2012年 05月 24日
○ ウリュウ ユウキ・写真展 Daily Mirror 会場:ギャラリー犬養 豊平区豊平3条1丁目1-12 電話(090)7516ー2208 会期:2012年5月2日(水)~5月14日(月) ※ 会期は一週間延長しました。 休み:火曜日(定休日) 時間:13:00~22:30 ーーーーーーーーーーーーーーー(5.5) 個性豊かな旧家の空間ということで、写真を見るには戸惑った。それなりには楽しんだのだが、時間が経てば経つほど、写真のリアルさが記憶の中では薄くなっていき、何だか相当に時間が過ぎ去った感じだ。おそらく、犬養ギャラリーがあまりに個性豊かだからだろう。写真を記憶と記録の中に仕舞い込む力があるのだろう。ウリュウ作品も、その磁場に安心して身を任せていたのだろう。 だからといって彼の写真が弱いわけでも、受け身でもない。 とにかく、会場風景を四隅からの写真で始めよう。 (以下、敬称は省略させて頂きます。) ![]() ![]() ![]() ウリュウユウキは展示の仕方に工夫をする。今回は譜面代に写真を置いた。まるで譜面台全体が子供骨組みロボットのようで、写真が顔だ。高さによって設置者の意図も推し量れる。かなり低い。おそらく、異様なイスにに合わせたのだろう。そこに座れば写真は目の高さと丁度良い。がイスからでは詳細は見えない。詳しく見るには近づかねばならない。そして、身をかがめることになる。写真に限らず、絵画作品にしろ、こういう角度で接する機会も少ない。広い会場に、縮かむ人達を作りたいのだろう。 ![]() ![]() ![]() 展示の工夫はいつもの趣向であり、ファンサービスだ。それはいままでの流れと変わらないのだが、明瞭に変わったことが二つある。 作品解説風のパネルが無くなった。つまり、「文字言葉」がなくなった。とかく写真家は多弁である。その多弁さが過度の説明パネルへと発展する場合がある。「文字」は、写真の個性を否定しかねない時がある。ようやくそのことに氏は気がついたようだ。おそらく、写真表現に確たる自信を持ち始めたのだろう。 僕の写真ではわかりにくいが、心象性をかなり強めている。黒のグラデーションを拡げて闇のような部分を強調している。上の譜面台の作品で、そのことを確認して欲しい。 それは被写体という風景の本質に迫るというより、より人間的に被写体を解釈している。あるいは心象性を被写体にダブらせていると見る。要するに、ロマンに陥らずに、オレはオマエをしっかり見ているぞ、オマエと一緒にオレはいるぞ、と個我を主張している。しかも強くだ。 いつもと同じように風景を撮ってはいる。が、いつもの淡々さが向こうに行ってしまった。半歩被写体に近づくウリュウユウキの息吹を感じる。真っ直ぐな電線まで、太く丸まった感じになった。 彼は自分を「旅する人、旅の足跡を撮り続ける人」と言っていた。今回は「旅」だろうか?旅と言うには定点への拘りが強すぎるようだ。定点への感情移入も強い。必然的に心象写真にならざるをえない。自覚的に写真行為を突き進む、そういうウリュウユウキを見れた個展だった。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 随分と標識などの人工物が多い。そして、写真特有の覗き見趣味も、はばかることなく愛用している。 ~~~~~~~~~~~~ 1階の小部屋にも作品があった。小部屋といえば聞こえがいいが、旧家らしい古さがムンムンしていて好き者の空間だ。 ![]() ![]() ![]()
by sakaidoori
| 2012-05-24 01:16
| (ギャラリー&コーヒー)犬養
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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