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栄通記

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2012年 05月 28日

1771)①「北の日本画展 第27回」 時計台 終了5月21日(月)~5月26日(土)


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○ 第27回 

    北の日本画展
  


 会場:時計台ギャラリー 2・3階全室
      中央区北1西3 
       札幌時計台文化会館
      (中通り南向き)
     電話(011)241-1831

 会期:2012年5月21日(月)~5月26日(土)
 時間: 10:00~18:00 
      (最終日は~17:00まで。)

○ 深川移動展 

 会場:深川アートホール東洲館
      深川市1条9番19号深川市経済センター2階
      (JR深川駅を降りて直ぐ左側のビル)
      電話(0164)26-0026

 会期:2012年6月1日(金)~6月15日(金)
 時間: 10:00~18:00
 休み:月曜日

 【参加作家】
 総勢62名。
 (DMを拡大して個人名を確認して下さい。)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー(5.26)

 多くの日本画家が集い、沢山の日本画がある。見知った画家、面白い作品と多くを載せたい。
 2階から3階と部屋毎に順番に行きます。必然的に、3階の奥まった部屋は紹介できないでしょう。そして、僕の好みですから、載せる作家もお決まりかもしれない。付き合って下さい。
 (以下、敬称は省略させて頂きます。)

 それでは2階のA室から。


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          ↑:西谷正士(札幌)、「里」・F100。

 タイトルは「里」だが、画題を描いている人ではない。神域、ありいは聖域といえばわかりやすい。絵の中でポッカリ抜けた空虚な世界が画家のテーマだ。
 この絵の場合は、道の先の田んぼのあたりの空間だ。(写真では画家の意図が伝わりにくい。)絵画的には空間を表現する人、と言った方が分かりやすいかもしれない。しかし、それでは即物的で色気がない。「西谷正士にとっての絵画表現=空間=異次元世界=聖域」と形式化しておきます。
 ただ、彼の場合の異次元空間は、この絵の場合のように「道」などに誘われる場合がほとんどだ。決して「絵画の窓」ではない。バランスや構成で成り立っているのではない。そういう意味では誘導尋問的というか、作家の絵画的強制で作品がある。「ここを見よ!」と作家は露わに命令している。強い意志の作家でもある。
 表現したいこと、求める世界はずーっと同じだ。


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          ↑:吉川総子(札幌)、「残照」・M50(116.7×72.7㎝)

 やや小振りな作品だが力作だ。
 異次元表現という言葉で吉川総子を見れないことはないが、彼女の場合は何かしら感触的だ。ムチッとしているというか、その部分を愛おしく触りたいという衝動にかられる。
 
 今作、抜かりなく全面を描き込んでいて、画家の意欲を思う。緑中心で明かりがテーマだが、それにしても地味な画題だ。日常の切り取りということが大事なのだろう。
 描かれた世界は地味だが、柱などで門にしている。あまりにもストレートな「門」だから、その作為に立ち止まりたくなる。そして門の上部あたりが絵画の光源になっている。やっぱり触りたくなってしまった。女性画家特有の感覚だろう。しかし、知性もある。というか、絵画を知的に作りすぎる時がある。それは構図の問題とは違うだろう。

 吉川絵画の知性と感触性、その重なりが大ききする時もあれば、小さくする時もある。こういう力のこもった作品を20枚ぐらい並べて個展されればと思う。展示空間を作るなどは考えずに、ひたすら作品のみを見せる作品展だ。



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          ↑:上田とも子(熊本)、「雪の降る街で」・F50

 見た瞬間、吉川総子の作品と勘違いした。
 素直な詩情と構図とが「若さ」で重なっている。絵が拡がっていて、実物の大きさ以上に大きく見えた。人のシルエットの軽さが良いのだろう。



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          ↑:伴百合野(札幌)、「鎮魂の構図.四神.」・変形(140×140㎝)。

 紐もあるから空飛ぶ凧を思ってしまった。和服の収納袋「たとう紙」が支持体だ。何だか盲点をつく取り組みだ。たとう紙は高級な和紙だし、日本画に合わないはずはない。しかも、拡げた形もユニークだし、軽い柄もある。何より時間が蓄積されている。描き始める出発の段階から相手との対話だ。軽く手垢に染まった紙を自由に料理する、いかにも自由人・伴百合野にはうってつけだ。
 
 しかし、たった一枚とは寂しい。グループ展だから仕方がない。
 大きな壁一面に踊る「たとう紙」だ。重なっては離れ、緩く激しく流れる「たとう紙・伴百合野」、一人で夢想した。



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          ↑:蒼野甘夏(札幌)、「雨鯉群泳図」・S100(162.1×162.1㎝)。

 日本画の花鳥風月的伝統しがらみを、今風デザインに置き換えている、楽しんでいる。色気皆無の可愛さが一大特色だ。男におもねる情欲排除は戦略なのか画家の体質なのか、軽く自由に泳ぎ回る画家だ。いつもニッコリ笑ってしまう。



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          ↑:高橋潤(札幌)、「Frest」・S120(182×182㎝)

 賑やかで明るく楽しく可愛い作品だ。女性が上を向いてこちらにほほ笑んでいる。こんなトリック構図をしなくても、充分に楽しめるのだが・・・。それよりも、この世界は10年前と同じだ。その後雑貨屋的画題を代えたり、女性に対するアプローチにもいろいろ取り組んでいた。今回は原点回帰なのだろうか?
 氏の特徴の一つは間違いなくわかる。欠点になりかねない特徴だ。女性の顔が同じなのだ。しかも童顔で可愛く明るい。その表情が絵を決めている。奥さんなんだろうか?好きな人を描いているのだろう。仕方がない、二人の関係に他者は入り込めないのだから。



 ①はこれで終わりです。①はまだA室。このペースではとても終わりそうにない。が、 >②に続きます。飛び飛びになります。

by sakaidoori | 2012-05-28 18:57 | 時計台


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