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栄通記

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2012年 06月 14日

1790)「第46回 白日会北海道支部展」 時計台 終了・6月4日(月)~6月9日(土)

○ 第46回 白日会北海道支部展   


 会場:時計台ギャラリー 2階A室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年6月4日(月)~6月9日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

 【参加作家】
 多数。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(6.7)

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 北海道白日会といえば、ベテラン作家の堅実な具象画を頭に描く。そのつもりで会場を見渡して、今一度受付を見る。あでやかな和服スタイルの後ろには若き裸婦が隠れている。二人の女性の対が目に飛び込んできて思わずパチリと撮ってしまった。

 どうです、女性の気合いの入れよう!そして、彼女の作品は間違いなく後ろの裸婦だ。
 まず、顔がどことなく似ている。若さ堅さといい雰囲気も合っている。ギャラリー巡りは作品を見るのが目的だが、作家の気合いやその人らしさを目の当たりに見るのは楽しいものだ。


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          ↑:大久保育美、「鎮魂歌」

 この絵の魅力は何かを求めようとする顔の表情であり、肌の若さやその若さから来る堅さだと思う。暗く沈んだ背景も徹底的には暗くなれず、その若さを高めている。
 写実画として見た時、首から下の表現が何とも言えずアンバランスで、おそらく堅実な画家が見れば「デッサン不足」と指摘するだろう。胸の大きさ、水中の体の表現、足先、泉というには真四角で角張った水場、など細かく見ていけば不具合は沢山ある。それに対して画家は、「次はガンバリマス」と、実に素直に対応する。
 小品はそれなりに手がけているそうだが、大作はまだまだ経験不足とのこと。だから、大画面全面に神経が行き届かなかったのは事実だろう。だが、そういう技術的なことは描き続ければ上手くなるだろう。
 むしろ僕には、上手くなった時に、こういうアンバランスさを意図的に絵に浸入させて、未知の可能性への入り口にならないかと思う。

 それにしても若い絵だ。無理にそのエネルギーを押さえている感じもする。
 次回は赤くて暗い絵画、赤い和服スタイルをリクエストしよう。


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          ↑:中西堯昭、「緑奏」


 ただただ緑の森、白樺と道の色がアクセント。そして道の進む先に思いを巡らす。その道の果てに絵画は何を表現できたか?
 詩情と希求、過去においてもそうであり、現在でも、そして当分の未来でも絵画の中の重要な要素だろう。



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          ↑:岡本英子、「大正池より焼岳を望む」


 どこをとっても大きな作品だ。
 最後尾の山がドーンと存在している。池も全貌は見えないが、なぜだか大きく見える。木立の一本一本も凛々しく立って、自分をアピールしている。画家の気風なのだろう、全ての存在を大きくたらしめる。開けっぴろげの大きさに感服してしまった。
 僕は女性画家の風景画の良い作品の記憶がない。きっとそれは僕の偏見が目を曇らせていたのだろう。


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          ↑:中村富士夫、「剣山山麓晩秋」


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          ↑:芳賀文明、「早春の朝」

by sakaidoori | 2012-06-14 21:21 | 時計台


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