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2012年 10月 23日
道展 第87回/2012 会場:札幌市民ギャラリー 中央区南2東6(北西角地) 電話(011)271-5471 会期:2012年10月17日(水)~11月4日(日) 時間:10:00~17:30 (最終日は、~16:30まで。) 料金:一般・800円 大学専門学生・500円 高校生・300円 主催:北海道美術協会 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(10.18) 1834)①の続き。 ①では「今年の顔」の第1室を載せた。勢いなりフレッシュなところが売りなのだが、ちょっとおとなしいとうか堅実な元気さに思えた。 それでは今回は「道展の顔」の第2室を載せます。実力派ベテラン会員を中心に、「これが道展」と主催者が訴えたい空間だ。 その道展の部屋を風景的写真ですがほとんど載せてみることにします。マチエールなどへの拘りは、ほとんど僕の写真技術では再現不能ですが、写実を志向する当会の一断面は推測できるかもしれません。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 全体の印象としては、おとなしいというものです。目立つ作品が少なかった。 ほんのわずかの個別作品を載せます。もちろん、自分好みです。 ![]() もっとも注目した作品。マチエール遠近法とも言えばいいのだろうか、奥域があり恐ろしく立体的に見えた。何を描いているかはどうでもよくなって、この絵の奥に何があるのだろうと我が目を疑った。タイトルの「パンドラ」とは、描かれた画題ではなく、絵画作品そのものをパンドラにしたいのだろう。 これを技術の達成と言うべきか、絵画に対する執念と言うべきか、言葉に窮する。 画家は絵画の可能性を極めようとしている、完成形を視野に入れている。その変遷を見るだけで十二分の価値はある。強いて無い物ねだりをするならば、現代的課題を絵画に入れ込んで欲しい。例えば、「不安」とか、「欠落感」、「空虚感」などの存在としての負のイメージを。 だが、一人の人間にできることはその人間の感性でしかない。氏にとっては「美」が最大のテーマなのだろう。 ![]() この絵に会えて本当に嬉しかった。 当然、昨年の大津波の惨禍が画題だ。岸壁の光景か、あるいは岸壁近くの海中の様子を描いたものだ。 素晴らしいのは、災害の事実を画家としてしっかり描こうとしている姿だ。確かに津波の後の混乱と混沌と無秩序の世界、汚い世界からはこの絵は遠い。悲惨ではあるが整理された美がある。が、対象を美しく整理されたものとして描いてしまうのは、絵描きの性(さが)というものだ。事実をしっかりと残そうという並々ならぬ思いがある。これは現地に行って、現場を見たものの感覚だ。それは壊れきれないでいる船体を露わに大きく表現しているのに見ることができる。何とも不釣り合いで、異様に存在の力強さを残している。これこそ現場を見たものの感覚だろう。 津波の退いた後、瓦礫の山は言い切れぬ事実だ。そこに片づけようにも片づけられない大きな残痕がある。どうしてここに収まっているのかという自動車、不思議にもスッポリと意味不明なところで立っている大型ボートなどは、あたりが整理されていけば不気味に存在を誇示している。大型船舶などはその極みだろう。伊藤作品の大型船舶には、それに通じる無意味な迫力がある。 画家にしろ写真家にしろ、「祈り」を赤裸々にした作品がある。それは、その作家にはどうしても必要な行為だろう。だが私は「祈り」以前の事実を直視する態度が好きだ。それを残す作家を好む。事実の迫力に圧倒される作家、それでも事実を残そうとする作家がそこにいる、そのことの方が「祈り」よりも好きだ。何を描いても当然「祈り」に覆われているのだから。 ![]() ようやくルネサンス風仕立ての画題や雰囲気から離れた「村上陽一・世界」に接することができた。しかも、静かに強く魅入らせる絵だ。 ![]() ![]() こういう拘りのある絵に関心が向く。男性的な「穴」への執着を思う。が、どうなのだろう?こういう作家はやはり個展だ。完成された個展でなくてもいい。画家の関心の輪郭を見たいものだ。 ![]() おおらかなボリューム感が魅力的。肝っ玉おっかさんというか、何にもない雪景色のボリューム感に通じる。 ![]() 「紅葉の山川真一」だったが、最近はもっぱら都市の風景を描いている。都市と言っても、林立する色の世界だ。雑踏の賑々しさ猥雑さ何でもありの明るさという都市の顔を、ひたすら色付く世界で表現している。 いや、本当は都市でも田舎でもどこでもいいのだ。要は、溢れんばかりの色で、「山川・ワールド」を作ることだ。 本作、そういう意味では色が薄い。どちらかと言えば線で建築物のリズミ感に主眼があるようだ。しかし、しかしです。やはり山川氏には溢れる色で覆って欲しい。リズムも色、恋も愛も憎しみも、皆な皆な色にしてもらいたい。それは氏だけにしかできないことだから。 気分は③に続く。
by sakaidoori
| 2012-10-23 17:39
| 市民ギャラリー
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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