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栄通記

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2012年 11月 07日

1862) ①「自我の形象展 11th」 たぴお 11月5日(月)~11月10日(土)

  

自我の形象展 11th             
    

 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2012年11月5日(月)~11月10日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:11:00~19:00

 【参加作家】
 柿崎秀樹 森山誠 竹内はるみ 井村郁子 藤川弘毅 名畑美由紀 田中季里 林教司・・・以上、8名。
   
ーーーーーーーーーーーー(11.5)

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 渋いグループ展だ。まさしく、それぞれの「自我の形象」だ。

 作品を語り合っては幸せな冗談を言い合い、ぐるっと廻ってはまたまた作品を尋ねる、画論を語る。その画論に感心しては、自己を語る・・・喧々諤々(けんけんがくがく)という若者の熱気はないが、美術を、芸術を、人生をふところに仕舞って、それぞれが作品に挟まれて和気あいあいに、何という素敵な時間なのだろう。
 実に真面目なものだ。確かにそれは札幌という街の場末の一コマかもしれない。それでも、芸で名をなしたいと志し高き人もいるかもしれない。そんなことより、芸術を極めたいと期する人もいるに違いない。いやいや、美や芸を語り合えるだけで満足だと酒を傾ける人もいよう。人それぞれだ。淡い交わりだ。それなのに愉快な集いだった。

 さて、参加作家は8名だ。詳報するには多い人数ですが、入り口から左回りに個別作品を載せていきます。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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     ↑:柿崎秀樹、「カタチを埋める」


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 (拡大して、模様の筆跡を確認して下さい。)

 以前、「自由連想」という副題で発表していたシリーズ。

 フワフワしたカタチは人間のよう。アメーバー状に自然に拡がってはカタチを変え、それは「柿崎秀樹のフワフワ・ダンス」のよう。その人間のようなカタチは全面刺青状態で自己を主張している。
 奥域を見せることなく線で覆われ、目鼻口という明快物を露わにすることなく、ふわふわフワフワと気ままに自由に漂っている。ビッシリとカタチを埋めて、硬く心に詰めて・・・何を埋めているの?何故詰めるの?・・・それは「私」だから。


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     ↑:名畑美由紀


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 あー、あの名畑美由紀だ。栄通記を挑発すかのような作品を持ってきた。
 「あ~ら、サカエドオリさん。あなた、この作品わかる?」
 わかるわけがない。わからないが、ここに並べたい意志はしっかり見た。

 もし、装飾品として扱うならば、どこに配置すれば一番効果的かを考えるだろう。この場合の「効果」は配置者の思惑やセンスによって異なる。部屋全体を明るく見せたいとか、四角カタチに着目したりとかいろいろあるだろう。実際、今回の場所設定は作家の意思ではない。あなた任せの展示だ。設置者のセンスがどこにあるかもわかるだろう。
 もし疑似絵画作品として扱うならば、素材としての生地に着目するかもしれない。疑似マチエールとか色の深みとか、空間構成とか、ポプ・アートとか、現代美術性とか、そんな目で作品として「鑑賞」した人もいただろう。その場合、意外性は評価の対象かもしれないが、概ね負の言葉が返ってくるだろう。無視されるかもしれない。

 もしかしたら、名畑美由紀はピンクの布きれに愛を込めているのかもしれない。「この布きれのように私を愛して、だって私は濃いピンクなんだもの。素敵でしょう」
 そんなはずはないだろう。だが、この行為、恐るべし「名畑美由紀」である。


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     ↑:田中季里


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 この作品は明快に自画像と言い切りたい。夜陰に、宇宙を背にして、海原から沸き立つ「タナカキリ」だ。ビーナスの誕生、だ。
 青の色も魅力的だが、僕はたゆたゆしい線描に注目している。ググッと引かずに、ワンテンポ後れた線の軌跡だ。後れる筆先を楽しんでいるみたい。その余裕がボリュウーム感を生んでいるのか。


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     ↑:森山誠


 作品は小さいが一際目立つ存在だ。作品力の強さの証だろう。

 以前、時計台ギャラリーでの「森山誠個展」を当ブログに掲載させて頂いた。まずは作品紹介のみを載せた。そして、「②に続く」、が続かなかった。この席で氏に「どうなっているの?」とのお言葉・・・。全く、穴があったら入りたい心境です。

 この日、氏は田中季里・作品を熱く語られていた。それは彼女への応援であり、絵画という美に対するラブ・コールであり、氏自身の絵画探求の現在地でもあろう。
 それは夜も更けて立ち去る参加者も見え始めたころだった。が、酒はまだまだある、若き女性の作品である、老若男女の聞き手もいる、その佳き人に囲まれ熱心に絵を美をセンスを語る・・・作品同様、大いなる主役であった。


 残りは②に続く。)



 

by sakaidoori | 2012-11-07 09:59 | たぴお


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