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栄通記

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2012年 09月 28日

1812) 「ハコダテ・トリエンナーレ (石川潤の場合)」 函館 9月7日(金)~9月30日(日)

ハコダテ・トリエンナーレ


 会場:旧大黒湯、ギャラリー三日月、弥生町長屋 
     
 問い合わせ:アートフェス・ハコトリ実行委員会 
         電話 (0138)83-7721 

 会期:2012年9月7日(金)~9月30日(日)
 休み:無休
 時間:11:00~17:00

 【出品作家】
  

 主催:アートフェスタ・ハコトリ実行委員会 

※ (詳細はパンフを拡大して確認して下さい。)

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 (パンフを拡大して確認してください。)


 第2回目の展覧会です。というか、2009年の前回は「ピエンナーレ準備展」のようなもので、今回から本格的に3年おきに始まります。1回でも多く続けてもらいたい。

 残念ながら見に行っていません。今週までですからその予定もありません。興味がないのではなく、こちらの把握不足です。こういう初物は見ておきたいところです。
 今回、参加者の石川潤君から、彼の作品のみの会場写真を頂きました。たった3枚の限定した「作品風景」ですが、全体の様子をうかがう資料にはなるでしょう。


○ 石川潤の場合


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 会場は「弥生町長屋」だ。
 昭和初期の木造建築家屋で、基礎の防火用煉瓦塀は明治時代とのことだ。

 画家のメッセージがパンフにある。「マクロの世界とミクロの世界。その視覚化と関係性の表現」と理解した。


 部屋全体を宇宙(コスモス)にしている。視野は空間全体から、描かれた細部密部にと向かい、そのミクロ世界からまたしてもマクロへと誘おうとしている。部屋中央の箱は工夫の演出だ。石川風ブラック・ホールか。
 シンプルな美学で明々快々、実に分かりやすい。宇宙を観る心の拡がりや落ち着きが主体で、宇宙という闇への不安や悩みという回路は少ない。驚きや意外性よりもマクロミクロへの拘りから生まれる心の開放感だ。それと、絵画で大きく見せることに主眼があったようだ。その限りでは目的は達している。「キャンバス画家が、インスタレーション表現や空間造形という現代的表現技法にどう取り組むか」というものだ。

 僕は過剰を欲する。極端な多さ、極端な少なさを愛する。今展の最大の欠点は「こんなものかな」という作家の自己規制、それに基づいた美学の反映が強すぎることだ。画家自身の自己認識姿勢が乏しくて、見る人たちの視線を気にしすぎていることだ。確かに、絵画(作品)発表は見られることを前提にしている。だが、見られる作られた世界と、湧いてくる生まれてくる画家自身の世界、そのせめぎ合いがないと面白くない。石川青年の課題はそこにあると思う。

 彼は自身のエネルギーを爆発させる過程で今の画風を築いた。執念深く描かれた花弁のような細かい部分はその痕跡だ。それは素晴らしい。だが、あまりに常識的「美学」なり「構成」に縛られすぎていて、そこから先への意識的自問自答を宙づりにしているようだ。確かにその作業は苦しいのだが、そこんところを徘徊し続けなければ。今の画家の意識は「見せ方」にあるようだ。
 ここは一つ、湧いてくる情念情動美学を掘り起こして、数段上の驚きワールドにチャレンジだ。



 

by sakaidoori | 2012-09-28 14:59 | [函館]


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