栄通記

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2012年 10月 02日

1816)「ZETTON -在日コリアン美術展-」 cai02  9月28日(金)~10月6日(土)

   
ZETTON 

   -在日コリアン美術展
    
  
         
 会場:CAI02 raum2・3
      中央区大通西5丁目 昭和ビル・B2 
      (地下鉄大通駅1番出口。
      ※注意⇒地下鉄に行く階段を下りてはいけません。
            昭和ビルの地下2階です。)
     電話(011)802-6438

 会期:2012年9月28日(金)~10月6日(土)
 休み:日曜・祝日  
 時間:13:00~23:00

※ オープニング・セレモニー ⇒9月29日(土) 17:30~ 
           
ーーーーーーーーーーーーーーー(9.29)

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 とくにDMには明記はないが、金侑龍君の呼びかけによる在日コリアン・グループ展だ。

 金侑龍君はギャラリーたぴおで個展、2人展、グループ展と開催した。その流れでの展覧会だ。彼が在日コリアンの企画を開きたいと抱負を語っていたのを覚えている。企画者として何かを主張したいということではあるが、それ以前の問題として、在日コリアン全体で何らかのムーブメントを起こせたらという思いがあるのだろう。美術という狭い視野でその可能性を問えば、「在日コリアンのものの見方、表現の有り様が、ちょっと日本人とはちがうよ」ということになるだろう。その表れとしてのグループ美術展だ。そういうことも視野には入れているだろうが、またまたそれ以前の問題が金侑龍青年の前に立ちはだかっている。つまり彼の問題意識は、「この札幌で在日が市民レベルで文化の自己主張をしているのか?自分こと金侑龍はたまたま美術表現を志している。ならば、個の問題としてではなく、『在日』の問題として美術展を通してその意志・意欲・存在をアピールできれば」ということだろう。

 そんな気持ちを金侑龍青年は抱きながら、まずは仲間に呼びかけるような形で今展が成立したのだろう。

 以上は取材に基づいた意見ではない。僕の勝手な類推だ。きっと間違いだらけだろう。構わない。なぜなら、僕自身がそういうことを金侑龍青年に期待しているからだ。


 さて今展は、とにかく美術が好きな人、研鑽している人の集いのようなところがある。在日の美術交流と、在日に基づく意思疎通の確認・発展にあるのだから。『在日』という独自性が有るのか無いのか?有るとしたならばどういうものなのか?無いとしたならば、こういうグループ展を続ける積極的意味は何なのか?長い流れの中で確認できるだろう。



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     ↑:鄭梨愛、「ハルベ(祖父) Ⅱ」・シーチング 白亜 油彩。


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     ↑:鄭梨愛。「ハルベ(祖父)Ⅰ」・同上。


 油彩を勉強している現役生だろう。人間を、祖父を真摯に見つめている。祖父をハルベと呼ぶのか、覚えておきたい言葉だ。


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     ↑:鄭梨愛、「時は流れて、気付かずに」、同上。

 「ハルベ」と同じ作家だった。自画像だろう。この赤は何だろう?青春という赤?女の意味?人類や民族?そこまでは意図していないと思うが・・・。現在、「在日」という差別はどうなっているのだろう?


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     ↑:朴朱福、「テジ」・木製パネル 油彩。

 「テジ」、豚の意?アイロニーの詰まった作品みたいだ。豚料理にされるのを連想してしまうから、哀しさが漂う。その具象性やアイロニーという意味性を離れても、絵画的に興味を惹く。


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     ↑:金和秀、「Lifes Ⅱ」・キャンバス 油彩。

 おもしろい静物画だと思う。


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     ↑:金将成、「Smile 1&2」・キャンバス 油彩。


 キャラクターものだ。今回は薄目の爽やかな対比の持参だ。だが、この表情から察するに、いろんなアイデアの持ち主なのだろう。どこかしらふてぶてしさのあるキャラクターだ。次はどんな大きさでくるのだろう・・・。


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     ↑:曹順実、「少女夢物語」・水彩画紙 水彩。


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     ↑:鄭大河、「モノノ怪の盃」他・水彩画紙 水彩。


 総じて漫画やキャラクター作品が多い。今風で良いことだと思う。できるならば、一人一人の漫画やキャラクターが量や大きさで、沢山ドハデに出品したらと思った。もっともっとうるさく、もっともっと輝いて部屋の白さがなくなったら。部屋を漫画で埋め尽くしたら。


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     ↑:金廷泰、「可能性」・キャンバス 油彩。

 デザイン風にしたくてデザインになりきれないといった風情。大地に根っ子に群衆、パワー爛漫というのがこれらの画題からくるイメージだが、画家は全く暗さやエネルギーに向かおうとはしない。しなやかに素直に「可能性」を見ている。



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by sakaidoori | 2012-10-02 03:49 | CAI02(昭和ビル)


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