古林玲実展
mosaic days
会場:ギャラリー犬養
豊平区豊平3条1丁目1-12
電話(090)7516ー2208
会期:2012年10月3日(水)~10月11日(木)
休み:火曜日(定休日)
時間:13:00~22:30
ーーーーーーーーーーーーーーー(10.3)
犬養ギャラリーは完璧な民家。その民家の昔のお風呂場が会場だ。お風呂場跡だから狭い。その狭さにモザイク版画がピッタリと収まっていた。

↑:右端の作品、「モザイク ~day side~」・39.2×54.2㎝。

↑:「モザイク day 1,2,3」、3点とも41.5×73㎝。
日記のような、つぶやきのようなモザイク版画を、「自分だけのもの」といった感覚で楽しむことができた。会場の狭さと、古びた空間が版画作品を生っぽくさせたからだろう。
かつて此処は湯気でムンムンしていた、人は裸でボーッとしていた。そんな日常のアクがびっしりと詰まっていた。今では、そのアクは気持ちよいような汚らしいような、怪しげな模様となって空間に生きている。そのアクさ加減という人間生理が作品と合っていたのだろう。
いや、「合っていると」と好ましく思うのは作家やギャラリー・オーナーや数少ないマニアだけかもしれない。そうであっても構わない。僕は小さな小さなゴチャゴチャ版画に集中してしまって、そうなると何故だか大きく見えて、さっきまでは無意味な映像の断片だったものが、何となく意味あるものの連続のように感じてしまった。それは錯覚だろう。「錯覚」・・・美術とは美を通して、作家の腕を通して、何かを錯覚させる術かもしれない。後はその錯覚を一服の清涼剤にするか、いつまでも離れない拘りにするか・・・なのだろう。どちらであっても構わない。