栄通記

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2012年 06月 04日

1785) 「梅田マサノリ 『記憶を探す通路』」 門馬 6月1日(金)~6月13日(水)


○ 梅田マサノリ 

  「記憶を探す通路」 

       記憶をコーテティングする今。
 


 
 会場:ギャラリー・門馬 ANNEX 
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38
     (バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055

 会期:2012年6月1日(金)~6月13日(水)
     (会期中無休)
 時間:11:00~19:00

ーーーーーーーーーーーーーー(6.1)

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 光を浴びる日にここを訪れると、もうそれだけで「美術」にタイムスリップする。
 強い光は磨りガラスで和らぎ乳白色に染まる。しかも空間は細長く、作家の意図のままに進んでは立ち止まり振り返り、最後は突きあたりのドアを過ぎ、緑の森で一呼吸する。
 門馬邸の庭は春真っ盛りだ。飛び回るシマリスの尻尾を見た。走ることの好きな生き物だ。ちょっとこちらを楽しませては、素早く木に登り、枝を伝い、これみよがしに素早い動きを披露する。あいにくと今日は尻尾だけだった。それでいい、君を見にきたのではないから。

 もう一度出発点に戻ろう。「記憶を探す通路」と作家は言っている。同時に、「記憶をコーティングする、今」とも言っている。記憶という過去、それを今は過去完了にするのだろう。
 その行為を追体験できるか、ゆっくりと会場を歩いてみよう。


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 梅田マサノリ得意の意味不明な浮遊物だ。生理の襞を浮遊させていている。が、生理のトゲをのこしつつ、トゲの役目を終えたようだ。

 目を磨りガラスに転じよう。


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 男と女だ。自画像と夢と呼ぼう。ここにも正直な梅田マサノリがいる。全ては標本なのだが、休ませている感じだ。


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 再び意味不明の浮遊物?四つ足の可愛い動物に見える・・・、ベッドだ。


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 ベッドが浮いている。子豚ちゃんのようでかわいい。


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 枕だ。飛んでいくなと、石で押さえられている。飛んでいくなと・・・。


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 再びエッチな作品だ。オッパイと言おうか、女性器と言おうか。本人もしっかりと登場して、愛すべき梅田マサノリだ。


 振り返れば・・・、明るくて静かな標本室だ。

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 出口は近い、戻るわけにはいかない。先に進もう。


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 梅田マサノリ考。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 以前、テンポラリー・スペースで初めて個展を見た。
 その時も標本スタイルだった。が、もっと肉肉していた、生っぽかった。更に、標本の器は王朝趣味的で、装飾過多のギラギラ感もあった。この肉っぽさと装飾性との組み合わせはミスマッチのようで、意地の張り合いのようにも見えた。意地の張り合いと言えば、部屋を押しつぶすようなビニール球体も置かれていた。
 穏やかならぬムードが通奏低音のように流れ、何かを包むようにして「可笑しさ」が漂っていた。とにかく、至る所に顔を出すアンバランス感が梅田マサノリらしさと理解した。

 おそらく深刻なテーマを持っているのだろう。例えば、「生と死」、あるいは「肉体と精神」など。文明の利器を巧みに使うことにも秀でた人だ。「個人表現と集団意識との関わり」、「現代文明と表現媒体」、などもあるかもしれない。だから硬派と言える。
 1958年生まれの人だ。焼け跡派、団塊の世代、その後の燃えかすの世代などの、人の塊の息吹を知らない。人種的に優しい世代の始まりに位置する。彼の持つやさしさが、硬派一本表現を衒うのだろう。

 今展は静かだ。そして自画像もあり正直だ。女性器もあらわで、素直だ。己の「肉」との対話も一段落したのかもしれない。
 大病を患ったと資料にはある。いつのことだろう?
 帰りしなに、「このシリーズは今回で一区切り・・・」と、そんな言葉を耳にした。肉塊シリーズなのか、標本シリーズなのか、浮遊シリーズなのかは分からない。過去と一線を画すのだろう。その為の個展だろう。限りなく個人的な発表かもしれない。


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     ↑:(浮遊するベッドの支え石。)



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by sakaidoori | 2012-06-04 18:40 | 門馬・ANNEX


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