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栄通記

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2012年 11月 26日

1887)「新谷史子 森と交わる人間と動植物の交差に関する考察展」 時計台 終了11月12日(月)~11月17日(土)



新谷史子 

   森と交わる
   人間と動植物の交差に関する考察展
  
        

 会場:時計台ギャラリー3階F室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年11月12日(月)~11月17日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(11.17)


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 狭い部屋に日本画がびっしりだ。重厚さと綺麗さ、あるいはエネルギッシュさと情感とが相半ばして、闘っているような日本画だ。

 濃いい青を基調にして、強い心象性や幻想性を表現している。画面一杯に手抜かりなく、一所懸命に情感を伝えようとしている。そこに堅さも感じられるのだが、その堅さは若さというエネルギーに成り代わった。僕にはエネルギーの方に強く惹かれた。この強さが、画面により強い緊張感と凛とした美を生むのかと期待した。
 画家は「作品を通して地域の特別な情感を感じていただければ・・・」と念じている。「情感」、僕は「情」もさることながら、作家の強い「主張」を感じた。

 
 画家はいろんな学校の非常勤講師をされている。今春から、京都造形大学大学院日本画分野(通信課程)在学中とのことだ。
 タイトルはまるで学術論文のようだ。今展は在学校の「第6回学生創作研究助成金制度の採択企画」とのことで、そのことと関係があるのだろう。個展のタイトルとしては良くはないが、いろいろと事情があるのだろう。



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          ↑:「遥かにに」。


 手前には眠り姫のような女性が描かれている。画家の人物描写力を見る参考になる。それはともかくとして、この構図、幻想性を醸し出す手段なのだろう。少し型にはまりすぎた感じで、リアルな「女」を思った。もっと自然に溶け込むような方法がないものか?そのアイデアと溶け込む技術、大いなる課題なのだろう。


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          ↑:「コノハズク」。



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          ↑:「冬の日」。


 冬の日なのだが、枝先の微妙な絡み合いは春だ。元気で明るい。幻想性や情感追究が今展の主なテーマのようだが、こういう健康的で前向きな強い絵の方が、画家の自然な味わいに思えた。



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          ↑:「瞬」。


 「ウトナイ湖が一面夕日に染まる一瞬の世界を創りました」と、あります。

 萌えるような夕陽色、力が湧いてきて頼もしい。



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          ↑:「夜想」。


 鹿の生命を表現した力感溢れる作品だ。一番の力作かもしれない。やはり、画家自身の若さというパワーが作品に乗り移っている。



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by sakaidoori | 2012-11-26 22:47 | 時計台


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