインを多用しているのだが、もっと大胆に絵で遊んで楽しめばと思った。
 対する、右側のファション・マップ。マップの実用性は軽いが、四角い形を楽しく描いているのがよく伝わる。
 デザインの遊び心と実用性を見る好一対だった。



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          ↑:高3・柳瀬可奈子、「samey-R」・油彩 F50。


 ちょっと不思議な絵。人物は大事な人なのか、そうでないのか?心臓は正しくリズムを打っているのか、壊れそうなのか?人物だけなら静かで安定した世界といえるかもしれないが、そこに血の流れのような、細胞の息吹のような網目模様が這い回ると、学生はどこに行こうとしているのか?と、ふと考えてしまった。そういうこれから動こう、決意しようという直前の身構えか?



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          ↑:高3・重光美希、「誰そ彼」・油彩 F50。


 黄昏時に、「不自由な私、全員集合、そして直進行進」だ。確かにブルーな私は自己嫌悪や不安不満が一杯なのだが、絵の中の学生自身は悩みがあっても胸を張って歩むんだ、という決意行進みたいだ。暗さを含めて高校生らしい。




 漫画的なハチャメチャな作品が一番好きなのだが、残念だがそういう作品は少ない。かわりに、正攻法表現の中で、一所懸命に若者心を伝える作品が目立つ。しかも女子学生が大半だから、一途さ優しさはひとしおだ。直向きに生真面目に美術制作に励んでいるからだろう。そのことは年齢に関係なく絵書きの基本ではあるが。しかし、この時期の作風は日毎に一変していくものであるから、意外なことに、このまま真っ直ぐに絵が成長することはない。まさに、人生で今だけの表現かもしれない。そして、「今、良い絵、悪い絵とか、上手い絵、下手な絵」とかは、僕たちは言葉にはするが全く意味も重みもない。願いは、長く長く美術を発信する人になって欲しい、そのことを君たちに伝えたい、それだけだ。



 もっともっと今展を紹介したい。いつになるか分からないですが、③に続く

by sakaidoori | 2012-12-16 10:14 | 時計台


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