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栄通記

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2012年 05月 28日

1772)「透明水彩展 『コロコニ』(小路七穂子の場合) 第6回」 資料館 終了・5月15日(火)~5月20日(日)

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○ 第6回 透明水彩展 

     「コロコニ
 


 会場:札幌市資料館 2階4室
    中央区大通西13丁目 
     (旧札幌控訴院。
      大通公園の西の果て)
     電話(011)251-0731

 会期:2012年5月15日(火)~5月20日(日)
 休み:月曜日
 時間:10:00~17:00

 【参加作家】
 小路七穂子 湯淺美恵 石垣渉 伊藤延男

ーーーーーーーーーーーーー(5.16)

 その日は小路(こうじ)七穂子さんと長話になった。前回のコロコニ展でも彼女とは長話だ。
 彼女の話すスピードやノリは、僕とは全然違いゆったりしている。僕の言葉を具体的例示に置き換えて、内容を確認もする。その言葉の独特のリズム感も心地良く、なぜだか長話になる。要するに彼女は描き手として見る側の感想を聞きたいわけだ。だから、ついついこちらも駄弁が嵩じてしまう。

 4人の参加作家で、作品には親しんでいる方々ばかりだ。が、今回は小路七穂子さんだけにスポットをあてます。
 会場風景だけは撮っているので、それで他の方の雰囲気を確認して下さい。


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     ↑:(5点全作品は石垣渉。)


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     ↑:(左側2点は小路菜穂子。)


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     ↑:(全作品湯淺美恵。)


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     ↑:(左側5点が伊藤延男。)



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     ↑:小路七穂子。


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     ↑:①左から、「アナベルとバッファロー」、「花瓶に挿したリラ」。


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          ↑:②「知床の初夏 Ⅱ」。


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          ↑:③「遠い国から Ⅶ」。

 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


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”     ↑:④「コロコニ(蕗の薹」。

 それぞれが5点の出品で、いろんな傾向の持ち寄りだ。だから、小路菜穂子も5点出品で、いろんな試みをしている。
 彼女の風景画が気に入っているのだが、それらは小さな世界にコンパクトにまとめる密度の濃さがある。何よりも、そのシャープさは才長けた感じで、作品を大きくしている。

 今回、自信作は①の植物画だろう。その作品に対して、
 「どうですか?」と、問われた。
 「普通に上手い作品ですね」
 「フ・ツ・ウ・ニ・・・。それは、良いことなんですか?」
 肯きも否定もせず、同じ言葉を繰り返した。シャープさを削いで、ゆったりと対象に迫る感じだ。
 この作品に限らず、作家自身が醸し出す「知性」とか「矜恃」を、出さないように出さないように構えている感じだ。

 ②の石ころの作品が気に入っている。岩肌などは克明にせず、さらりと描いている。サラリなのだが、堂々と中央に大きめに描いている。この魂胆が良い。魂胆を魅せないように軽めの石ころにしているのも良い。
 やはり風景画を得意としている人だ。ことさら背景にはいろんな物を描き込んではいないが、「風景の中にあるこの石」に注目している。その画家の直視している姿が絵に乗り移っていて、その目が石ころを「七穂子の石」にしている。

 ③の人形も面白い。堂々とした人形だ。知性派・小路七穂子の面目躍如だ。何を血迷ってこれほど人形に肩入れするのか、と言いたくなるほど存在感を出している。だが、今回は存在感の提出で止まっている。この人形とどう付き合うかを楽しんでいて、今は画家の前頭葉をカリカリ、カリカリ唸らせるだけだ。この大きな目に何を託すのだろう。何とも自信満々な姿、画家の写し身なのだろう。


 僕にとっては、小路七穂子の魅力は知性と矜恃がほの見えることだ。だが、知性や矜恃は、丸出しならば厭味に見られる。角張った感じで避けられがちだ。特に小品の透明水彩画は、コンパクトな「光」や明度が見せ所だ。光に「聖」なるものを求めたり、光に満ちた笑顔やふくよかさ、親しみ、可愛さは普通に好まれるだろう。
 この、「普通に好まれる」を小路七穂子も普通に求めているのだが、その時、自身の鋭い目をどうするか?「和光同塵」風にツメを引っ込めるのか?襲いかかることはしないだろう。それは間違いない。さて・・・。

by sakaidoori | 2012-05-28 22:47 | 資料館


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