人気ブログランキング | 話題のタグを見る

栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ
2012年 11月 05日

1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)

霜月 

ノーザン アーツ コラボレーション
   

   
 会場:ギャラリー・門馬 & ANNEX 
      中央区旭ヶ丘2丁目3-38
       (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055

 会期:前期 ⇒ 2012年11月3日(土)~11月13日(火)
     後期 ⇒ 2012年11月16日(金)~11月26日(月)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(10.23)

1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_23144766.jpg



1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_2320554.jpg



 多田浩二青年による企画展。
 彼は北欧が大好き、美術・芸術が大好き。だから、「多くの日本人に彼らのことを知ってもらいたい、そして互いに交流しあって、もっともっと人生を楽しもうじゃないか・・・」と、この企画展を理解している。本当は彼の主旨を尋ね、しっかりとメッセージを伝えるべきなのだろう。僕は代弁をしない。今後も、形は変わっても、何らかの企画を手がけると思う。そうしてもらいたい。きっと、自分自身で自分のしたいことを文章にしてくれるだろう。彼の肉筆をまとう。


 前後半に分かれての展示。前半の今回はフィンランド在住作家が3人、札幌・帯広作家が一人づつ、計5人による展覧会だ。
 北欧組は誰一人知らない。作品は郵送の関係で小品中心です。が、これが面白い。彼らから記します。


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_23312826.jpg
     ↑:Elina Sipiiä

1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_021347.jpg



1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_23314257.jpg



1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_0223140.jpg



 静かな落ち着いた世界。森の生き物が画題のようだけど、精霊と向き合っている。落ち着いた安定した精神性(スピリッチャル)を感じる。
 目立つ作品ではないのだが、毎日静かに会話したくなる。


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_0322894.jpg



1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_033411.jpg
     ↑:①Joseph James

1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_034333.jpg
     ↑:②Joseph James


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_0474968.jpg
     ↑:Joseph James



 こういう感覚は欧米人だ。彫りの深い凹版印刷と同じだ。きつく鋭くだ。白い部分も「黒」として見たら、彫りの深さが倍増する。
 ①、②の2作品、おびただしい人間が埋め込まれている、僕にはそう見える。他の外国人作家が自然との感応を重要なテーマにしている。彼は完璧な都会派だ。絶対個我を前提として、その重なりと塊で完結した世界(社会)を形成している。色の色調や線の流れなどでリズムやハーモニーも加味されて、深刻さは薄らいでいる。結果として「癒やし」の要素もあるみたいだ。「キツサ」と「柔らかさ」、どちらに主眼があるのだろう?その両方を視野に置いているのかもしれない。「キツイ」が故に「やさしさ」が必要ということか。



1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_052333.jpg
     ↑:Mia MaRia Hamari


 この丸い背中の動物、何だろう?木の精霊か?その表情と仕草がたまらない。愛すべきと言おうか、哀しき存在と言おうか。
 とにかく気に入ったので、幾つかのアングルを載せます。


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_0581548.jpg



1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_0584262.jpg
1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_0593058.jpg



1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_059653.jpg



 子供の玩具としての作品かもしれない。が、木そのものを直に感じさせる触感だ。首などはシラカバをそのまんま使っていて、「木を忘れるな」という、しっかりした主張がある。それを前提にした不可思議な愛玩物だ。


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_14210.jpg
     ↑:同上。

 木というマリアであり、イコンだろう。やはり、「木」だ。



 会場には企画者と作家とのやりとりメッセージが用意されている。それを読めば、より正確に作家に近づくことができる。良い方法だ。が、英語で、しかも小さく書かれていて、僕には読めない。企画者にとっては、あまりに英語が日常語だから、何の違和感もないのだろう。英語の読めない日本人にも「やさしく」と、お願いしたい。



 次に、2人の日本人作家です。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_1144598.jpg
     ↑:梅田マサノリ


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_1152411.jpg



1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_1162190.jpg



 心許ないイタドリによる「枯れ葉女」、だ。
 それにしても驚いた。硬派の梅田マサノリが、小穴だらけの枯れ葉を女性のランジェリーに見立てている。いや、女そのものに開眼したみたいだ。赤裸々な官能美ではないのだが、何やら怪しげに迫りたい「梅田マサノリ」、とう顔が見えてくる。氏の変身ぶりと変身願望のような世界に、楽しいやら嬉しいやら驚くやらだ。「生まれかわる梅田マサノリ、その序章」という作品だろう。存在の有り様の新たな追究だ。



1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_1245629.jpg
     ↑:工藤エリカエリコ


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_1253727.jpg


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_1255557.jpg




 切り絵の工藤エリカエリコだ。
 彼女の作品だけ色も沢山あり、影も豊富、広さもありで、大きく見える。もっとワイルド感があれば。他の作家達が省略美、余白美のような所があるから、均整美でまとめたのかもしれない。が、他の作家達は充分にはみ出し部分があり、それを意図している。工藤エリコの場合は、はみ出しを彼女自身が制御しているみたいだ。もったいない。この作品に、にじみ出る破綻があれば、影が更に闇を含めば・・・結局、もっともっと自由に伸びやかに。


 そして、グリコのオマケです。
 企画者・多田浩二青年です。


1859) ①「霜月 ノーザン アーツ コラボレーション (前期)」 門馬 11月3日(土)~11月26日(月)_f0126829_1383142.jpg



 恐いもの知らずで、やる気満々だ。
 「門馬さんは地下鉄からは遠いですが、是非是非見に来て下さい。僕はいつもいるつもりです。どんなことでも聞いて下さい。一緒に楽しみましょう。よろしくお願いします」と、心で言っている。



 

by sakaidoori | 2012-11-05 10:42 | 門馬・ANNEX


<< 1860) 「長谷川雅志 展 ...      1858) 「BLUE -1t... >>