2012年 12月 12日
上條陽子 解体と再生、そして試行 ◎ 会場:アートホール東洲館 深川市1条9番19号 経済センター2階 (JR深川駅を降りて直ぐの左側のビル) 電話(0164)26-0026 会期:2012年10月16日(火)~10月30日(火) 休み:10月9日(火) 時間:10:00~18:00 (最終日は、~16:00まで) ◎ 会場:網走市立美術館 会期:2012年11月23日(金)~12月16日(日) ーーーーーーーーーーーーー(10.20) ![]() 上の写真の右側に見える入り口が第一室。 以下、その部屋の展示風景。 ![]() ![]() ![]() 次は写真の奥に見える第二室。 ![]() ![]() ![]() ![]() 非常に刺激的な個展だった。 タイトルは、「解体と再生、そして試行」というもので、解体にしろ再生にしろ試行にしろ、何か美術造形的な命題でも追究しているのか?あるいは、思想的な問題探求の一過程か?そういうイメージで深川まで見に行った。何が「解体」であり、「再生」であり、「試行」かという主語や目的語をはっきりさせることだ。 展示は二部屋だ。 第一室はそれぞれ別々に発表したような個別作品を一堂に会して、「過去」、「現在」、「その次への展望」ということを構築的に表現しているのでは。 第二室も壁面作品の連続だが、よりリズミカルで、「流れ」るよな精神のありようだ。 こちらの整理不十分なところがあるので、とにかく第一室だけでも紹介します。思想的にはこの部屋だけでも充分でしょう。 一番印象的だったことを、忘れないうちに先に記しておきます。 間違いなく、「上條陽子」は過剰な精神の持ち主だった。男が過剰性を表現すればどうしても重たく汚く混乱めいたものになりがちだ。彼女の場合は「美しさ」を保とうというバランス感があるようだ。それは女性性と言えるかもしれない。 自己の過剰性をどうするか?今展を見る限りでは、「パレスチナ」との出会いが一つの方向性を暗示させたようだ。今展のタイトルに即して言えば、自己の過剰性が「解体」で、パレスチナとの出会いが「再生」で、これからはパレスチナの子供と関わりながら、自由な心で前に進むのだ、それが「試行」と言えるかもしれない。 作品全般に「血の気」を感じたので、「汚濁した自身の血」が解体で、「邂逅による清められた血」が再生で、「血の自由なリズミカルな生きざま」が試行、と言い換えてみたい。 もちろん、彼女は造形作家であるから、作品そのもので美術造形として「解体」、「再生」、「試行」を実践している。基礎にあるのは肉声としての線描が全ての基礎で、今では切り紙細工の中に埋没している。切り紙は面としての構築され、立体として発展している。表現の有り様は綺麗な順番を織ってはいるが、僕には過剰な精神の整理された姿に見えた。あるいは女性の持つ具体的な姿への溺愛が昇華されたとも言える。 あー、ささやかな駄弁のつもりがいつものように超駄弁になってしまった。作品を見ましょう。そして、僕の言う「過剰な精神」と、「その美しきバランス」が当を得ているかどうか、判断して下さい。 以下、全て第一室から。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() パレスチナの指導者の顔が見える。イスラエルと闘うパレスチナは、当然正当性はある。が、彼等自身の腐敗等の問題も山積みのはずだ。パレスチナと交流するようになった作家は、パレスチナの現実を直視しているのだろう。 ×印は何を意味するのか?政治に対する意義申し立てか?何かへのモンクか?生きていることの証か? ![]() ![]() 長くなりました。 ②に続く。
by sakaidoori
| 2012-12-12 23:21
| [深川]
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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