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栄通記

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2012年 12月 01日

1895) 「Paul & 松本ナオヤ {調律のアウトライン}」 g.犬養 終了10月17日(水)~10月29日(月)

           

Paul & 松本ナオヤ 

    {調律のアウトライン
       


 会場:ギャラリー犬養 
      豊平区豊平3条1丁目1-12 
     電話(090)7516ー2208 

 会期:2012年10月17日(水)~10月29日(月)
 休み:火曜日(定休日) 
 時間:13:00~22:30  

ーーーーーーーーーーーーーーー(10.2)


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     ↑:(全て松本ナオヤ作品。)



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     ↑:(全てポール作品。)



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     ↑:(ビデオ作品以外は全てポール作品。)



 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 松本ナオヤ、写真を駆使してのシルクスクリーンだったが、今回は完全な絵画だ。シルクスクリーンを完全に止めたとかではないだろう。機械操作とは違った、肉筆表現を大事にしたいのだろう。それと、単純に絵を描きたいのだろう。

 ポールはスケッチ風の挿絵感覚で「都会」でうごめいている。チョット暗がりの路地裏が似合うような、ビルの隙間に忍び込んでは飄々と生きている若人達が主役だ。

 共に作品数は少なかった。松本ナオヤの場合は「絵画・門出展」だから仕方がないだろう。しかし、ポールの場合は、「もっと描けた」との思いが強かったはずだ。久々の展示ということで、間合いが読めなかったのだろう。そういう意味では楽しき宿題を残すことになった。

 始めに、入り口側の松本ナオヤ作品から。全てにタイトル付きだが、こちらのミスで一部しか記入していません。


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 実に初々しい絵画展だ。絵画を自分のものにしようとする姿勢に興味が惹かれた。
 彼は人間が大好きだ。学生時代は、人間そのものに迫らないで、人の振る舞いや形に視線を注ぎ、その外形を自分なりに加工して楽しんでいた。気取りやな所もある彼のことだから、「人に迫る」なんて恥ずかしいことは避けたかったのだろう。だが、形を加工してはいたが、人の外皮に対しては強い表現を続けていた。今展の絵画、未だ青春まっただ中の作家だ、その若きエネルギーが出口を絵画に見いだし、格闘直前の姿を見せていた。




 次はジャズのジャケットにしたくなるPaul作品。


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          ↑:(上の作品の部分図。)


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 音楽を楽しみ、都会のやるせなさを楽しみ、肩を寄せ合って、足でリズムをとりながら語り合う、形は古めかしいが、今風気分は充分に伝わる。ちょっとセンチでロマンティック、ポエムだってあるよ、皮肉めいた眼差しだって、何だって楽しもうよ、僕には沢山の恋人がいるから・・・、そんな風にエンドレスで物語は続いていくのだろう。
 挿絵やカットに使いたくなる。角張ったボディー・ラインは人間味を存分に発揮している。うねうね曲線だって手慣れたものだ。線描への愛着は、人への愛情になり、心模様が手のひらで遊んでいるよう。確かに「古き良き時代のアメリカン」的な世界で、どこかで見た感じかなという思いはある。だが、もう、自分自身の持ち味はしっかりと自覚している。実力はある。もっともっと沢山だ。そうすればいろんな顔が生まれるだろう。流れるような物語を描ききって、「ポールここにあり」という存在感を示して欲しい。



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 会場にはビデオ作品もあった。ポール作品を松本ナオヤが編集して映像にしたものだ。2,3分の長さだったが、間違いなく秀作だ。思わず彼に、「実に上手い」と声を上げてしまった。
 当の松本ナオヤ、余程自信があったのだろう、特に喜ぶでもなく、当然のような振る舞いであった。そこが彼の気取りやたるゆえんで、作品共々頼もしい態度であった。







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 板塀の床で大人達が歩くと、ガタガタと音だけが一人歩きする。人のシルエットと、その心と、足音がそれぞれ分離して、一人勝手に部屋をうろつき廻る。
 分離はしているが断絶感はない。もう一人の自分が他人と重なって、幾重にも何かを演じているみたい。
 その日のヒトムレは若き男女だった。普段の仕事顔を離れて笑みもまた歩き出す。・・・群星・・・「グンセイ」そんな言葉を思い出した。

by sakaidoori | 2012-12-01 00:18 | (ギャラリー&コーヒー)犬養


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