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栄通記

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2012年 11月 22日

1878) ②「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (後期 中嶋幸治)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)

  

霜月 

  ノーザン アーツ コラボレーション
   

   
 会場:ギャラリー・門馬 & ANNEX 
      中央区旭ヶ丘2丁目3-38
       (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055

 会期:前期 ⇒ 2012年11月3日(土)~11月13日(火)
     後期 ⇒ 2012年11月16日(金)~11月26日(月)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(11.18)

 メンバーを入れ替えての後期展だ。今回は4名の出品。

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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○ 中嶋幸治 の場合   


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 いきなり人物入りの写真だ。それは作家自身だ。心臓を小刻みに震わせて森の中を瞬間移動する、そんな慌ただしさと静寂さで揺れている。そして、明瞭に見せつつ、意図的に何かを見せない世界だ。

 会場は細長き回廊だから、時間と共に展示表情に出会う。その特徴を生かし、「時間軸」で展示を見てしまう。実際、そういう構成であり、「時」が隠れたモチーフになっているだろう。そして、見える世界と見えない世界との語らい。


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 薄利岩石なようにして、低い位置に塊が座している。
 同じものが手で切られたものだ。切るエネルギーには驚きはするが、とても綺麗な世界だから「重み」よりも「存在」と不可思議さが押し寄せてくる。ここにも、淡々とした静けさと微震動が共鳴している。当然、ここが今展の白眉だ。


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 先ほどの塊が「重さ不定の存在感」を醸し出していたが、今度は「存在露わな浮遊感」だ。
 それにしても影といい、作品といい綺麗だ。柔らかい空気に包まれ・・・しかし、優しいという言葉はでてこない、「ここに在る」という存在を常に主張していて・・・心地良い緊張感と言っておこう。

 ところで、先ほどの塊の一つ一つは、この作品の影を切り抜いた形だ。つまり、実体と影を僕は行きつ戻りつ見ているわけだ。作品には実際の影も大事な姿だ。「見える部分」と「見えない部分」、「表層」と「深層」、「高さ」と「低さ」、そんな諸々と「光と影」が和している。


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 「手作り封筒」がアクリル・ボックスに入っている。

 この作品は既発表で、そういう意味では今展では旧作と呼ぶべきものだ。が、今までの作品を見てわかるように、この「封筒」という社会的呼称から一つ一つをそぎ落としていった姿が今展の全貌をなしている。僕は、最後の結果から見始めて、「封筒」という説明可能な作品に出会った訳だ。

 この封筒、模様毎に紙を繋ぎ合わせて、限りなく薄くこすって紙に仕上げて封筒にしている。誠に額に涙が流れるような修行僧の手仕事を思う。実に軽くてはかない存在だ、手のひらに乗せた綿毛のようなもので、吹けば飛びそうで、飛ばすわけにはいかない。


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 乳白色の淀みの中をあれこれと経巡るような作品群だ。「あれだ、これだ」と断定する力は一つ一つの作品にはあるのだが、それでいて、「あ-でもない、こーでもない」と鎮座してもの言わぬ風情でもある。


 グループ展なのに僕は「中嶋幸治 作品」ばかりを語りすぎたようだ。ねちっこい世界を清々しく見せる人だ。独自の世界にファンも多いことだろう。僕自身がその一人だから。


 項を改めて他の作家作品を載せます。
 ③に続く

by sakaidoori | 2012-11-22 10:41 | 門馬・ANNEX


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