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栄通記

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2012年 06月 03日

1783)①「日常の冒険 -日本の若手作家たち-(今村遼佑の場合) vol.3」 500m美術館 5月12日(土)~7月27日(金)

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○ vol.3 日常の冒険 

  ー日本の若手作家たちー
 


 会場:500m美術館
      地下鉄東西線コンコース、
      (「地下鉄バスセンター前駅」から、
       「大通駅」に向かっての約500m。)
     
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 会期:2012年5月12日(土)~7月27日(金)  
 休み:無し(年中無休)
 時間:7:00~22:30(照明点灯時間?)

 参加作家:
 今村遼佑(京都府生) 今村育子(札幌市生) 山本聖子(京都府生) 進藤冬華(札幌市) 西田卓司(札幌市) 藤倉翼(北広島市)田中巧起(栃木県) 石倉美萌菜(札幌市) 狩野哲朗(仙台市) 鈴木悠哉(福島県福島市) 清治拓真(新潟)
 (追って書きますが。
 とりあえずは、パンフを拡大して確認してください。)


ーーーーーーーーーーーーーーーー(5.31)

 11名の作品展。
 順番に載せていこう。一度に沢山の人を載せないで、ゆっくりと進んでいこう。作品も語るが、できれば作家のことや、美術雑感なども交えながら進もう。

 市民の自由空間だ。好き放題語れれば本望だ。どこまで言葉が出てくるか。批評を語る能力はないが、批判がましい言葉もでてくればと自分に願う。今展に関しては、「個々の作品が好きだから語る」という栄通記基本スタイルからは離れよう。


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 地下鉄「大通駅」方面から歩く。地下街の街角ムード漂う空間から、地下2階の色気のない場所に行くことになる。そんな場所だから、「美術品」を並べることによって、「市民の憩いの場創造」ということになる。美術に求められることが随分とあるものだ。無い物ねだりのような気もする。お役所仕事で言うところの、「費用対効果」ではどういうことになっているのか。おそらく、本展が取りやめになる時は「役目は終わった。か、効果が見えない」ということになるのだろう。その時こそ関係者の気合いの見せ所だろう。
 個人的には「変な空間、無意味な空間、薄気味悪い空間」が一つ去ったことが寂しい。


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 いよいよ始まる。
 僕の通路からは、作品は全て左側にある。
 地下街では、決めたわけではないが、左側通行になってしまう。どうも、それが人の生理のようだ。だから、美術展会場では左回りを前提にしていると聞く。
 作品展として今展を見ようとするならば、大通り方面からの歩行を勧める。もちろん、通りすがりの空間だから、好きに歩くのが一番だ。


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 今村遼佑、「釘と森」・2012年 釘 壁に水彩
 1982年京都府出身。

 当展の第一号を飾るにふさわしい?作品だ。写真で見える展示スペースに、わずかばかりの釘が刺されてあるだけだ。その釘の影を利用して樹が描かれてある。だから「釘と森」だ。


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 今作に限らず、全作品を通して「白」が基調だ。静かで地味だ、いわゆる「あわいを覗く」だ。
 その中にあって今作は抜群の白さだ。奇抜さが目的ではない。
 作家は語る、「・・・何もない場所にこそ、むしろ満ちているものが気になる・・・」と。そして、注意を促し、流れ去る日常を、少しでも堰きとめたい、と言葉を結んでいる。

 いっそのこと何もなかったならばどうなるのだろう。作品だ、その場合でもタイトルは付けよう、「僕の空間」だ。決して揶揄して言っているのではない。彼は日常性に我慢がならんのだろう。他人と会話していても、その言葉よりも口の動きの美を感じる人だろう。
 だが、その個人的感覚を他者と共有したいと願っている。なぜか?「僕はこんな世界を日常に見ているんだ。何て素晴らしいんだろう。ねー皆な、一緒に見ようよ!僕と同じでなくても構わない、あなたのあらぬ世界も見せてよ」と言いたいのだろうか?

 この行為はつきつめていけば「求めてもかなわない事への祈り」に至るだろう。どこまで作家は「祈り」という厳しい個的世界に耐えれるのか?美術行為は確かに孤独な個的世界だ。が、その行為の結果を「作品」として待ち望む人も想定できるだ。目には見えないが、彼らの支援が後押しをしてくれるかもしれない。
 だが、「祈り」には絶対の断絶があるのでは。

 今作には、そういう生真面目さと同時に、軽い「遊び」を感じる。おそらく、この遊び精神がある間は、健全な精神でいることができそうだ。「日常」と「非日常」が区別可能の間は健全で、こちらも安心して見れる。


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by sakaidoori | 2012-06-03 11:03 |  500m美術館


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