2012年 10月 18日
石倉美萌菜 個展 「さぁ この先どうしよっか」 会場:CAI02 raum1 中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 (地下鉄大通駅1番出口。 ※注意⇒地下鉄に行く階段を下りてはいけません。 昭和ビルの地下2階です。) 電話(011)802-6438 会期:2012年10月6日(土)~10月27日(土) 休み:日曜・祝日 時間:13:00~23:00 ※ オープニング・セレモニー ⇒10月13日(土) 19:30~ ーーーーーーーーーーーーーーー(10.16) ![]() ![]() ![]() ![]() 石倉美萌菜:「これから栄通さんがくだらいことを言いますよ~。そんな言葉は無視して、見に来て下さ~い。会場でミモナを見れば、声をかけて下さ~い」 決して行儀が良い作品群とは言えないが、行儀良くまとめている個展だ。そこを貫くものは何かと問えば・・・「とりあえずは発表しちゃおうかな」、だろう。 無手勝流のところがあり、個々の作品もいい加減風に見られる石倉美萌菜だ。だから、しまりない展示を想像されるだろう。が、思いの外、会場構成や展示精神のしっかりしている人だ。今までは男欲しいの妄想精神で表面を作っていた。ところが、彼女は「妄想はでてこない」という。しかし、美術表現は続けたい、「アーティスト」になりたいとしみじみ念じているようだ。それを静かに表現している。 今展は、妄想は無く、かといってそれに変わるテーマも衝動もない。昨年の震災が心の余震として会場を覆っている。事件は若き心にショックを与えたのだろう。その真摯な気持ちは良い。が、だからといって展覧会が良いとは限らない。事件に対すしては消化未整理だが、それは仕方がないし当然のことだ。知識人のように、直ぐに「祈り」が露わなら終わっている。むしろ悪いのは、その未整理に対して混乱する人間臭いミモナが欠けていることだ。彼女の持ち味は若さ、情熱、驚き、混乱、ハチャメチャ気分に大胆さにあると思う。「妄想」の欠けた現在、自己のエネルギーをどう処理するのだろ。性欲だけがマスターベ-ションではないだろう。袋小路に陥る情念、その突破も一つの美術表現だと思っている。たゆたゆしい今展だ。そこの突破を美術行為で突き抜けて欲しいものだ。 会場にナレーションが流れている。美術館の音声ガイダンスを真似たものだ。作家・石倉美萌菜の代弁をしながら、作品番号毎に「解説」をしている。いっそのこと本人の肉声を流せば良かったのに。声に自信がないのかな?もじゃもじゃした意味不明の発音も良いものなのに。それに今後の良い練習にもなったのに。 既に多くを語った。以下、極力作品のみを載せていきます。 ![]() ![]() 今展で一番良いだろう。画家・石倉美萌菜のセンスの良さを感じる。 「美術」という言葉は明治初期の造語だ。翻訳語か?現代美術の研究家や創作者は「美」を表現の第一義にするのには否定的だ。だが、少なくとも日本では「美」を通奏低音のように作品の前提にしているみたいだ。そういう意味では、明治人の作った「美術」という感性と、我々とは同じテーブルにいる。 言葉通りの「美とは何か?」が問われるべきだろう。その問いは常に意味不明な解答を用意しているのだが、その問う行為が日本的現代美術と思っている。これは欧米人とは全く共有しないテーマだ。なぜなら、余りに風土が違い、人間関係が違いすぎるから。 ![]() 唯一の非売品。未完成だから?「石倉美萌菜はお金がない」を売りにした会場ガイダンスだ。なのに非売品とは解せない。余程の自信作か不満作なのだろう。 ![]() タイトル、そうなんだよな~。わっかていなくても、分かった気分になることが大事なのだろう。たとえ誤解であって回り道に進んだとしても。 ![]() メガネをかけて会場を見て下さい、という主旨。 津波跡地で見つけたものかと思った。彼女はまだ当地に足を運んでいないので、違うのだろう。 ![]() 悩める石倉美萌菜君。いやいや、ミモナちゃん、次を楽しみにしています。次回もその笑顔を頂きたいです。
by sakaidoori
| 2012-10-18 11:16
| CAI02(昭和ビル)
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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