人気ブログランキング | 話題のタグを見る

栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ
2012年 12月 04日

1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金

  

The Wall Street Diary


by NADEBATA INSTANT PARTY
中崎透 山城大督 野田智子
   




 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
 会期:2012年12月1日(土)~1月25日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:30~22:00(照明点灯時間)
      (最終日は、~17:00まで)


ーーーーーーーーーーーーーーーー(12.1)


1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15142367.jpg



1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15145346.jpg



 感心してしまった。500mという長さを、一つのテンポ、一つのリズムで延々と表現している。16日間という日記仕立てで、日々の移ろいを、何を訴えるでもなく、ここをじっくり見たというのでもなく、「北国・札幌」を強調するでもなく、淡々と、まさしく空気のような一人語りが続いている。その執着しない姿勢に感心してしまった。執着はしないが、500mも表現し続けたことにも感心してしまった。表現された内容よりも、「空気人間」のような、「無味乾燥風な」、フンワカした感性と歩みながら自然に交流したこと、そこが今展で注目したことだった。


 「一人語り」と書いたが、3人のユニットによるものだ。「日々の移ろい」と書いたが、彼らは今展制作のために札幌に来た。いわゆる、滞在制作型作家活動であり、制作過程そのものが作品であり、作品完了した時が「札幌よ、サヨウナラ」だ。

 百聞は一見に如かず、始まりを載せよう。作品の始まりは日記の始まりでもあり、全ての流れはこの繰り返しだ。


1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15371036.jpg



1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15373823.jpg



1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_1538815.jpg




1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15384438.jpg



1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15413381.jpg
1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15415561.jpg



1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15433874.jpg



1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15463671.jpg


1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15465212.jpg



 最後に方眼紙のような紙が3枚、それぞれの文章か?やはり日記風のメモ書きが添えられて「一日」が終わる。

 その青いメモ紙、最終日のものを載せます。


1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15591181.jpg
1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_15592387.jpg
     ↑:(11月30日・金より。)




 その翌日は



1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_1644672.jpg




 その翌日は


1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_1651763.jpg



 
 ・・・・


 無音無窓の空間で、これらの作品をこういう風にして見ても面白くないであろう。しかし、ここは地下鉄に絡んでの通りすがりだ。札幌人が気ぜわしく歩む通路で、その歩む人のペースに合わせて、何とかして自然に振り向いてもらおう、「僕等の空気感を伝えよう」とするものだ。展示内容で通行人に波風を立たせることを意図してはいない。いや、始めっからそんな意図は持っていない。自然な装いとしての美術展示、でも目を止めたならば、無味乾燥の歩みの中でも何かが沈殿するだろう、そのことを信じている集団なのだろう。

 展示の多くの写真には、確かに「空気感」はある。その感性は現代若者らしさなのだろう。だが、「これが札幌の空気や地場」だ、「これが僕等の触れた札幌だ」と思うと、正直寂しさもある。個性のない風景ばかりだ。興奮冷めやらぬ場もあるだろう、と指摘したい。だがだがだが、他者の目というものは存外正直なものだ。こうして選び抜かれた彼らの風景、それはやはり札幌なのだ。とりたてて空気の淀むような、胸騒ぎするような、あらぬ磁場を発する場ではないのであろう。

 そして、普段着のようにしてあちこちを旅するのだろう。日常に昨日までとはチョット違った、ささやかな関係性をまき、密やかな足跡を残して去っていくのだろう、この3人ユニットは。


1900)①「TheWallStreetDiary by NADEBATA INSTANT PARTY(中崎 山城 野田)」500m. 12月1日(土)~1月25日(金_f0126829_16523790.jpg
     ↑:(作家の中崎透と山城大督。どちらがどちらだか聞き忘れてしまった。すいません。



 長い会場だ。エンドレスな繰り返しという感はあるが、①で終わるのは惜しい。②では写真等、メイン作品を紹介したいと思います。
 やや遅れて②に続く



 

by sakaidoori | 2012-12-04 17:16 |  500m美術館


<< 1901) 「こんどう ゆか ...      1899)「クスミエリカ個展 ... >>