栄通記

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2012年 10月 03日

1817) 「『アンモナイト展』 北海道開拓記念館 第69回特別展」 開拓記念館 7月6日(金)~10月8日(月)

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北海道開拓記念館 第69回特別展 

  アンモナイト展  

          

 会場:北海道開拓記念館 特別展示室
      札幌市厚別区厚別町小野幌53-2
      電話(011)898-0456
      ファクス(011)898-2657
      ※ 駐車場は無料

 会期:2012年7月6日(金)~10月8日(月)
 休み:平日の月曜日(定休日)、但し9月17日、10月8日は覗く  
 時間:9:30~16:30
 料金:一般 500円 高大生 170円 小中生 60円 幼児・園児・65歳以上は無料

 【各種イベント】
 (パンフを拡大して確認してください。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー(7.6)


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 (オープン初日に見に行きました。概要は理解したのですが、写真撮影に覇気がありません。あまり良い写真紹介ができなくて、申しわけありません。当時、すこぶる体調不調だったと言い訳させて下さい。)


 当館では4年前にテーマ展として、「まるごとアンモナイト展」を開いた。僕にとっては記念すべき展覧会で、当ブログに初めて当館を語ることができた。以来、適時写真紹介を兼ねて感想を記している。道内では屈指の博物館を語れるとは、実に嬉しいことだ。

 さて、再び「アンモナイト展」だ。担当者も同じく当館学芸員・添田雄二氏。しかも、前回同様、「北海道化石会」のアンモナイトが主役だ。というか、もともとは当会の設立○○周年記念として、昨年テーマ展として開く予定だった。不幸にも、昨年の3.11大震災で年間行事に狂いが生じ、結果的には1年遅れで格上げの特別展という、それなりの予算もついた立派な「アンモナイト展」になったわけだ。


 今展の特徴をズバリ書きます。アンモナイトに関する情報を限りなく狭く限定させていることだ。しかも基本的なシンプルな情報提供に徹していることだ。深くアンモナイトを知る人にとっては間違いなく物足りない。深くアンモナイトを知りたいと思う人にとっても、なんとなく欲求不満が残ると思う。
 それではどういう情報を強く提供しているかというと、「アンモナイトはイカ・タコの仲間なんだ。アンモナイトを他人に語る時には、そっから出発しようよ」、この一点に尽きると思う。実にシンプルだ。そのための有力な比較として、実物のオーム貝が美しく会場に鎮座している。何となくその姿はアンモナイトに似ている。だからというわけではないがアンモナイトの親戚ということは幾多の研究でわかった。そして、そのオーム貝よりもいか・タコの方にアンモナイトはより近いということが、学者の涙ぐましい努力でわかった。その研究史は一切省略して、「アンモナイトはイカ・タコに最も近い生き物なんだ!」、ただただそのことをシンプルに訴えている。それが今展の第一部「アンモナイトって何?」だ。

 「そういう展示姿勢って、単に子供におもねっているだけジャン」と、批判がくるだろう。然り。学芸員・添田雄二氏は合点承知の助左右衛門だ。
 理由は二つ。
 一つ。旧来の博物館の企画展示は知の伝達に拘りすぎた。これからは知の共有である。その為には簡単単純なのが良い、一点に絞って語り合えれるのが良い。後は自分で勉強しなさい。

 一つ。結局、これからの博物館とはなんぞや?どうあるべきか?という問題に帰着する。知の殿堂と知の共有は可能か?予算的に関しては将来的には暗い。それでも明るい博物館とは何ぞや?知恵と工夫というマンパワーしかないではないか。いろいろシンプルに大胆に試行錯誤すべきだ。できるならば市民とともに。

 そんなことを学芸員・添田雄二氏は考えたのではないか。以上は全て僕の推測です。氏の今展の努力・主張・ねらいがベストかどうか?

 日本は今後、ドンドン老人が増える。そういう意味では博物館天国とも言える。一方で、子供が限りなく少なくなる。そういう意味では博物館にとってはこどもと如何に接するかは死活問題だ。だが、子供におもねってばかりではつまらない。しっかりと子供の知と関心に向き合う以外にない。少子高齢化時代、それは悩ましき博物館時代の到来だろう。昨今は、平和の証としてますます新知見が湧いてくる。それは博物館の華の時代に突入とも言える。
 さて、我らが北海道開拓記念館、新たな知と時代に適応して、僕らの知の欲求に応えて欲しい。


 今展は3部構成になっています。

 第一部が「アンモナイトは何?」

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     ↑:(水槽の中のオウムガイ。)

 芸術的な意味不明な写真になってすいません。水槽の中のオウムガイです。彼はいつも寝ています。だからじっとしているだけです。深海に住む生き物だそうで、夜行性なのです。餌付けシーンを見ました。寝ている彼を、餌のニオイで目覚めさせ、目が悪いので口元に餌を与えると・・・パクリ。髭のような手足のような細長いものを水中でばたつかせて食べていました。可愛いというか、綺麗というか、おとぎの国のお食事たいむでした。


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 2部はアンモナイトの化石陳列です。


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 天井のアンモナイト想像模型に注目して下さい。珊瑚の海に適した派手な色合い、イカに似ている足の姿です。頭の下に足がある。頭足類の所以です。


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 ここでのセールスポイントは異常巻きアンモナイトでしょう。
 この「異常」という言葉は、アンモナイトの生態研究が段々と進んだ今となっては誤解の種だろう。差別用語じみて良くない、と言っているのではない。正常巻きが本筋で、何らかの異常現象としてのアンモナイトと思いがちだからだ。世界的にもアンモナイト宝庫の北海道において、この異常巻きの出現は異常でないほど沢山見いだされるからだ。生態の拡散適応の結果とも言えるし、すくなくとも異常現象ではない。「不規則巻きアンモナイト」と「規則巻きアンモナイト」と呼び替えたらいいのかもしれない。


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 3部は版画家・福岡幸一氏の銅版画作品です。


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 ピンボケですいません。全体風景を理解して下さい。



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 アンモナイト化石実物と分離した構成は、意外に新鮮だった。

 福岡幸一氏のアンモナイト銅版画については項を改めて書きたいと思います。
 今日から旅行に行くので今月中の宿題にしたいと思います。 



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 以上、お粗末な写真紹介でした。すいませんでした。3部構成ですが、「松浦武四郎とアンモナイト」、「アイヌとアンモナイト」、「古代遺跡とアンモナイト」などの息抜きのような知恵袋も用意しています。

 今月の9日までです。

by sakaidoori | 2012-10-03 07:47 | ☆北海道開拓記念館


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