2012年 11月 18日
篠木正幸 個展 「カタチあるカタチのないモノ」 会場:さいとうギャラリー 中央区南1条西3丁目1 ラ・ガレリア5階 (北東角地。 1階が日産のショールーム。) 電話(011)222-3698 会期:2012年11月6日(火)~11月11日(日) 休み:月曜日(定休日) 時間:10:30~18:30 (最終日は、~17:30まで) ーーーーーーーーーーーーーー(11.10) 初個展ですいんすたれーs。まずは会場の全体を見て下さい。インスタレーション風の作品が今展用の新作。 (以下、敬称は省略させて頂きます。) 白い小箱に入ったフェルト作品が篠木正幸定番だ。今展の総合タイトルが「カタチあるカタチのないモノ」とある。このネーミングは今展に限らず、氏のこれまでのテーマ(関心事)だろう。そして、今展は初個展だ、そのネーミングのたゆたゆしさの深化、あるいは飛躍が今後の課題なのだろう。 箱物の作品を何点か載せます。 「かたち」の有無、というか変幻自在な可能性に着目しているのか。雲が姿を変えながら漂い移動していく、そういうのをイメージする。同時に、そういう形の造型性以上に、篠木正幸ロマン・詩情とでもいおうか、一人白い世界で夢見る青年でもある。もっと言えば、夢見る入り口に立っている。「夢の中身をこじ開けて見る」という強情さを作家に求めても仕方がないだろう。そう言うタイプのひととも思えない。だが、個展という発表様式は、その姿勢を作家に強要する。「この程度の造型性でいいのか?詩情は充分に伝わっているのか?」等々の、それこそ目に見えぬ言葉が「個展会場」を包む。鑑賞者はただただ見るだけで満足する。発表者は満足と不満足の間を楽しく揺れ動く。 今回、箱物作品以外にも、静かな意欲作を提示した。床に紙をひいて、糸をドローイングのように這わせている。本来は絨毯感覚で土足可能にしたかったとのことだが、靴で糸がよれるので、一応は土足不可にしてある。 もっこりしたウエーブ・ラインを氏は好むだろう。しかし、作品の糸のラインは肉声がかった勢いがあり、そういう意味では「篠木ライン」ではないだろう。その「篠木ライン」らしからぬところが面白い。几帳面に、人の目の付かないところまで磨き上げたい人が、赤裸々な線に、「これはこれで良い」と意外な満足顔でいるのだ。大きな作品を並べてみたこと、そこに意外な美を発見できたこと、そこが今展の最大の収穫かもしれない。 壁に直に貼られたフェルト作品だ。装飾作品と言って良いだろう。要するに飾りだ。この装飾性がより一人歩きして、部屋全体を包み込んだらどうなるのだろう。装飾とは似て非なる増殖と圧迫になるかもしれない。あるいは心地良い鑑賞者癒やし空間、語りの場になるかもしれない。さて、作家の視点は? 「あるない」、「見える見えない」、「におう におわない」という逆説関係に拘る藤木正幸。今展を契機に、一層たゆたゆしく大きく膨らんでいくだろう。 右側の作品、可愛いものだ。
by sakaidoori
| 2012-11-18 09:53
| さいとう
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丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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