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栄通記

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2012年 05月 23日

1762) 「甲斐野市子・個展 『ハートの大きさ vol.5』」 g.犬養 5月16日(水)~5月30日(水)

  
○ 甲斐野市子・個展 

      ハートの大きさ vol.5
    


 会場:ギャラリー犬養 
      豊平区豊平3条1丁目1-12 
     電話(090)7516ー2208 

 会期:2012年5月16日(水)~5月30日(水)
 休み:火曜日(定休日) 
 時間:13:00~22:30  

ーーーーーーーーーーーーーーー(5.16 18)

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     ↑:(会場は2階。玄関に入れば、右側に階段がある。)


 以下、初めの3枚の写真は壁面を重視しての写真です。

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     ↑:(階段を上がった所からの、会場風景。)

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 以下の2枚の写真は、会場中央をわずかにズラして撮ったものです。

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          ↑:「アンレーブ」。

 カンナクズを丁寧に散りばめている。やや古い作品。
 他の作品が水彩画用の紙(支持体)を切り刻んで貼り合わせていて、近作だ。紙とはいっても、描かれたご主人の作品で、「面白くない」と判断されて、処分されたものでもある。つまり、夫の作品は裁断され、妻の作品に給されたのだ。


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     ↑:「かくされたME」。


 ちょっと恐い載せ方になったが、今展を代表する大作です。貼り合わせ、組み合わせの感覚を確認して下さい。


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          ↑:「毛糸のハート 1」。


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     ↑:「宇宙の木」。


 (以下、敬称は省略させて頂きます。)


 強い光が会場を占領し、自然の気力が漲(みなぎ)っていた。窓に映える緑色は、旧家の古さに彩りを与え、やはり生気盛んな様であった。

 使い古しの素材を小さくして、丁寧に几帳面に重ねて、並べて、貼り合わせて、作品は立ち上がっていく。情熱的に丁寧に取り組んではいるが、どこかファージーだ。と同時に、華がある。実に不思議な華だ。可憐さ優雅さとか、均整美、画趣とは質を異にしている。女の持つふてぶてしさ、凛々しさを根に持った華だ。

 今展、作品展として個々を見れば、充分楽しめる。だが、会場の磁場を通して作品群を見れば、彼女特有の「女の華」が萎えた感じだった。簡単に言えば、場の雰囲気にのまれて、咲かせることができなかった。

 日本の旧家は厨房や個室を覗けば男の美学で成り立っている。床の間のある空間は、その最たるものだ。つまり、今展の会場という土俵には、男の伝統美学・権力が覆っている。そこに、甲斐野ワールドは典型的な女の美学で攻め込むのだ。そこには意図的な戦略がなくてはとても太刀打ちできない。。伝統的男の美学と典型的現代女性の美学を、強い調和でバランスをとるのか?激しく攻め込んでいくのか?意図的に無視する姿勢を貫くのか?揶揄する態度でじゃじゃ馬娘のように振る舞うのか?

 おそらく、画家はそういうインスタレーションの経験に欠けていたようだ。個展歴は充分にある。が、それらは作品展だったのだろう。
 彼女の華は「両刃の剣」だとも思っている。
 その一所懸命さ丁寧さが自分自身に向かう時、精神の安定・充足や不思議な華を咲かす。恐らく、今回までの制作発表はその範囲内なのだろう。生娘のような慎ましい遠慮もある。
 だが、自己充足を終え、世間に目を向けて華を咲かせる時、彼女の中の未知なる強い要素も芽吹くかもしれない。慎ましさなどには構わず、その情熱やエネルギーでバンバンと歩き始めたならば、柔な男の美学など笑い飛ばすかもしれない。実は、僕はそこを見たいのだ。今展は、もしかしたら新たな気付きと自覚を画家にもたらすキッカケになるかもしれない。

 「こんな旧家、私のハートで埋め尽くしてやる。女の愛を教えてあげる。ハート、息が塞がるほど気持ちが良いわよ!」僕はそんな妄想を彼女に見る。


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     ↑:「毛糸のハート 2」。


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     ↑:ともに、「白いハート」で、「1」&「2」。


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by sakaidoori | 2012-05-23 01:30 | (ギャラリー&コーヒー)犬養


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