栄通記

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2012年 06月 01日

1778) 「HANA展」 たぴお 5月27日(日)~6月2日(土)

  
○ HANA         

   
 会場:ギャラリーたぴお
      中央区北2条西2丁目・道特会館1F
      (中通りの西側の郵便局のあるビル。)
      電話・林(090)7050-3753

 会期:2012年5月27日(日)~6月2日(土)
 休み:日曜日(定休日)
 時間:10:00~18:00
      (初日は、12:00~) 

 【参加作家】
 阿部正子 伊藤洋子 かつや かほり 佐藤綾子 田中緑 長谷川雅志 深山秀子 水戸麻記子 三宅悟 
   
ーーーーーーーーーーーー(5.31)

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 ジャンルも日本画あり、油彩画あり、テキスタイルありといろいろ。大きさもいろいろ。画題もこぢんまりした花から、森あり、海ありといろいろ。バラバラだが、そこは「ハナ・華」一杯だ。何と言っても、絵に取り組む画家の姿勢が違うのが良い。大きくうねるバランスとリズムで会場が埋まっていた。

 多くを取り上げたいが、どうなることか。


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     ↑:阿部正子


 心を落ち着かせて、丹念に丁寧に花と向き合い会話をしている。空気や光を花と一つにしようと、ゆっくり筆を運んでいる。
 かつての絵は平面的だった。そして何より動きがあった。その見栄えの動きは否定され、花のたたずまいとの美と存在に全神経を集中する。オテンバ心の絵が、精神的な絵にしたい!かつてのがむしゃらな真面目さは、一所を見つめる生真面目さになった。今は、遊び心よりも画品が大事なのだろう。
 だが、これらは小品だ。かつての大作との違いを語り過ぎているかもしれない。



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     ↑:深山秀子。左から 「春らんまん」、「桃花咲く頃」



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          ↑:田中緑、「海辺の風景」


 木田金次郎が好きな人だろう。ただ、金次郎には、描く物が画面に沢山あった。それらを絵画的躍動感で踊らし、生命と存在感を表現していた。
 しかし、田中緑は何も描こうとはしない。海と空気にしか関心がないようだ。この捕らえどころのない物を、なんとかキャンバスの中に埋め込もうとしている。ボリューム感でいくべきか?質感でいくべきか?遠近感でいくべきか?どんな色の組み合わせにしたらいいのか?
 捕らえどころない世界と格闘する画家、そう理解した。



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     ↑:長谷川雅志、「空へ」


 茶系という地味な色合いだが、なぜか華やかだ。発色が良いのだろう。それに、模様がなんともユーモラスだ。ついつい見る心も軽く踊るからだろう。



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          ↑:末永正子。左から 「サクラとウメ」、「サクラ さくら」


 今展では異色な作品だ。タイトルによるとサクラだ。サクラというより、「ペンキという色で画面花盛り」といった感じだ。
 描かれた世界をどこかで否定したいのか?だが、サクラは描きたい、描かねばならない。ならば、サクラはタイトルに任せよう。私は絵の具と遊ぼう。絵の具という材料だけでどこまで花が咲くか!やるっかない!
 末永正子は迷うことなく、キャンバスの前で仁王立ちしている。「サクラ たつ」だ。



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          ↑:伊藤洋子、「幸運の花」

 清楚な花たちだ。
 伊藤洋子は大作は作るもの試みるもの、小品は心を移すもの楽しむもの、そんな風に使い分けしているみたいだ。
 「『清らかに美しく』それのみで画業を進めれたら」、そんな願望もあるかもしれない。



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          ↑:中野邦昭。左から 「わすれな草」、「シンビジュウム」。


 綺麗な絵だ。気分は女性画だ。



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          ↑:さとう綾子。左から 「花箱」、「スターガザール」。


 静物日本画が3人続く。綺麗ということでは同じだが、微妙にそれぞれ違う。さとう綾子・作は若い。




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     ↑:三宅悟、左から 「サクラとレンギョウ」、「サクラ咲く」


 これらの作品は少し離れて見る方がいい。色の塊が品良く飛び出て見える。色は発散しているのだが、全体のまとまり感は抜群で、やはり三宅悟・桃源郷だ。幸せな気分にさせてくれる。



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          ↑:水戸麻記子、「お子様ランチ」

 ちょっとおとなし気味なミトラマ・ワールドだ。人体のフォルムというか、人物に意が行き過ぎた感じで、画題を楽しむまでにはなっていない。おそらく、大きな作品群の中で、何かを試みているのだろう。




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     ↑:かつや かおり


 左の3点は完璧な宗教画だ。三宅悟風の優しい色づかいで、ルネサンス絵画の構図を借りた感じだ。
 それにしても、凛々しい。宗教画にある肩肘張った強制はない。日々の生活と、色の世界を優しく宗教にまとめている。

  (タイトル等、追って追記します。)

by sakaidoori | 2012-06-01 09:03 | たぴお


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